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【ご飯の冷凍】最も美味しく解凍できる“形”は…「おにぎり」「食パン」「小判」のどれ?え、“角”に秘密!?

  • 2024.10.22

ご飯を1食分ずつ小分けに冷凍しておくという方は多いですよね。6月26日放送のテレビ朝日系情報番組『スーパーJチャンネル』で、ご飯の冷凍の仕方によって、解凍したご飯のおいしさが異なるという気になる情報を見ました。ご飯の冷凍法を紹介していたのは上智大学理工学部の堀越智教授で、番組では「おにぎり形」「食パン形」「小判形」にご飯を成形してラップに包んで冷凍し、電子レンジで解凍していました。レンチン解凍に向くのは一体どの形?検証してみます。


ご飯の冷凍法の紹介は、マイクロ波の研究者・上智大学理工学部の堀越智教授



ご飯を1食ずつ小分けに冷凍しておくと、食べたい時にレンチンですぐに用意出来て便利ですよね。筆者は適量のご飯をラップに包んでストックしていますが、ご飯の形を気にしたことはまったくなく、なんとなく長方形にしてラップで包んでいます。

そのため『スーパーJチャンネル』で紹介していた、ご飯をおいしく冷凍する形があるという情報を見て、エッ⁉っと驚きました。

ご飯の冷凍法を伝えていたのは、上智大学理工学部の堀越智教授。25年以上もマイクロ波について研究している電子レンジの専門家です。

上智大学理工学部・物質生命理工学科のサイトから堀越智教授の「堀越研究室」にアクセスしてみると、『スーパーJチャンネル』などのさまざまな情報番組で、電子レンジによる均一な冷食の解凍法を解説していると、記載がありました。

マイクロ波に詳しい堀越教授のおすすめ冷凍ご飯術、とても気になります!

ボタンを押すだけで、電子レンジで食品が温まるのはなぜ?


画像出典:Photo AC

まずは電子レンジの仕組みを簡単におさらいしましょう。

庫内に食品を入れてスイッチを押してしばらく待つと、冷たかった食品が温かくなる電子レンジ。今や、無くてはならないキッチン家電のひとつで、チン!となれば食品が温まっているのが当然のことだと思っていますよね。でも考えてみると「なぜ、スイッチを押すだけで温かくなるの?」という疑問が湧きます。

電子レンジの内部では、マイクロ波と呼ばれる電磁波が発生し、このマイクロ波が食品内部の水分を細かく振動させています。その振動によって摩擦熱が生まれ、この熱が食品の内部で広がって温度が上がり、その結果、冷たかった食品が温かくなるのです。

堀越教授は「マイクロ波は角に集まる性質がある」とも紹介していましたよ。

残念ながらマイクロ波は目では見えないので、電子レンジのボタンを押すと食品が温まるという結果だけが実感できるという訳なのです。

電子レンジの仕組みが分かったところで『スーパーJチャンネル』が伝えていたご飯の冷凍法を試してみます。

「おにぎり形」「食パン形」「小判形」に成形してご飯を冷凍してみた!



番組では何グラムのご飯を包んでいたのかが不明だったため、今回は3種類とも100gのご飯を包んで検証してみます。



100gのご飯をそれぞれ成形してラップに包みました。

左の「おにぎり形」は底辺、高さとも約7cm。中央の「食パン形」は縦約8.5cm、横6cm。左の「小判形」は縦9cm、横7cmの大きさになりました。同量のご飯を包みましたが「おにぎり形」が少し小さく見えますね。



厚みを見てみると「おにぎり形」が約3cm、「食パン形」と「小判形」が約2cm。「おにぎり形」だけ少し厚いのが分かります。



今回は、3種類のご飯を1日冷凍しました。カチカチに凍ったら解凍してみましょう。


凍った「おにぎり形」「食パン形」「小判形」のご飯を電子レンジで解凍してみた!

番組では電子レンジの加熱時間の紹介も無かったため、ネットで調べた冷凍ご飯150gにつき電子レンジ600Wで3分という情報をもとに、それぞれのご飯(100g)を600Wで2分加熱してみます。

【検証1 おにぎり形の冷凍ご飯】



まずは「おにぎり形」の冷凍ご飯を600Wで2分加熱します。

堀越教授は「おにぎり形は厚みがあるので表面ばかりが熱くなり、中心が冷えていることがある。マイクロ波が中心まで届かない」と解説していました。



解凍した「おにぎり形」のラップを外す際、少しやけどしそうになるくらいに熱くなっていました。

まずは三角おにぎりの角から食べてみると、アツアツに温まっています。堀越教授のマイクロ波は角に集まる性質があるという解説はその通りかも。



半分に割って中心部を食べてみると、こちらも角と同様に熱くなっていました。今回冷凍した「おにぎり形」のご飯は厚みが約3cmありましたが、600Wで2分の加熱だと十分に温まる結果に。

【検証2 食パン形の冷凍ご飯】



次は「食パン形」の冷凍ご飯を600Wで2分加熱します。

堀越教授は「おにぎり型に比べると薄いが、食パン形には角がある。マイクロ波は角に集まる性質があるため、角ばかりが温まり、均一に温まらないので時間がかかる。温度ムラが出来やすい」と解説していました。



加熱後の「食パン形」もラップの上から触ってみると、少しやけどしそうになるくらいの熱さでこちらも十分に温まっている様子。

まずは角から食べてみると「おにぎり形」の角同様にアツアツです。



半分に割って中心部を食べてみると、こちらも角と同様にアツアツ。堀越教授は、食パン形は均一に温まらないことがあると解説していましたが、600Wで2分の加熱だと均一に温まりました。

【検証3 小判形の冷凍ご飯】



最後は「小判形」の冷凍ご飯を600Wで2分加熱します。

堀越教授は「小判形は薄く、角が無いのでマイクロ波が中心まで届きやすく、温度ムラも防げる」とイチ押ししていました。



解凍後の「小判形」のご飯も手に持てないくらいにアツアツ。小判型は角が無く、薄い形なので半分に割って手をかざして温度を感じてみると、もわぁ~っと蒸気が上がっていました。



中心部を食べてみるとこちらもアツアツ。「おにぎり形」と「食パン形」の中心部に比べると、やや熱いように口の中で感じます。

ですが、今回試した600Wで2分の加熱だとどの形も中心部までしっかりと温まっていたので、「小判形」は微妙に温度が高いかも?というレベルでした。

100gの冷凍ご飯を600Wで2分の加熱だと、3種類の差はほぼ無しという結果に



『スーパーJチャンネル』で知った、冷凍ご飯の形による解凍の違いを検証してみましたが、100gの冷凍ご飯を電子レンジ600Wで2分解凍した場合は、「おにぎり形」「食パン形」「小判形」とも内部までしっかりと温まり、3種類の温まり方に大差がないという結果になりました。

番組で、どのくらいのご飯を何ワットで何分解凍したという条件の提示が無かったため、筆者が試した条件では差異が出ませんでしたが、番組では電子レンジで解凍した時のサーモグラフィー画像が紹介されていて、厚みと角があると加熱ムラが出来やすいということを知ることが出来ましたよ。

マイクロ波が角に集まりやすいという性質を踏まえると、角が無い小判形が一番理にかなっているのかなと思います。

ご飯をラップに包んで冷凍する機会があれば、小判形に成形してみてはいかがでしょう。加熱後に一部がまだ冷たかった!という失敗を回避出来そうですよ。

電子レンジの加熱の仕組み 参照サイト
https://media.kepco.co.jp/study/17560318

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