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【2024年10月】映画好きから高評価の邦画おすすめ36本

  • 2024.10.24

Filmarksで映画好きから高評価が集まるおすすめの邦画36本をまとめてご紹介します。

おすすめの邦画36本

本記事で紹介する映画は、国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のレビューやスコアなどのデータに基づいています。

『告白』(2010)

ある中学校で、1年B組の担任・森口悠子は生徒に語り始める。自分の娘が学校で死亡したのは警察が断定した事故死ではなく、この組の生徒に殺されたのだと。そして自らの手で仕返しをすると宣言して学校を辞め、後任で熱血教師“ウェルテル”がやってくる……。

原作は、湊かなえのデビュー作である同名小説。監督は『来る』(18)の中島哲也。生徒に娘を殺された教師を松たか子が演じた。第34回日本アカデミー賞では、最優秀作品賞、最優秀脚本賞、最優秀監督賞を受賞した。

『すばらしき世界』(2021)

下町の片隅で暮らす三上は、見た目は強面でカッと頭に血がのぼりやすいが、まっすぐで優しく、困っている人を放っておけない男。しかし彼は、人生の大半を刑務所で過ごしてきた元殺人犯だった。社会のレールから外れながらも、何とかまっとうに生きようと悪戦苦闘する三上に、若手テレビマンの津乃田と吉澤が番組のネタにしようとすり寄ってくる。やがて三上の壮絶な過去と現在の姿を追ううちに、津乃田は思いもよらないものを目撃していく……。

原作は佐木隆三によるノンフィクション・ノベル「身分帳」。監督は『ゆれる』(06)の西川美和。実在の人物をモデルに、人生の大半を獄中で過ごした男が更生していく姿を描く。主人公・三上を役所広司が演じる。

『ある男』(2022)

弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、亡くなった夫「大祐」の身元調査という奇妙な相談を受ける。里枝は離婚を経て、子供を連れて故郷に戻り、やがて出会う「大祐」と再婚。そして新たに生まれた子供と4人で幸せな家庭を築いていたが、ある日「大祐」が不慮の事故で命を落としてしまう。悲しみに暮れる中、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一が法要に訪れ、遺影を見ると「これ、大祐じゃないです」と衝撃の事実を告げる。愛したはずの夫「大祐」は、名前もわからないまったくの別人だったのだ……。「大祐」として生きた「ある男」は、いったい誰だったのか。何故別人として生きていたのか。「ある男」の正体を追い“真実”に近づくにつれて、いつしか城戸の心に別人として生きた男への複雑な思いが生まれていく……。

原作は第70回読売文学賞を受賞した、平野啓一郎による同名小説。監督は『愚行録』(17)の石川慶。第46回日本アカデミー賞では、最優秀作品賞、最優秀脚本賞、最優秀監督賞、さらに弁護士の城戸を演じた妻夫木聡が最優秀主演男優賞、大祐を演じた窪田正孝が最優秀助演男優賞、里枝を演じた安藤サクラが最優秀助演女優賞を受賞した。

『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(2022)

とある小さな広告代理店で働く主人公・吉川朱海は、「この仕事が終わったら、憧れの人がいる大手広告代理店へ転職する」と燃え上がる野心を持って仕事に取り組んでいた。しかし、次から次に降ってくる仕事で、余裕はゼロ。プライベートも後回し。月火水木金土日、休みなく働き続けていた、ある月曜日の朝。後輩2人組から、こう告げられる。「僕たち、同じ一週間を繰り返しています! このタイムループを、夢の出来事だと思って忘れないために、合図を覚えてください。鳩です……」。ひとり、またひとりと、「白い鳩」の合図に導かれ、タイムループの中に閉じ込められているのを確信する社員たち。だが、その脱出の鍵を握る永久部長は、いつまで経ってもタイムループに気づいてくれないのだった。

監督は『14歳の栞』(21)の竹林亮。主人公・吉川朱海を『タイトル、拒絶』(19)の円井わん、タイムループの鍵となる永久部長を『ゴールデンカムイ』(24)のマキタスポーツが務める。小さなオフィスの中で、社員達が脱出するために奮闘する姿を描く、新感覚のオフィス・タイムループコメディ。

