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【俳優・仲野太賀さんインタビュー】すべては一期一会の世界だから【後編】

  • 2024.10.24

仲野太賀さんといえば、主役としての華もバイプレーヤーとしてのコクも併せ持った、今もっとも勢いのある俳優のひとり。

役者仲間も多い明るく陽気なキャラクターというイメージだったのだが、取材現場に現れた仲野さんは思っていたよりもずっと落ち着いた大人男子。ほのかに漏れ出る色気もちょっと危うく、まだまだ未知数の魅力に惹かれました。

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慌てふためく自分もまた楽しめちゃうから

――以前、この連載で菅田将暉さんが「仲野太賀や間宮祥太朗はお酒を飲んで全裸になれる。自分はなれないし、やろうと思ってやることでもないので羨ましい」と言っていた。仲野さんの豪快な自然児っぷりが目に浮かぶ、いい話だなと印象に残っていたのだが。

「また余計なことを(笑)。正確に言うと祥太朗は脱ぎません。なので彼は完全にもらい事故ですね(笑)」

――2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主役を務めることも決まっているが、それも「楽しみたい」という。

「この仕事は、劇的に成功する飛び道具や特効薬が基本的にない世界。そう思ってひとつずつ目の前にある作品に一生懸命取り組んできたのですが、大河の主役が決まったとき、それが実ったというか。作品が発表になって知り合いから『おめでとう』って連絡が来たのも初めてですし、自分なりに頑張って来たことが周りから祝福されるような形で結実した気がしてすごく嬉しかった。だから僕の中では自分にのしかかってくる重圧よりも楽しみのほうが強い。大河ドラマは撮影期間も長いので、今まで体験も体現もしたことがない表現ができるかもって、今からワクワクしています」

――仕事以外でも、未知のものへの躊躇や怖れはまったくない。むしろ自分から飛び込んでいくタイプ。

「『こんな人、見たことない』って人に会うと嬉しいし、普段生活していても初めてのことに遭遇すると『うわ、楽しい!』ってテンションが上がります。そこで慌てふためく自分もまた楽しめちゃうから、予想外、想定外、トラブル……とりあえず何があっても大丈夫。そういうとこは得な性格で、人生を謳歌したいタイプなんでしょうね」

――いや、もう鋼のメンタル(笑)。

出典: 美人百花.com

誰かを守れる強さのある女性に惹かれます

――仲野さんが思う「美人」、そして理想の女性像も「強さ」がキーワードになっている。

「自分の芯をしっかり持っている人が好きです。それって話していてもわかるだろうし、仕事ぶりやファッションにも自然に出てくる。そんな芯を感じると素敵だと思います。弱いものに手を差し伸べ、誰かを守れる強さがある、そういう女性にも惹かれますね」

――「誰かを守る強さ」に感応できるのは仲野さん自身が強く、同時に繊細な感性を持っているからだろう。ちなみに、そんな仲野さんの手は驚くほど綺麗。ちょっと無骨な手をイメージしていたので意外だったのだが「手が綺麗って言われませんか」と聞くと、「いや、オレの手なんて誰も見てないと思うけど……」と言いよどみ、そこでまた〝間〟。そして「今すぐ汚したほうがいいですか」と突然真顔で切り返し、えっ?と思った瞬間、ふっと笑って場をほぐす。この、ぐっと引き込む絶妙な間合い。仲野太賀は本当に掴むのがうまい。

出典: 美人百花.com

Profile

仲野太賀(なかのたいが)

2006年2月7日生まれ。13歳で俳優デビュー。今年はNHK連続テレビ小説『虎に翼』ほか、W主演ドラマ『新宿野戦病院』(フジテレビ系)にも出演。2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主演・豊臣秀長役も決定している。

Information

M&Oplaysプロデュース『峠の我が家』

人里離れた峠の古い一軒家に借金のカタとして嫁いできた斗紀(二階堂ふみ)。ある日、この家に安藤(仲野太賀)という若者とその兄嫁が訪ねてくる。斗紀は安藤に救いを求めるが、それは不穏な物語の始まりだった。

作・演出:岩松了 出演:仲野太賀、二階堂ふみ、柄本時生、池津祥子、新名基浩、岩松了、豊原功補
主催・製作:株式会社M&Oplays
東京・本多劇場(10/25〜)ほか全国8カ所にて公演

掲載:美人百花2024年10月号「#いま彼を知りたい」

撮影/女鹿成二 スタイリング/石井大 ヘアメイク/高橋将氣 取材・文/若松正子 再構成/美人百花.com編集部

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