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睡眠不足はダイエットの敵! 体重も内臓脂肪も増加するってホント!?

  • 2024.10.22
睡眠不足はダイエットの敵! 体重も内臓脂肪も増加するってホント!? polkadot / PIXTA(ピクスタ)
睡眠不足はダイエットの敵! 体重も内臓脂肪も増加するってホント!? polkadot / PIXTA(ピクスタ)

「睡眠が大事」とはよく聞きますが、食事や運動に比べて「眠れれば何でも良い」「特に気をつかってはいない」なんて人も多いのでは? 睡眠研究の第一人者で筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長・教授の柳沢正史先生は、「睡眠が不足してしまうと心身の両方に大きな影響を及ぼし、脳のパフォーマンスまで低下します」と話します。さらに慢性的な睡眠不足が続くと、深刻な病気を招いたり、老後の健康にまで影響を及ぼしたりすることも…。

睡眠不足からくるパフォーマンス低下、歯ぎしりや夜中に目が覚めるなどの睡眠中のよくある悩みについて解説! 最新の睡眠科学をもとにした正しい情報を知り、今晩から自分の睡眠を見直してみましょう。

※本記事は柳沢正史 監修の書籍『快眠法の前に 今さら聞けない 睡眠の超基本』から一部抜粋・編集しました。

睡眠不足はダイエットの敵!

寝る子は育つが寝ない大人は横に育つ

睡眠不足になると、食欲を抑制するホルモン(レプチン)の分泌が減少し、食欲増進ホルモン(グレリン)の分泌が増加します。脳は特に高カロリーな食品や甘いものを求めやすくなります。さらに、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させ、脂肪の蓄積を促進します。

また、睡眠不足によって疲労感が高まると、運動量が低下します。その上、覚醒時間が長いことで食事や間食の機会が増え、カロリーの摂取量がさらに増加しやすくなります。

起きている時間が長いほうがカロリーを消費して痩せるような気がしますが、実際はそうではなく、むしろ太りやすくなるのです。

睡眠不足だとメタボになりやすい

睡眠不足は食欲を増進させるため、食事制限がかなりのストレスに。さらに、睡眠不足自体もストレスホルモンの分泌を増加させ、脂肪の蓄積を促進します。これらの要因が重なることで、メタボや肥満のリスクが高まります。

※ メタボ(メタボリックシンドローム):腹囲が男性85cm・女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れている状態のこと。

睡眠不足だとメタボになりやすい (C)柳沢正史/朝日新聞出版
睡眠不足だとメタボになりやすい (C)柳沢正史/朝日新聞出版

7時間以上の睡眠がとれている人

【メタボ重症度リスク】低い

睡眠に問題がある人

【メタボ重症度リスク】高い

・摂取カロリーが増える

・内臓脂肪が増える

・肥満のせいで睡眠時無呼吸が悪化し、さらに睡眠の質が悪くなり、悪循環に陥る

エクササイズや食事制限を頑張ろうと思っても、睡眠不足を解消しないことには、なかなか成果は上がりません。

睡眠不足で摂取カロリー・体重・内臓脂肪が増加

アメリカで行われた研究で、健康な人を4時間睡眠のグループと9時間睡眠のグループに分けてそれぞれ2週間を過ごした結果、睡眠時間が短くなると、食欲を抑制するホルモン、レプチンの血中濃度は低下し、一方で食欲を増進させるホルモン、グレリンの血中濃度は上昇するということが明らかになりました。

睡眠不足で摂取カロリー・体重・内臓脂肪が増加 (C)柳沢正史/朝日新聞出版
睡眠不足で摂取カロリー・体重・内臓脂肪が増加 (C)柳沢正史/朝日新聞出版

睡眠が摂取カロリーを減らす

十分な睡眠を確保することで、ホルモンのバランスが整い、食欲がコントロールできるようになります。また、睡眠中に身体がリフレッシュされるため、疲れやストレスが軽減されて、過剰な食事を抑制してくれます。

睡眠が摂取カロリーを減らす (C)柳沢正史/朝日新聞出版
睡眠が摂取カロリーを減らす (C)柳沢正史/朝日新聞出版
寝ない大人は横に育ちますよ (C)柳沢正史/朝日新聞出版
寝ない大人は横に育ちますよ (C)柳沢正史/朝日新聞出版
メタボな人ほどしっかり眠ったほうがいいんだね (C)柳沢正史/朝日新聞出版
メタボな人ほどしっかり眠ったほうがいいんだね (C)柳沢正史/朝日新聞出版

監修:柳沢正史さんプロフィール

筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS) 機構長・教授

1960 年東京生まれ。筑波大学大学院修了、医学博士。米国科学アカデミー正会員。大学院在学中であった 1988 年に血管制御因子エンドセリンを、 1998 年に睡眠・覚醒を制御するオレキシンを発見。31歳で渡米し、24年間にわたりテキサス大学とハワードヒューズ医学研究所で研究室を主宰。2012年、文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)を設立。2017年、株式会社S'UIMINを起業し、2022年より代表取締役。紫綬褒章(2016年)、朝日賞、慶應医学賞(2018年)、文化功労者(2019年)、ブレークスルー賞(2023年)、クラリベイト引用栄誉賞(2023年)など多数受賞。

監修=柳沢正史/『快眠法の前に 今さら聞けない 睡眠の超基本』

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