『余命10年』(2022)

数万人に1人という不治の病で余命が10年であることを知った20歳の茉莉。彼女は生きることに執着しないよう、恋だけはしないと心に決めて生きていた。そんなとき、同窓会で再会したのは、かつて同級生だった和人。別々の人生を歩んでいた2人は、この出会いをきっかけに急接近することに……。もう会ってはいけないと思いながら、自らが病に侵されていることを隠して、どこにでもいる男女のように和人と楽しい時を重ねてしまう茉莉。「これ以上カズくんといたら、死ぬのが怖くなる」。思い出の数が増えるたびに失われていく残された時間。2人が最後に選んだ道とは……?

原作は小坂流加による同名小説。監督は『最後まで行く』(23)の藤井道人。茉莉を『溺れるナイフ』(16)の小松菜奈、和人を『パレード』(24)の坂口健太郎が演じる。当たり前の日常を生きるということの尊さを問う感動作。

『ヤクザと家族 The Family』(2021)

ヤクザという生き方を選んだ男の壮大なヒューマンストーリー。自暴自棄になっていた少年期にヤクザの世界へ足を踏み入れた男を中心に、暴対法によって変わっていった環境と共に1999年、2005年、2019年と3つの時代で見つめていく、1人の男とその【家族・ファミリー】の壮大な物語。

監督は『余命10年』(22)の藤井道人。出演は綾野剛、舘ひろし、尾野真千子ほか。1999年、2005年、2019年と、変わりゆく時代を経て、社会から排除されていくヤクザの姿を映し出す群像劇。

『死刑にいたる病』(2022)

理想とは程遠いランクの大学に通い、鬱屈した日々を送る雅也の元にある日届いた1通の手紙。それは世間を震撼させた稀代の連続殺人事件の犯人・榛村からのものだった。24件の殺人容疑で逮捕され、そのうちの9件の事件で立件・起訴、死刑判決を受けた榛村は、犯行を行っていた当時、雅也の地元でパン屋を営んでおり、中学生だった雅也もよくそこに通っていた。「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人は他にいることを証明してほしい」。榛村の願いを聞き入れ、雅也は事件を独自に調べ始める。そこには想像を超える残酷な事件の真相があった……。

原作は櫛木理宇による同名小説。監督は『孤狼の血』(18)の白石和彌。連続殺人鬼・榛村を『シャイロックの子供たち』(23)の阿部サダヲ、大学生・雅也を『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23)の水上恒司が演じる。気づかぬうちにサイコパスの沼にはまっていく恐怖を描くサイコ・スリラー。

『怪物』(2023)

大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。それは、よくある子供同士のケンカに見えた。しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した……。

監督は『万引き家族』(18)の是枝裕和。第76回カンヌ国際映画祭では脚本賞を受賞した。シングルマザーの早織を演じた安藤サクラは、第47回日本アカデミー賞にて最優秀主演女優賞を受賞した。その他出演は永山瑛太、田中裕子ほか。登場人物それぞれの視点から1つの事件を描き出し、徐々に物語の輪郭が紐解かれていく。

『PERFECT DAYS』(2023)

東京・渋⾕でトイレ清掃員として働く平⼭は、静かに淡々とした⽇々を⽣きていた。同じ時間に⽬覚め、同じように⽀度をし、同じように働いた。その毎⽇は同じことの繰り返しに⾒えるかもしれないが、同じ⽇は1⽇としてなく、男は毎⽇を新しい⽇として⽣きていた。その⽣き⽅は美しくすらあった。男は⽊々を愛していた。⽊々がつくる⽊漏れ⽇に⽬を細めた。そんな男の⽇々に思いがけない出来事がおきる。それが男の過去を⼩さく揺らした。

監督は『パリ、テキサス』(84)のヴィム・ヴェンダース。第47回日本アカデミー賞では最優秀監督賞、主人公・平⼭を演じた役所広司は最優秀主演男優賞を受賞。また、第76回カンヌ国際映画祭でも男優賞を受賞した。

