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【漫画】加速する女子グループ内でのいじり…嫌われないよう愛想を振りまく女子高生の姿に「そんなの友達じゃない」の声

  • 2024.10.22
からかわれたり、いじられたりすることが増えたと感じるユイ 画像提供/もつおさん
からかわれたり、いじられたりすることが増えたと感じるユイ 画像提供/もつおさん

【漫画】グループの中心的存在の一挙手一投足に怯える女子高生…作者自らの体験談を描いたコミックエッセイに「考えさせられる」の声

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『あの頃世界のすべてだった学校と自分への呪いにさよならするまで』を紹介する。作者のもつおさんが、8月14日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、9000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、もつおさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

中心的な存在の顔色を伺って無理して笑う日々

『あの頃世界のすべてだった学校と自分への呪いにさよならするまで』(3/24) 画像提供/もつおさん
『あの頃世界のすべてだった学校と自分への呪いにさよならするまで』(3/24) 画像提供/もつおさん

入学した女子校で、クラスの中心的存在のミレイに声をかけられたユイ。晴れて憧れのグループに入ることができた。

しかし、最近はからかわれたり、いじられることが多くなった。以前からグループ内でいじり合うことがあったため、みんなが冗談半分で言っていると思いつつも、モヤモヤが拭いきれない様子のユイ。

たまに言い返そうとするが、以前グループ内の一人・マユコがミレイに言い返したことをきっかけに、彼女が無視をされているのを目の当たりにしている。そのことを思い出すと、ユイは恐怖で体が固まってしまうのだった。

いじられてもユイは必死で「あはは!ほんとにー!?」「ダサいかなー!?」とニコニコする。自分の反応をみて笑うミレイに対し、「よかった、ミレイが笑ってる」とミレイの顔色を伺う日々が続いていた。そんな生活に疲れを感じていたユイ。

ある日の帰り道、ミレイから化粧品をみんなで買いに行こうと誘われる。しかしユイは、中学校の時からの親友マキとの予定があったため、「行けないや」と断る。

すると、ミレイはしばらく黙ったあと「ふーん」と言って同じグループのメンバーの元へと去っていく。そしてミレイはグループの友人たちに、「(ユイは)あの隣のクラスの芋臭い子と予定あるらしいー」と話した。親友のことを悪く言われたユイは、思わず言い返しそうになるのだが――。

この漫画を読んだ人たちからは、「そんなの友達じゃないよ」「もっと気楽に過ごしたかったなあ」「やられてる当事者はきっついんだよな…」「考えさせられる」など、多くのコメントが寄せられている。

「もしあの時泣いていたらこうなっていたのかな」を想像して描かれた漫画

『あの頃世界のすべてだった学校と自分への呪いにさよならするまで』(4/24) 画像提供/もつおさん
『あの頃世界のすべてだった学校と自分への呪いにさよならするまで』(4/24) 画像提供/もつおさん

――『あの頃世界のすべてだった学校と自分への呪いにさよならするまで』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

私が実際に体験したことを元に描きました。私が中学生の時に友達同士でスカート捲りをするのが悪ふざけで流行っていました。グループで誰か一人を無視したり、悪口を言って仲間外れにする順番が自分に回ってきて、やっとその無視が終わったと思った時に、ふいに友達にスカートを捲られて写真を撮られました。

当時はまだLINEはなかったのでガラケーで撮った写真をその場にいたみんなに見せられて待ち受けに設定されて…。友達はちょっとしたいたずらのつもりだったのだと思います。

本当はその場で「やめて」と言いたかったけど、またグループから外されるのが嫌で、ショックだったけど我慢して笑っていました。もしあの時泣いていたらこうなっていたのかな、と想像してこの話を描きました。

――「心の底からミレイが怖くて仕方ない」というセリフと、ユイの表情が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

学生の時の人間関係の悩み、学校に行くことが怖くなる気持ち、いじめを受けている時の世界の見え方などをリアルに伝えられる様にキャラクターのセリフや表情を作ったり、主人公が見ている景色を途中から暗い色にしたり…いじめによって変化していく様子を自分なりに工夫して描いたので見ていただけると嬉しいです。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

10話の最後のシーンでユイが電車をホームで待っている時に「もしも今から来る電車に飛び込めば今日学校を休める?」「もし今線路に落ちたらもう悪口を言われなくてすむ?」というセリフ(ナレーション)が入ります。線路なんかに入ったら、学校休めるとか悪口言われないとかもうそんなどころではないですよね…。

冷静に考えると言っていることはめちゃくちゃなんだけど、もし自分が学校の人間関係やいじめに囚われて誰にも相談できなくて…という状況になったらそういう考えに至ってしまう事もあるかもしれないなと思ってこのセリフを入れました。時間をかけて考えて悩みながら描いたシーンなのでぜひ見ていただきたいです。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

基本的に自分が過去に経験した事やその時感じた事を元にストーリーは考えています。この作品では、いじめを題材にして描こうと決めた段階で周囲の人に「学生の時にいじめってあった?」「いじめと、いじめじゃない境界線ってなんだと思う?」などと自分で取材をしました。取材したものと自分の経験を組み合わせてストーリーやキャラクターを考えました。

――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?

内容が暗くなってしまうので、できるだけ可愛らしい感じのキャラクターにして読みやすいように、手に取ってもらいやすいように意識しています。デフォルメの絵なので細かい書き込みが難しい分、目の大きさや眉毛の曲がり具合など、納得のいくところまで細かく調整してキャラクターの表情が伝わるようにしています。

――今後の展望や目標をお教えください。

今までは自分の経験で描いてきた作品がほとんどでしたが、今後は様々なテーマの漫画や、取材をして描く事にも挑戦してみたいです。ギャグに振り切ったエッセイとかも描いてみたいです!

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

Xで温かいリプやメッセージを送ってくださったり、本の感想のお手紙もいただいたり…重いテーマの作品が多いので世間に受け入れてもらえるか不安がありましたが、「応援してます」と言ってくださる読者の方のおかげで勇気を出して描くことができるし、いつもとても励みになっています。その応援に応えられるようにこれからも読者の方に楽しんでいただけるような作品を描いていきます!

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