1. トップ
  2. ファッション
  3. タオ、「ムーミン」の生みの親であるトーベ・ヤンソンの絵画作品がインスピレーションに【2025年春夏コレクション】

タオ、「ムーミン」の生みの親であるトーベ・ヤンソンの絵画作品がインスピレーションに【2025年春夏コレクション】

  • 2024.10.24

10月23日朝、コム デ ギャルソンの本社が入るビルの一室でタオ(TAO)のミニショーが開催された。会場に入ると、ピンク色の照明の下、正方形の白い台を囲むようにパイプ椅子が並べられている。

ファーストルックはピンクのフリル付きシャツと肖像画がプリントされたスカート。透ける素材の黒のトレンチコートを羽織っていた。

大半のモデルたちは黒いフェザーのヘッドピースとアイメイクでダークなムードを醸している。そしてギンガムチェックやドットといったブランドおなじみの柄に混じって目を引くのがやはり絵画のプリント。静物や風景を描いている作品もある。

足もとのスニーカーは2024年春夏から続いているパトリックとのコラボレーション。ソールの上に花の刺繍が施されているタイプもあった。

ショーの後、取材に応じたデザイナーの栗原たおによれば、絵画作品はムーミンを生み出したことで有名なフィンランド・ヘルシンキ出身のアーティスト、トーベ・ヤンソン(1914〜2001)によるものだった。

「トーベ・ヤンソンの作品には親しみがあったのですが、ちゃんと彼女のことを知りたくなっていろいろ調べ始めたら、幼少期からライフワークとしてものづくりをしていたことがわかり、その情熱や生き方に感銘を受けました。そこで、彼女の力強くて素晴らしい絵画を生地にして纏うことで新しい気持ちやエネルギーを作り出せたら、と思ったんです」

14歳にしてイラストレーターとしてキャリアをスタートし、20代で画家となったトーベは、以降児童文学作家、漫画家、絵本作家、作詞家、舞台美術家、商業デザイナー、映像作家、小説家などでも活躍した実は多才でエネルギッシュな人物。絵画作品も膨大な量があったようだが、肖像画や彼女の身の回りや故郷と思われる風景を描いている作品を厳選した。

「トーベは自画像を多く手がけているのですが、とくに彼女が煙草を吸う姿を描いた作品が1番かっこよかった。ヘビースモーカーだったそうなんです」

また、トーベの色使いにも惹かれ、それをできるだけ忠実に再現。さらに作品を最大限活かすために四角形のパターンを多く用いて裁断にはヒートカットなどを駆使した。ショーには登場しなかったが、ムーミンの元となったキャラクター「SNORK」がプリントされたTシャツやトートバッグなども展開する。

ふんわりとしたシルエット、フリルやパフスリーブといったロマンティックなディテールに加え、あらゆるカルチャーにアンテナを張り、積極的に取り込むのもタオのシグネチャーである。今季フォーカスされたのは、人気アーティストの意外な一面。それに出会った時の栗原の感動が伝わるコレクションだった。

Photos: Courtesy of Tao Text: Itoi Kuriyama

READ MORE

元記事で読む
の記事をもっとみる