『ゴジラ-1.0』(2023)

戦後、無(ゼロ)になった日本へ追い打ちをかけるように現れたゴジラがこの国を負(マイナス)に叩き落す。史上最も絶望的な状況での襲来に、誰が、そしてどうやって、日本は立ち向かうのか……。

監督は『永遠の0』(13)の山崎貴。出演は神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介ほか。第96回アカデミー賞では視覚効果賞を受賞し、その他にも国内外で多くの映画賞を受賞した。また、安藤サクラは本作で第47回日本アカデミー賞にて最優秀助演女優賞を受賞し、『怪物』(23)の最優秀主演女優賞との同時受賞となった。

『花束みたいな恋をした』(2021)

花束みたいな恋をした

東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから、偶然出会った大学生の山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)。好きな音楽や映画がほとんど同じで、あっという間に恋に落ちた二人は大学卒業後に同棲を始めるのだった。何気なく過ごす日々に幸せを感じながら、将来のために就職活動を始める二人だったが……。

有村架純と菅田将暉が送る純愛ラブストーリー。監督は、『ビリギャル』などの土井裕泰。脚本は、ドラマ『カルテット』『最高の離婚』などの坂元裕二。20代を中心に劇場で大ヒットし、公開から6週間で累計興行収入が26億円を超えた。

『窮鼠はチーズの夢を見る』(2020)

窮鼠はチーズの夢を見る

学生時代から「自分を好きになってくれる女性」と受け身の恋愛ばかりを繰り返してきた大伴恭一(大倉忠義)。ある日、大学の後輩・今ヶ瀬渉(成田凌)と7年ぶりに再会し、突然、「昔からずっと好きだった」と想いを告げられ困惑する恭一だが、今ヶ瀬のペースに乗せられ、ふたりは一緒に暮らすことに。まっすぐな今ヶ瀬に、恭一も少しずつ心を開いていく。しかし、恭一の昔の恋人が現れ、ふたりの関係は徐々に変わり始めていく……。

原作は、水城せとなの同名コミックと、その完結編「爼上の鯉は二度跳ねる」。監督は、『劇場』などの行定勲。大倉忠義と成田凌が共演し、狂おしくも切ないラブストーリーに全身全霊で挑んだ話題作。

『君の膵臓をたべたい』(2017)

君の膵臓をたべたい

膵臓の病を患う高校生の桜良(浜辺美波)と、それを知る唯一の同級生である【僕】(北村匠海)。【僕】は人と関わらずに生きてきたが、彼女との出会いをきっかけに、生きる意味や人の温かさを知っていく。しかし、眩いまでに懸命に生きる彼女の日々はやがて、終わりを告げる。それから月日は流れ、ある事をきっかけに、桜良が12年の時を超えて伝えたかった本当の想いを知ることに……。

原作は、住野よるの同名の大ヒット小説。監督は、『センセイ君主』などの月川翔。桜良役に浜辺美波、【僕】役には北村匠海と、旬の若手俳優たちが儚くも美しい高校時代の二人を瑞々しく演じている。大人になった【僕】役には小栗旬、桜良の親友【恭子】役には北川景子が出演。

『パプリカ』(2006)

パプリカ

精神医療研究所が開発した、他人の夢を共有できる画期的テクノロジー“DCミニ”が盗まれた事をきっかけに、 研究員たちは次々に奇怪な夢を見るようになった。謎の解明に挑む美人セラピスト千葉敦子は、極秘のセラピーを行うため、性格も容姿もまったく別人の“夢探偵パプリカ”に姿を変え、クライアントの夢の中へと入り込む。 しかし、狂ったイメージに汚染された夢の中では、おぞましい罠がパプリカを待ち受けていた……。

原作は、「時をかける少女」などで知られる作家・筒井康隆による同名の長編SF小説。監督は、『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』などの今敏。第63回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門へ正式出品され、世界的にも大ヒットした一作。

『新聞記者』(2019)

