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精神的に疲れている人に共通する13のサインとは

  • 2024.10.23

現代社会では、忙しい生活や仕事、人間関係のストレスにより、知らず知らずのうちに精神的に疲れてしまうことがあります。しかし、その疲れに気づかずに放置してしまうと、さらに悪化し、心身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性も。

本記事では、早めに不調に気づくために、精神的に疲れている人に共通する特徴と対処するためのヒントを、大阪カウンセリングセンターBellflowerの臨床心理士・町田奈穂さん監修のもとお届けします。

精神的に疲れている人には、こんな症状が出やすい

本当は精神的に疲れているにもかかわらず、自分のメンタルが弱ってることに気づきにくい人もいるでしょう。精神的に疲れている人には、以下のような症状が出やすいでしょう。

1. 集中力の低下

精神的な疲労は、集中力や注意力の低下を引き起こします。仕事や家事、プライベートにも集中することが難しくなり、ミスが増えることもあります。

2. 眠れない、夜中に目が覚める、悪夢を見る

精神的に疲れていると、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。結果として、疲労が蓄積し、心身の回復が遅れることがあります。

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3. 感情が不安定になる

怒りやすくなったり、些細なことで落ち込んだり、涙が出てくるなどは精神的な疲れの目安になります。気分の浮き沈みが激しくなる傾向があります。

4. 無気力感に襲われる

精神的に疲れている人は、何事にもやる気が起きず、以前は楽しめていたことに対しても興味を失うことがよくあります。家事などもやる気が起きず、部屋が散らかり放題になることも。

最近よく聞く「風呂キャンセル」なども、精神的に疲れている人に見られる特徴のひとつです。

町田さん:最近、「ゴミの日にゴミを出せない」という悩みもよく耳にします。

5. 原因不明の体調不良

頭痛、肩こり、胃痛、喉の詰まり、だるさ、聴覚過敏など、精神的な疲労が身体の不調として現れることもあります。

また、動悸や息切れといった身体的な症状が現れることがあります。これはストレスや不安が自律神経に影響を及ぼしているためです。

免疫機能が低下することも考えられます。その結果、風邪などの感染症にかかりやすくなることも。

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6. 決められない、決めるのが疲れる

精神的に疲れていると、判断力や決断力が鈍ることがあります。仕事面だけでなく、服を選ぶ、ランチメニューなどの小さな選択でも迷うことが多くなり、イライラしたりさらに疲れてしまうことも。

7. ひとりぼっち、孤立感を強く感じる

疲れが蓄積すると、人とのコミュニケーションが億劫に感じられ、外出を控える、社会的なつながりを避けるようになることがあります。

そうすると孤独感が増し、さらに精神的な疲労を悪化させることも。

8. 記憶力の低下

ストレスや精神的な疲労が長引くと、記憶力が低下することがあります。直近の出来事や予定を忘れやすくなったり、情報をすぐに思い出せなくなったりします。

9. 過食、拒食など食欲の変化

精神的な疲れは、消化器系にも影響を与えます。食欲が減退したり、逆に過食に走ることがあります。また、胃もたれや腹部不快感といった消化不良の症状が現れることもあります。

10. 過剰な自己批判

精神的に疲れていると、自分に対して厳しくなりすぎる傾向があります。小さな失敗でも過度に自分を責めたり、自分はいらない人間だなど、無価値感を感じることが増えます。

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11. 焦りが続き、つねに追われている感覚がする

常に焦っているような感覚や、何かしなければならないというプレッシャーを感じることが多くなります。これは、心がリラックスすることができない状態です。

12.イライラ感や攻撃性の増加

精神的に疲れていると、普段は気にならないような些細なことでイライラしたり、攻撃的な態度を取ってしまうことがあります。感情のコントロールが難しくなることも多いです。

13. 逃避行動に走る

問題に直面すると、それを避けようとする行動が増えることがあります。たとえば、仕事や責任から逃れようとしたり、何も考えずに過ごす時間が増えたりすることがあります。

町田さん:ずっとSNSを見続けてしまうことがあります。特にYouTubeやTikTokのような視覚系メディアは、つい目を奪われがちです。本当は疲れているのに、「動画を見て癒されている」と思い込んだり、疲れるとわかっていてもやめられなかったりすることもあります。これは、非合理的な判断を自分でも気づかないうちに下してしまうからかもしれません。

これらの症状が複数現れた場合、とくに長期間続く場合は、早めに休養を取るか、専門家に相談することが大切です。

精神疲労の回復方法。どのようなセルフケアを意識するといい?

