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アラフォーパワハラおじさんに負けない。ひとりではなくみんなで戦う

  • 2024.10.25

職場で起こる悩みの大半は人間関係によるものだ、という話はよく聞くけれど、本当にそうだと思う。

職場には上司部下、先輩後輩といった上下関係がある中で、私の周りには、男性からパワハラを受けて悩んでいる人もたくさんいる。社会的に平等と言われていても、女性は下と考える男性はまだまだ存在しているのだ。

悩んでいる知人の中には自分がその職場を去ることで問題を解決しようとする人も多く、悔しさをにじませながらその決断を話す知人の姿を見るたびに、私はすごくやるせない気持ちになる。

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パワハラ問題は私にとっても他人事ではなかった。数年前まで、とんでもないモンスターが同じ部署にいたのだ。その人は、アラフォーの男性社員で、その部署には長くいる社員だったが、後輩や取引先等、自分が相手よりも立場が上だと判断した人に対して徹底的にマウンティングを行うタイプだった。

例えば、取引先が見ている前で後輩を叱って意見を言いにくくさせたり、チャットで相手が謝るまで長文のメッセージを送り付けたり。取引先の些細なミスをさも重大なミスであるかのように指摘して、取引先の重役に謝らせることもあった。

こういった行動が多方面に常習的に行われていたため、自部署の同僚や後輩のみならず、他の部署の人や取引先からも煙たがられていた。だけど、上司など権力者に対してはへこへこして、指示に従順だった。かといって仕事ができたかというとそうでもなく、上司から引き受けた業務を取引先や後輩に丸投げしたりして、成果は自分がアピールするという仕事のやり方だった。

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職場にはハラスメントのホットラインもあった。証拠もたくさんあるので、誰が通報してもおかしくない状況だったが、2つの理由からなかなか踏み込めなかった。

1つ目は、その人が被害者のことを徹底的に「お前が悪い」と追及するため、被害者自身が「私も悪かったのではないか」と思ってしまうこと。私がいろんな人にその人のことを聞く中で「私にも非があるから辛くても言えなかった」という人がたくさんいた。

2つ目は、上司やその上の部長(両方女性)がその社員に対して何もしないことについての不信感である。長くいる社員だからこそ全く耳に入っていないわけではないと思うが、放置だった。だからもし相談しても何も起こらないだろうという雰囲気がその職場にはあったのだ。

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私は基本的にはその先輩とは関わりがなかったが、自分の信頼していた別の先輩がその人からのハラスメントが引き金になって退職したこと、同僚がハラスメントの被害者になっていたことなど複数の要因が重なり、どうしたらその人を職場から追い出せるのか考えるようになった。

ちょうどそのタイミングで事件は起こった。私とその先輩が同じプロジェクトに入ることになり、その先輩がうまくいかなかった仕事の責任を、私に押し付けてきたのだ。上司に呼び出されそのことについて追及を受けた時、一瞬頭が真っ白になったが、今まで被害にあってきた人たちのことを思い出して、これはハラスメントを明るみにするチャンスかもしれないと思った。

私は次の打合せまでに起こったことを時系列でまとめた。できるだけ客観的な報告書になるように、被害者の同僚にも相談しながら報告書から感情を排除し、文書が残っているメールやチャットの履歴もさかのぼりながら、事実だけをまとめた。

そこまでに自分の感情も整理できたので、報告の時はかなり冷静になれた。びっくりしたのは、報告の後上司が「辛かったね」と言って泣いてくれたことだ。後から聞いたことだが、上司もその人からかなり強く当たられた経験があったらしい。同じプロジェクトに入っていた別のメンバーも、同じように事情聴取を受けていたらしく、そこで私をフォローしてくれたこともあり、私の無実は証明された。

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上司はさらに上の部長や他のグループの上司に報告し、その社員との面談を設けることになった。面談の内容について、私は直接聞いてはいないが、噂によるとその先輩はいかに自分が今までこの部署に貢献してきたか、それをもっと周りに認めてほしかったことを訴えたそうだ。

おそらく、自分の昇進や同僚と比較して能力に自信がないことの焦りが、ハラスメントにつながっていたのだろう。その事件の後、さすがに自分の居場所がなくなったことに気付いたその先輩は、この職場を去っていった。

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私が悩みを打ち明けたことで、同僚や後輩だけではなく、上司もハラスメントに対して我慢していたことが分かったときに、簡単に解雇ができない日本では特に、一人ではなくみんなで戦うことが大事だということに気付くことができた。

確かにハラスメントと戦うのは精神が消耗するし、自分が逃げた方が良いと考える人も多いと思う。だけど、自分のために、そして今と将来のその会社のためにも、一人でも多くの人が声を上げられるようになってほしい。

■長女のプロフィール
メーカー勤務でマーケティングリサーチを生業にする26歳OL。 きらきらしてて、透明で、すぐにほどけてなくなってしまうものが好き。

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