新聞記者

東都新聞の記者である吉岡(シム・ウンギョン)の元に、大学新設計画の極秘情報が届く。韓国人と日本人の両親の元、アメリカで育った吉岡は、強い想いを持ちながら日本の新聞社で働いており、その極秘情報が届いた真相を調べ始める。また、内閣情報調査室の官僚・杉原(松坂桃李)は、「国民に尽くす」という信念とは裏腹に、政権に不都合なニュースをコントロールするという自身の仕事に対し、葛藤していたのだった……。

原作は、東京新聞所属・望月衣塑子の同名の著作。監督は、『ヤクザと家族 The Family』などの藤井道人。第43回日本アカデミー賞では作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞の3冠に輝いた。権力とメディアの裏側を描く、孤高のサスペンス・エンタテインメント。

『勝手にふるえてろ』(2017)

勝手にふるえてろ

突然告白してきた暑苦しい同期の男・二(渡辺大知)と、ヨシカ(松岡茉優)が中学時代からの片思い中の相手・イチ(北村匠海)。二に告白されたヨシカは、「人生初告られた!」とテンションがあがるも、いまいち乗り切れない。そこで、嘘の同窓会計画し、イチと再会して彼との関係を進めようと奮闘するが……。

原作は、綿矢りさの同名小説。監督は、『私をくいとめて』などの大九明子。松岡茉優が本作で映画初主演を務め、話題をよんだ。渡辺大和、北村匠海などが出演。第30回東京国際映画祭にて、観客賞を授賞した。恋に悩み暴走するヨシカを、つい応援したくなるラブストーリー。

『スワロウテイル』(1996)

スワロウテイル

“円”が世界で一番強かった頃。いつかのゴールドラッシュのようなその街を、移民たちは円都(イェンタウン)と呼び、日本人はこの名前を忌み嫌い、移民たちを円盗と言った。円で夢が叶う、夢の都。円を掘りに、円都にやってきた円盗たちの物語。

監督は、『リリイ・シュシュのすべて』などの岩井俊二。架空の歴史の上で、日本で生きる移民たちを描いた作品。三上博史、江口洋介、Chara、伊藤歩、アンディ・ホイ、渡部篤郎などが出演。種田陽平による美術と、岩井俊二の独特な世界観が合わさり生まれた、儚く美しい物語。

『かもめ食堂』(2005)

かもめ食堂

フィンランドのヘルシンキで、“かもめ食堂”という日本食の店を開店させたサチエ(小林聡美)だが、なかなかお客さんがこない日々が続く。ある日、ひょんなことから出会った日本人女性ミドリ(片桐はいり)やマサコ(もたいまさこ)とともに、新メニューの開発に挑む。

原作は、群ようこの同名小説。監督と脚本は、『彼らが本気で編むときは、』などや荻上直子。舞台のフィンランドをロケ地に映画化。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、ヤルッコ・ニエミなどが出演。ゆっくりとした時間の流れが心地よく、穏やかで温かい日常を描いた一作。

『七つの会議』(2018)

七つの会議

都内にある中堅メーカー・東京建電。営業一課の万年係長・八角民夫(野村萬斎)はどこの会社にもいる、所謂“ぐうたら社員”。 トップセールスマンである課長の坂戸(片岡愛之助)からはその怠惰ぶりを叱責されるが、気にも止めない。営業部長・北川誠(香川照之)の結果主義の方針の元、寝る間を惜しんで働く同僚もいる中、 一人飄々と日々を送っていた。そんなある日、社内で起こった坂戸のパワハラ騒動が起きる…..。

原作は、「半沢直樹」シリーズで知られる作家・池井戸潤の同名小説。監督は、『祈りの幕が下りる時』などの福澤克雄。野村萬斎、香川照之、及川光博、片岡愛之助などが出演。池井戸ドラマの常連キャストが顔をそろえることでも話題となった。観るものに働く事の「正義」を問う、企業犯罪エンターテインメント。

『南極料理人』(2009)