いくつか当てはまっていると感じた場合、早めに対策を打ちたいものです。精神的な疲労を回復するためには、どうしたらよいでしょうか。自分でできるセルフケア方法を、いくつかご紹介します。

自分が「心地よい」「合っている」と感じるものを、継続してみてください。

1. 十分な睡眠を確保する

もし、いま睡眠が不足していると自覚がある場合、30分~1時間ほど睡眠時間を確保しましょう。

質の高い睡眠は、精神疲労の回復に不可欠です。就寝前のリラックス習慣を整え、眠りやすい環境を作りましょう。

寝る前にスマホやパソコンなどの画面は、光を抑える、ブルーライトカットシールをつける、興奮するようなコンテンツは避けるようにし、リラックスして寝つけるようにすることも大切です。

町田さん:睡眠はとても大切です。どんなにセルフケアを頑張っても、十分に“休む”ことができていなければ、その効果は十分に得られません。まずは心と体をしっかり休ませることが、セルフケアの本質です。

2. 適度な運動を取り入れる

ウォーキングやヨガなどの軽い運動は、気分転換にもなり、ストレスを軽減する効果があります。運動によってセロトニンなどの“幸せホルモン”が分泌され、リフレッシュ感覚を得やすくなるほか、運動の疲れで夜の寝つきがよくなるメリットも。

また、継続して運動することで、体力も向上させ、疲れに強くなる身体を作る助けになります。

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3. リラクゼーション法を実践する

深呼吸や瞑想、マインドフルネスは、頭の中でぐるぐると考えが巡ってしまう人にオススメとされています。

すぐにできるのは深呼吸で、リラックス状態に導きます。数分でも呼吸に意識を向けると、ぐるぐる思考のストップにも効果的です。

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4. バランスの取れた食生活を心がける

栄養不足は精神的な疲れを悪化させることがあります。ビタミンB群やマグネシウムなど、脳の働きや精神の安定に関わる栄養素を意識しつつ、バランスよく食事を摂ることが大切です。

甘いものやジャンクフードなどを控え、野菜や果物、お米、お肉やお魚、大豆などの健康的な食品をまんべんなく摂取するだけでも気分が変わってきます。

5. シンプルに寝る、休む

忙しく動いている人は、思いきって休息を取ることが大切です。難しい場合も、仕事や日常のタスクをこなす合間に、定期的に短い休憩を挟むようにしましょう。

トイレ休憩や飲み物を入れに行く、ストレッチなどを1時間に1回挟むだけでも疲れ具合が変わってきます。

6. 趣味や楽しいことに時間を使う

自分が楽しいと感じることや、リラックスできる趣味に時間を使うことも、精神的な疲れを解消するために効果的です。

たとえば、読書や映画鑑賞、散歩など、自分が心からリフレッシュできることを見つけましょう。

7. 他人に話す、サポートを求める

メンタル不調は、一人で抱え込むと悪化しやすいです。信頼できる友人や家族、専門のカウンセラーに話を聞いてもらうことで、自分の気持ちを整理することができ、負担が軽くなることがあります。

SNSを見ると、最近はChatGPTなどAIに愚痴る人も増えているようです。

8. デジタルデトックスを行う

SNSやネガティブなニュースからの情報過多はストレスを引き起こすことがあるため、定期的にスマホから離れる時間を作ることが有効です。

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9. 自然と触れ合う

自然の中で過ごす時間は、精神的な回復に効果があります。公園や緑の多い場所での散歩や、海や山でのリフレッシュは、ストレスを軽減し、心を落ち着ける効果があります。

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10. その時の気持ちを書き出す

ジャーナリングや日記を書くことによって、心の中にあるストレスや悩みを整理することができます。

頭の中で混乱している思考を紙に書き出すことで、客観的に状況を見つめ直すことができ、問題解決への一歩となることがあります。

11. 考え方の調整や視点を変えてみる

自分に対して優しく接し、過度な自己批判を避けることも重要です。自分を責めすぎず、「疲れているのは仕方がない」と自分に許しを与えることで、精神的な回復が促進されます。

