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累計発行部数90万部超! 7本の妖刀をめぐる復讐譚『カグラバチ』作者・外薗健インタビュー

  • 2024.10.23

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年11月号からの転載です。

発売中の『ダ・ヴィンチ』2024年11月号「コミックダ・ヴィンチ」に掲載の『カグラバチ』作者・外薗健先生のインタビューの冒頭を特別公開! インタビュー完全版は誌面をチェック。

「次にくるマンガ大賞2024」コミックス部門1位に輝いた、新鋭・外薗健の連載デビュー作『カグラバチ』。『週刊少年ジャンプ』での連載は1周年を迎え新章に突入、コミックスは4巻が発売されたばかりだ。無二のオリジナリティを放つ日本刀バトルマンガは、どのように生まれたのか。画面から溢れ出す熱量の原動力は? 作者に直撃した。

取材・文:吉田大助

『カグラバチ』の第1話が『週刊少年ジャンプ』2023年42号に掲載された時のことは、よく覚えている。雑誌読者がたちまち熱狂し、ネット上で積極的に口コミを始めたのだ。集英社が多言語展開している海外向けマンガ誌アプリ『MANGA Plus by SHUEISHA』では、並み居る人気作品を押さえ、第1話が世界閲覧数1位を獲得。海外の読者からも圧倒的支持を集めた。

第1話が、ここまで激烈な反応を引き起こしたのは何故か。ストーリーや世界観、無数にちりばめられた謎の魅力もさることながら、わずか54ページでこのマンガが決定的に「新しい!」と読者に感知された理由はやはり、絵だ。コミックス1巻のオビに、『僕のヒーローアカデミア』の堀越耕平による推薦文が掲載されている。〈映像を見ているかのような構図の取り方に毎週舌を巻いています。かっこいいとは何かを判っている人です〉。コミックス3巻では、『NARUTO -ナルト-』の岸本斉史が激賞のコメントを寄せた。〈捲らせ、魅せる、その画に力と想いが宿ってる。この才能このスタイル、漫画好きが好きなやつです〉。激烈にかっこよく、魅せられる絵が目白押しなのだ。

弱冠24歳の外薗健は、「血しぶきが上がるアクションを描きたかったんです」と、『カグラバチ』を着想したきっかけについて語る。

「白黒のマンガの中では、血って黒で表現されるじゃないですか。グロを描きたいわけではなくて、白い画面に黒が飛び散っているのって、柄としてすごく綺麗に見えるというか、マンガにめっちゃ合っているなとずっと思っていたんです。それで、血しぶきを描くには日本刀が表現として一番映えるかな、と。ハリウッド映画に出てくるような誇張された日本、エセ日本も描いてみたかったんですよね。日本と言いつつ、こんな場所どこにもないじゃん、みたいな場所がかっこよくて好きなんです」

さらに、もう一点。

「血と同じ理由で、ニシキゴイを絵にできたら、白黒のマンガの中でパキッと映えるんじゃないかと思いました。ギリギリまで迷って金魚に変えたんですが、エセ日本で妖刀を持っている主人公がいて、それを振るうと金魚が出てくる。“それ、描きたいな”という絵のイメージから、作品の構想を進めていきました」

『カグラバチ』(1~4巻)

外薗 健 集英社ジャンプC 528~594円(税込) 刀匠を志し、父の下で修業に励む少年・チヒロ。だが、父は妖術師組織に殺され、父が作った6本の刀──妖刀を奪われてしまう。復讐を果たし妖刀を奪い返すために、少年は戦いに臨む。

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