南極料理人

南極観測隊員の料理人として、南極の孤島にある「ドームふじ基地」にて越冬することとなった西村(堺雅人)。家族を日本に残して、単身赴任で南極にやって来た彼の任務は、冷凍野菜や缶詰などの備蓄食料を使って、ともに越冬する隊員8名分の食事を用意することだった。

原作は、元海上保安官の西村淳のエッセイ。監督と脚本は、『横道世之介』などの沖田修一。堺雅人、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補、西田尚美、古舘寛治、小浜正寛などが出演。非日常な環境で、学者、大学院生、医師などの個性的なメンバーが繰り広げる、クスッと笑える日常を描くほのぼのコメディ。

【文・くりすちな】

『アキラ AKIRA』(1988)

アキラ AKIRA

新型爆弾の脅威により勃発した第三次世界大戦。それから31年後、反政府ゲリラと軍との衝突が続く2019年のネオ東京で不良少年の金田は仲間たちとオートバイを乗り回す毎日を送っていた。しかし仲間の鉄雄とタカシがいざこざを起こしたことで金田たちは警察に逮捕されてしまうのだった……。

原作は大友克洋によるSFアクションコミックの金字塔。サイバーパンクな作風と未来世界を描いた映像美は多くの映像作品に影響を与えた。これまで幾度も実写映画化に関する報道があったが、タイカ・ワイティティ監督、レオナルド・ディカプリオ製作による2021年公開予定だった企画も現在は未定となっている。

『千と千尋の神隠し』(2001)

千と千尋の神隠し

10歳になった千尋は、両親に連れられ引っ越し先へ車で移動していた。しかしその途中、車は地図には載っていない不思議な町に迷い込む。千尋だけが怪訝な表情を浮かべる中、両親は屋台にあった料理を勝手に食べ、巨大な豚の姿に変えられてしまう。ひとりぼっちになった千尋は、この町の支配者である湯婆婆が経営する湯屋で働くことに……。

日本が世界に誇るアニメ映画界の巨匠・宮崎駿監督が描く思春期を迎えたひとりの少女の冒険譚。国内では308億円の興行成績を収め、歴代興行収入トップの記録は未だに破られていない。第52回ベルリン国際映画祭ではアニメ作品としては初となるグランプリ金熊賞を受賞。世界中で大きな話題となった。

『ピンポン』(2002)

ピンポン

卓球で世界の頂点を目指す星野と幼馴染みの月本との友情が卓球を中心に描かれる。窪塚洋介と井浦新(ARATA)がそれぞれのキャラクターを好演し、多くの女性観客たちの心を鷲掴みにした。

監督の曽利文彦は本作が監督デビュー作で、松本大洋の原作の世界観を見事に実写化。近年の「マンガ実写化ラッシュ」の火付け役的作品となった。脚本は日本映画界のヒットメーカー、宮藤官九郎が担当している。

『サマーウォーズ』(2009)

サマーウォーズ

並外れた数学力を持つ天才理系少年の小磯健二は、高校2年生の夏休みに密かに慕っていた先輩、夏希にアルバイトを頼まれる。連れて行かれた先は長野県の田舎。何と伝統ある一家を束ねる曾祖母の栄に彼氏として紹介したいと言うのだった。必死にその役目を演じようとする健二であったが……。

『時をかける少女』(06)の細田守監督初のオリジナル長編アニメーション作品。キャラクターデザイン・貞本義行、脚本・奥寺佐渡子など『時をかける少女』のスタッフが再集結。公開年の夏最大のロングランヒット作となり、国外では第42回シッチェス・カタロニア国際映画祭アニメーション部門で最優秀長編作品賞を見事受賞した。

『横道世之介』(2013)

横道世之介

大学進学のため長崎から上京した横道世之介(高良健吾)はお人好しの青年で、社長令嬢の与謝野祥子(吉高由里子)に振り回されながらも忙しく充実した大学生活を謳歌する。多くの人との出逢いは世之介にとってかけがえのない思い出となっていく。

吉田修一による青春小説を、『南極料理人』(09)や『キツツキと雨』(12)の沖田修一監督が映画化。劇団「五反田団」主宰の劇作家で小説家の前田司郎が共同脚本を担当。沖田監督らしい人間味とユーモアに溢れた物語に心温まる。

