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原因をチェック! 子どもが「どうしても計算問題を間違える」ワケ5つ

  • 2016.3.25
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【パパからのご相談】

小4の息子に算数を教えているのですが、計算を何度教えてもミスばかりします。慣れるしかないから何度もやるのですが、それでもなかなかうまくいきません。何かコツはありませんか?

●A. うまくできない理由を考えましょう。

ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。

勉強が苦手な人も成績を上げられるように日々取り組んでおります。特に、算数の計算が上手にできない人の場合、考えられる理由があります。

教え方を追求する学問であるインストラクショナル・デザイン(ID)をひもときながら、教えてもうまくできない、間違えてしまう理由について考えてみましょう。

間違えてしまうのには、以下の理由があります。

●(1)バグ修正:一度誤った知識を取り入れてしまうと、それを修正するのが難しい

例えば、17+18=25(実際は35)というように、一度間違って覚えてしまったことを修正する必要があります。

その際には、正しい答えを教えるだけでなく、どうしてそういった間違いをするようになってしまったのか を考え、教え直します。

この場合、考えられるのは繰り上がりを忘れているということです。

●(2)領域固有性の問題:たとえ正しい知識を取り入れたとしても、それを違った場面や状況で取り入れるのが難しい

17+18=35だと学んで理解したとしても、117+18というように桁が増えたとたんにわからなくなることもあります。

あるいは、文章題で「パピさんがリンゴを17個持っています。マミさんがリンゴを18個くれました。合計はいくつですか」と聞かれたときに、これが17+18だということに気がつけないと問題を解くことができません 。

●(3)不良構造化問題:問題自体がさまざまな要因が複雑に絡み合ってできている場合、それらを調整しながら解決にもっていくことが難しい

17+(3×6)という問題が出たときに、17+18というように変換できれば、前と同じ問題であることがわかりますが、それに気がつかず困惑しているかもしれません。

●(4)メタ認知の問題:自分が今、どのような状況にあるのか、また、何をするべきなのかを判断することが難しい

いわゆる「何が分からないのか分からない」 のはこの状態です。問題を目の前にして完全に手を止めてしまっていたらこの状態かもしれません。

●(5)熟達化の問題:教えられたことを半自動的に、滑らかに行うためには、時間をかけて練習しなければならない

何度も練習して、考えなくてもできるくらいまで慣れましょう 。解くのに時間がかかっているなら、熟達化の問題でしょう。他に問題がないのであれば、後は慣れの問題です。

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「教えたことを何度も反復する」というとき、(5)の熟達化の問題にだけ目がいきがちではないでしょうか。しかし、原因はそこではないかもしれないのです。

ミスの原因として一番最初に考えられるのは、間違って覚えている可能性です。きちんとやり方を覚えているか、まずは確認しましょう。

もしかしたら、問題の形式が変わったり、他の要素が入ってきたりすると途端に混乱してしまうのかもしれません。

あるいは、自分が何をすればいいのか、何から手をつけたらいいのか分からないのかもしれません。

それらの可能性が全くないのであれば、練習回数が足りないという可能性を考えます。

お子さんの状況を見て、どこができていないのかをまずは見極めましょう。

説明してもいまいち反応が悪く最初から間違えているならバグの問題です。

理解はできているけれど、問題を解けないなら、領域固有性や不良構造化、メタ認知の問題かもしれません。それでもないなら、熟達化が足りないのでしょう。

できないことを叱りつけたりがっかりしたりせず、間違いの原因を冷静に分析、判断してあげて、お子さんの苦手意識を解消しましょう 。

【参考文献】

・『上手な教え方の教科書』向後千春・著

●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)

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