また、本などを読んで視点を変えたり、人と話して別の価値観から物事を捉えてみるのもおすすめです。

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精神疲労を感じた際には、これらのセルフケア方法を日常的に意識して取り入れることで、回復を早め、ストレスへの耐性も向上させることができます。

精神的な疲れを放置すると、どうなる?

精神的な疲れを放置すると、さまざまな悪影響が身体や精神、日常生活に広がる可能性があります。どのようなリスクが起こり得るのでしょうか。

慢性的なストレスになってしまう

短期的な精神的疲労であれば、休息やセルフケアで回復できますが、放置することで慢性的なストレス状態に陥る可能性があります。

ストレスホルモン(コルチゾール)が常に高い状態が続くと、心身にさまざまな負担がかかります。

うつ病や不安障害の発症

精神的な疲れが続くと、気分の落ち込みや不安感が強まり、最終的にはうつ病や不安障害などの精神疾患に発展するリスクが高まります。これにより、生活の質が著しく低下し、回復にも長い時間を要することがあります。

また、仕事や子育てなどのストレスを無視して働き続けると、燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥るリスクも。

バーンアウトは、極度の疲労感、感情の麻痺、モチベーションの喪失、やる気がまったく出ないといった深刻な状態を引き起こし、回復には時間がかかることがあります。

身体の健康に影響を及ぼす

精神的疲労が原因で、自律神経のバランスが崩れ、心疾患や免疫力の低下、消化器系の問題などさまざまな身体症状が現れることがあります。

集中力や記憶力の著しい低下による事故リスク

精神的な疲れを放置すると、集中力や記憶力がさらに低下します。日常生活や仕事でのパフォーマンスが悪化し、ミスが増える、決断力が鈍るといった問題が顕著に現れてきます。

運転中や機械を扱う際など、集中力が必要な場面でのリスクも高まります。

人間関係の悪化

精神的な疲れが蓄積すると、イライラや攻撃的な態度が増え、人間関係に悪影響を与えることがあります。友人や家族、職場でのコミュニケーションがうまくいかなくなり、孤立感が増すことも少なくありません。

自己管理能力の低下

精神的疲労が重なると、自己管理が難しくなり、仕事や家庭のタスクをこなすことが億劫に感じられるようになります。

結果的に、仕事の遅れや生活習慣の乱れが発生し、さらなるストレスを引き起こす悪循環にも。

依存行動の増加

アルコール、タバコ、食べ物、スマートフォンなどに過剰に依存することで、一時的なストレス解消を図るようになることがあります。

しかし、これらの行動は一時的な安らぎを与えるものの、長期的にはさらなる健康問題や精神的な負担を増やす可能性があります。

生活の質の低下

精神的な疲労が持続すると、日常の楽しみや喜びを感じにくくなり、生活の質が著しく低下します。

趣味や友人との交流、日常の楽しみなどにも関心を失い、生きがいがなくなると感じることが増えてしまいます。

いきなり精神科に行くべき? カウンセリングのほうがいい? 判断基準は

精神的な疲れや不調を感じたとき、精神科に行くべきか、カウンセリングを受けるべきか屋並みますよね。その判断は、個々の状態や症状の深刻さに応じて異なります。

精神科が適しているパターン

うつ病やパニック障害、不安障害など、強い精神的な不調で日常生活に大きな影響が出ている場合は、精神科医による診断や治療が必要です。

たとえば、強い気分の落ち込み、仕事や学業に支障が出る、睡眠障害が続く、死にたいと感じるなどの深刻な症状があれば、早めに精神科を受診するべきです。

  • 薬物治療を受けたいとき

精神科では医師が診断を行い、必要に応じて薬を処方することができます。睡眠薬、抗うつ薬、抗不安薬などの薬物治療が効果的なケースでは、精神科の受診が望ましいです。

  • 明確な診断を求めるとき

自分が精神的に何に悩まされているのかを診断してもらいたい、または、病名があるのかを知りたい場合は、精神科での診断が必要です。診断に基づいた治療計画を立てることができます。