『舟を編む』(2013)

舟を編む

玄武書房の営業部に務める馬締光也(松田龍平)は、その得意な言語感覚を評価され、「大渡海」という新しい辞書の編纂編集部に配属される。そこには光也に負けないくらい個性的な編集部員が集まっていた。光也は辞書編纂に没頭しながらもある日、林香具矢(宮崎あおい)という女性に出逢い、たちまち恋心を抱くのだった……。

2012年本屋大賞受賞作である三浦しをんによる同名小説を『川の底からこんにちは』(10)の俊英・石井裕也監督が映画化。その緻密な映像表現が高く評価され、第86回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表作品に選出された。第37回日本アカデミー賞では最優秀作品賞の他、6部門の最優秀賞を受賞。

『百円の恋』(2014)

百円の恋

30歳を過ぎても実家でだらしない生活を送っている斎藤一子(安藤サクラ)。ある日、妹が子どもを連れて出戻りしたことによって家族関係がぎくしゃくしだす。やむなく一人暮らしを決意した一子は、通っていた百円ショップでアルバイトも始めるのだが……。

足立紳による脚本を『イン・ザ・ヒーロー』(14)の武正晴監督が映画化。自堕落な生活からやがてボクシングに目覚めるヒロインを演じた安藤サクラの熱演が話題となり、瞬く間に上映館が拡大していった。その年公開の最高傑作として第88回アカデミー外国語映画賞日本代表作に選出され、第39回日本アカデミー賞で最優秀脚本賞、最優秀主演女優賞(安藤サクラ)を受賞している。

『シン・ゴジラ』(2016)

シン・ゴジラ

東京湾アクアトンネルが突如崩落する事故が発生。首相官邸で閣僚を集めた緊急会議が開かれ、内閣官房副長官の矢口蘭堂(長谷川博己)は未確認巨大生物の存在を指摘するが、聞き入れられない。ところが直後、海上に巨大生物が出現。街中を破壊し始めた生物を前になすすべもなかった。現代日本に初めてゴジラが現れた時、日本人はどう立ち向かうのか。

本作はゴジラシリーズ第28作『ゴジラ FINAL WARS』(04)以来12年ぶりのオリジナル作品として東宝が製作。『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明が総監督と脚本を担当し、実写版「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」シリーズ(15)の樋口真嗣が監督を担当。フルCGのゴジラ映画はたちまち大ヒットを記録し、第40回日本アカデミー賞では最優秀作品賞、最優秀監督賞ほか7部門で最優秀賞を受賞した。

『君の名は。』(2016)

君の名は。

朝目覚めると身体が入れ替わっていた高校生の瀧と三葉。二人は不思議な結びつきによって、引きつけられながら、長いの姿を探し合う。時間の流れがまるで糸の結び目のように一つのファンタジーが紡がれる。

興行収入200億円を突破し、日本中が「君の名は!?」現象に沸き立った。空前のスマッシュヒットを放った新海誠監督の淡い恋の感覚が見事に結実した作品。ボイスキャストには、神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみらが名を連ね、主題歌/挿入歌をRADWIMPSが担当した。

『怒り』(2016)

怒り

八王子で起きた夫婦殺人事件の犯人は顔を整形し、今なお逃亡を続けている。事件から一年後、3つの都市で身元の知れない3人の男が現れる。その3人は、新たに公開された、夫婦殺人事件の犯人の顔とどことなく似ていた……。

吉田修一の原作を、『悪人』(10)などの李相日が映画化。渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮﨑あおい、妻夫木聡とオールスターキャストが集結。先の読めない展開で、目が離せない作品。

『映画 聲の形』(2016)

映画 聲の形

小学6年生の石田将也はクラスのガキ大将。ある日転校してきた西宮硝子に対して不思議な想いを抱く。しかしその想いを伝えられぬまま、硝子は再び転校してしまう。5年後、高校生になった二人は再会するが……。

