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おひとりさま生活のお金事情、どう備える?

  • 2024.10.25

“おひとりさま”として生活していくにあたり、お金の面で備えておくべきことは? 必要以上に不安になる前に押さえておきたいポイントを、インスタグラムへの投稿で主に20~40代の女性から支持を集めるFP(ファイナンシャルプランナー)のfumicoさんが、インスタでもお馴染みの手書きのノートとともに解説します。

誰もがなり得る“おひとりさま”、備えるべきことは?

朝日新聞telling,(テリング)

“おひとりさま”生活について考えておきたいのは、独身の方だけではありません。
結婚していても、この先、離婚するかもしれませんし、子どもがいても常に近くに住んでいるとは限りません。女性は男性よりも平均寿命が長いため、死別によりひとり暮らしとなることも。誰もが人生のどこかのタイミングで“おひとりさま”になる可能性があるのです。

これまでのように結婚や出産が世の中の見えない“ルール”でなくなり、選択肢が増えたのは喜ばしいことですが、ひとりで暮らしていくにあたっては、準備しておいた方がいいこともあります。

「生活防衛資金」は多めに準備を

朝日新聞telling,(テリング)

家計管理のポイントは独身でも既婚でも大きく変わりませんが、おひとりさまの場合はブレーキを掛ける人がいないため、趣味や美容などに際限なくお金を使ってしまう可能性も。浪費を防ぐため、で書いたような「自分軸」、つまりご自身の価値観や生きがいを基に、譲れない支出が何かを考えましょう。お金を掛けるところ、節約するところのメリハリを付けることが重要です。
合わせて、生活水準を上げ過ぎないことや、固定費の削減も意識したいところ。一度膨らんだ支出を減らすのは難しいですし、通信費・民間の生命保険料といった固定費を減らすためには契約の変更など手続きが必要なことも。面倒なことほど、先回りして手を打っておきましょう。

おひとりさまでも健康で仕事をしている、いわば“通常運転中”は大きな心配は要りませんが、体調を崩したり、リストラ・倒産などで仕事を失ったりといった予期せぬ事態に弱いのは事実です。これらに備えて準備しておきたいのが生活防衛資金。で一般的には生活費の6か月分とご説明しましたが、おひとりさまの場合は6か月から1年分が目安となります。

病気や怪我への備えについて、まずは「どの程度、備えられているか」を確認しておきましょう。会社員や公務員が加入する健康保険には、病気や怪我で仕事を休み、要件を満たす場合に支給される傷病手当金の制度がありますし、お勤め先によっては、医療費の自己負担を抑えてくれる付加給付の仕組みがある場合も。一方、フリーランスや自営業の方には、これらの仕組みがありません。
働き方によって、備えの手厚さが異なることには注意が必要です。

住宅購入の返済プランはより慎重に

朝日新聞telling,(テリング)

住宅を購入する場合、おひとりさまは返済プランをより慎重に考えましょう。万一、収入が失われた場合、返済計画がすぐに行き詰まってしまうおそれもありますから、借入額・毎月の返済額に余裕を持たせることや、変動金利型を選ぶ場合は、この先、金利が上昇しても返し続けられるかどうかを確認することが必要になります。

高齢になった時に、今と同じ場所に住んでいるとは限りませんし、同じ場所に住んでいてもその時の自治体の財政状況などにより、住民サービスは変更されている可能性もあります。それでも、「困った時にどういった機関に相談すればいいのか」「どんな制度があれば住み慣れた場所での生活を維持しやすいか」をイメージするため、現時点での状況を確認しておければ安心です。

公的年金シミュレーターは、思っているよりも気軽に利用できます。毎年、誕生月に日本年金機構から送られてくるねんきん定期便の「年金見込額試算用二次元コード」を読み取り、「いつまで働くか」、「いつから年金を受け取るか」などの項目を入力すれば、これまでの加入実績を踏まえた年金受取額を簡単に試算することができます。「ねんきん定期便が届いたら、その時点での見込額を試算してみる」ことをルーティンにしておくのもオススメです。

ライフイベントを設定して目標とメリハリを

朝日新聞telling,(テリング)

ライフプランを考える時は、100歳まで生きる前提で。2023年時点での女性の平均寿命は87.14歳ですが、90歳以上まで生きる方が2人に1人と、「人生100年時代」はすぐそこまで来ています。
65歳まで働いても、その後35年間の生活費が必要となるため、年金を増やし、積立投資でお金を働かせることで、お金の寿命も延ばしておきたいところです。

一般的なライフプランは結婚・出産や住宅の取得など、家族がいることを前提としがち。数年おきに卒入学、季節ごとに行事や試験のあった学生時代と違い、社会人になれば季節を感じる暇もなく、あっという間に数年過ぎてしまったと感じる方も多いかと思います。
しかし、ライフイベントは大きなコトだけとは限りません。転職・起業・資格取得、勤続〇年の自分へのご褒美、引っ越し・家電の買い替え、海外旅行など、比較的小さなコトであってもライフイベントとして設定してみることで、目標や生きがいに繋がります。

家族構成だけでなく、選択的夫婦別姓制度や同性婚がいまだ認められていないなど、日本では制度が現実に追い付いていない点が多々あります。家族の形も時代に合わせて変化しますし、助け合う相手は家族でなくても構いません。信頼し、支え合える相手を見つけられればベストです。

おひとりさまの最大のメリットは、何かを始めたいと思った時に、ご自身の思いやスケジュールを最優先できるところ。
お話ししたポイントを今日から実践していけば、必要以上に不安を感じることなく、おひとりさまの生活をより一層充実したものとできるのではないでしょうか。

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FP fumicoの“Live colorfully”の次回は、11月29日に公開の予定です。

■fumicoのプロフィール
CFPⓇ保有のファイナンシャルプランナー。 大学卒業後、生命保険会社や市役所での勤務を経て、2017年12月より「お金」に関するInstagramへの投稿を始める。社会保険や税金・資産運用といった学ぶ機会がなく、話題にも上りづらいコトを身近に感じてもらえるよう、解説の投稿は手書き。趣味は起床後すぐの15分ヨガと、株式投資。

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