  • 状態が長引いているとき

精神的な疲れやストレスが数週間以上続き、自分で対処できないと感じる場合は、精神科を受診することを検討すべきです。

カウンセリングも併用するとよい場合

  • 原因がハッキリしていて、対話で改善が期待できそうなとき

気分が落ち込んでいるけれど、日常生活には大きな支障がない場合や、特定の問題について悩んでいる場合は、まずカウンセリングで状況を整理してもよいかもしれません。

ストレスや疲れが1~2週間程度で、特定の問題に起因している場合は、カウンセリングを受けることで十分に解消されることがあります。

町田さん:カウンセリングは通院と同時に使うこともおすすめです。

  • 話を聞いてもらいたい、心の整理をしたいとき

医療的な治療より誰かに話を聞いてもらいたい、心の整理をしたい、感情や考え方に向き合いたいという場合は、カウンセリングが向いています。

カウンセリングでは、対話を通じて自分の気持ちや考え方を理解し、ストレスや不安に対処するスキルを学ぶことができます。

治療は精神科、話を聞いてもらいたいならカウンセリング

深刻な症状や薬物治療が必要な可能性がある場合は、精神科を優先する。ストレスや悩みがあり、まずは話を聞いてもらいたい場合は、カウンセリングを試してみる。

もしどちらを選んでよいか分からない場合は、まずカウンセリングを受け、必要であればカウンセラーが精神科への受診を勧めることもあるので、一人で悩まずサポートを受けることが何より大切です。

心療内科、精神科、神経科は何が違う?

よく心療内科と精神科でどちらがいいのか悩んだり、神経科もごっちゃになっている人も少なくありません。それぞれの違いとは。

心療内科は身体と心の両方を扱います。心療内科は、身体的な症状が主に出ているが、原因が精神的なストレスや心の問題に関係している場合に治療を行います。

たとえば、ストレスが原因の胃痛、頭痛、動悸など、体の不調が心の影響で起こる「心身症」を扱います。身体と心の両方にアプローチする診療科です。

精神科は、心の病気そのものを専門に扱う診療科で、うつ病、不安障害、統合失調症、パニック障害などさまざまな精神疾患を診断し、薬物療法やカウンセリングを行います。症状が心の問題に起因する場合に利用します。

神経科(神経内科)は、脳や神経系に関連する病気を専門に扱います。おもに、パーキンソン病、脳梗塞、てんかん、神経痛、筋萎縮性側索硬化症(ALS)など、脳や神経の異常による身体的な症状を診断・治療します。

精神的な問題ではなく、神経系の器質的な問題が対象です。

心療内科と精神科で迷ったら?

心療内科は「身体的な不調が心のストレスに関連している場合」に適しており、精神科は「心の病気そのもの(うつ病、不安障害など)」を診療します。

どちらを選ぶか迷った場合、症状の中心が身体か精神かで判断して受信してみてもよいでしょう。もし心療内科から受診しても、適切な診療科へ紹介されることが多いです。

監修者プロフィール

大阪カウンセリングセンターBellflower 町田 奈穂

同志社大学大学院 心理学研究科修了。在学時より滋賀医科大学附属病院にて睡眠障害や発達障害に苦しむ人々への支援や研究活動を行う。修了後はスクールカウンセラーやクリニックの臨床心理士を経験。2020年、父の病気を機に父が経営する機械工具の卸売商社へ入社。そこで多くの企業のメンタルヘルス問題に直面し、大阪カウンセリングセンターBellflowerを設立。現在は、父の後を継ぎ機械工具の卸売商社の代表を務めるほか、公認心理師・臨床心理士として、精神・発達障害の人が活躍できるインクルーシブな職場づくりをサポートする人事コンサルタントとしての活動や支援者支援をテーマとした研究や臨床活動を行っている。

<Edit:編集部>

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