「週刊少年マガジン」に連載された大今良時の同名漫画を『映画 けいおん!』(11)の山田尚子監督が映画化。京都アニメーション制作の本作は人と人との繋がりをテーマに、活発な主人公と先天性の聴覚障害を抱えるヒロインの交流が描かれる。第40回日本アカデミー賞では優秀アニメーション作品賞を受賞した。

『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)

湯を沸かすほどの熱い愛

女でひとつで娘を育ててきた双葉(宮沢りえ)は突然の余命宣告を受け愕然とする。しかし前向きな彼女は4つの絶対にやるべきことを実行すべく、家出中の夫一浩(オダギリジョー)を連れ戻し、休業中だった銭湯を再開させたり、気弱な娘を独り立ちさせようと奮闘する。

自主制作映画『チチを撮りに』(16)で注目を集めた中野量太監督の商業デビュー作となった本作。心温まる物語が日本中を感動させ、第40回日本アカデミー賞では6部門を受賞。包容力のあるヒロインを熱演した宮沢りえは最優秀主演女優賞を、心優しい娘役に体当たりの演技で挑んだ杉咲花も最優秀助演女優賞、新人俳優賞を見事受賞した。

『この世界の片隅に』(2016)

この世界片隅に

戦時下の1944年。見知らぬ土地へ嫁にいった18歳のすずの日常が描かれる。幾度も空襲に襲われ、生活は少しずつ変化していく。そうしてやってきた昭和20年の夏……。激動の時代を生き抜いたた人々のくらしが描かれる。

こうの史代の大人気コミックを片渕須直監督が繊細な表現力でアニメ映画化。女優・のんが声優に挑戦し、主人公の声を担当。第40回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を見事受賞した、『君の名は。』に劣らぬヒット作。

『カメラを止めるな!』(2017)

カメラを止めるな!

自主制作の撮影隊がある山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影をしていた。監督の演出は妥協を許さず、テイクを重ね続ける現場は徐々に不穏な雰囲気に。するとスタッフのひとりがゾンビ化し、リアルな描写を求める監督は歓喜し撮影を続行するのだった……。

監督と俳優養成スクールであるENBUゼミナールの「シネマプロジェクト」第7弾作品として製作された本作は公開後、口コミによってたちまち上映館を増やし、低予算映画では考えられない程の大ヒットを記録。日本中がカメトメ旋風によって一大ブームを巻き起こした。監督の上田慎一郎の他、監督役の濱津隆之や妻役のしゅはまはるみなど無名監督・俳優たちがこぞってブレイクした。

『キングダム』(2019)

キングダム

時は紀元前245年の春秋戦国時代。秦の国の戦災孤児である信(山崎賢人)と漂(吉沢亮)はいつの日か天下の大将軍になることを夢見て、日々鍛錬を積んでいた。そんなある日、漂が王宮に召し上げられることとなり、二人はそれぞれ別の道を歩むこととなるのだった……。

累計4700万部の発行部数を誇る原泰久によるベストセラー漫画を『GANTZ』(10)などの佐藤信介が映画化。主演の山崎賢人は“実写化王子”の名に相応しく古代中国の青年を体当たりの演技で熱演。他にも、吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多、満島真之介、高嶋政宏、要潤、大沢たかおなど豪華キャストが揃った。

『万引き家族』(2018)

万引き家族

祖母の初枝(樹木希林)の年金に頼りに、治(リリー・フランキー)と信代(安藤サクラ)、治の息子祥太(城桧吏)、信代の妹亜紀(松岡茉優)が身を寄せ合って暮らしていた。彼らの生業は万引き。それでも一家の間には楽しげな会話が絶えなかったが、ある事件をきかっけにその暮らしは一気に破綻してしまう。

今や日本映画界が世界に誇る是枝日裕和監督による渾身の人間ドラマ。実際の事件を元に10年の構想をかけて製作された本作は、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを見事受賞。日本人監督としては、1997年の今村昌平監督作『うなぎ』以来の快挙となった。

※本記事で紹介する映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。

※2024年10月22日時点の情報です。

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