日本代表OB、フリーキックの名人がいなくなった背景を解説する

Text by 井上大輔(編集部)

近年、サッカー界ではフリーキックの名手が少なくなっており、日本代表にもその影響が出ている。

そうしたなか、本田圭佑が興味深い話をしていた。YouTubeで「本田や中村俊輔のようなフリーキッカーがなかなか出てこない理由」を聞かれると、「知らない！知るわけない（笑）」としつつ、こうも述べていたのだ。

「違う考え方でいえば、時代的な背景があるんじゃないですか。

やっぱり今って、今の子供たちが見た世代って、一昔前に比べたら、たぶんドリブラーを見てると思うんですよ。

僕らの時代は、もうちょっと、泥臭いプレイヤー、フリーキッカー、ファンタジスタ、いわゆるトラディショナルな世界的スターが多かったと思うんですよ。

だから、時代背景が日本代表選手のタイプに影響しているのはあると思います。時代のトレンドがあるでしょうね。ファンタジスタは消えたじゃないですか？

（フリーキックを蹴るのは難しいのか）難しいっていうか、時間の使い方でしょ。逆にキックばっかりしてたわけじゃないですか、だからドリブルはできないわけですよね（笑）

一長一短ですけど、ある程度癖や習慣をつけておかないとなかなか名キッカーにはなれないでしょうね。

だから、俊さんとかヤットさん（遠藤保仁）みたいなのは珍しいでしょうね。なかなか今も生まれにくいでしょうね。

（優れたキッカーが代表にもいたほうがいい）結果的にはね、そういうのが1人、2人いてもいいと思うけどね。でも、バランス的にいまは悪いよね。（育てるのは）難しい」

今はドリブラーのほうが注目される時代なので、プロになるまでにフリーキックに取り組むこと自体も減っているのではないかと考えているようだ。