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「束縛夫」どう対応する?まだ夫は変われる?夫婦問題カウンセラー・岡野あつこさんが回答!

  • 2024.10.22

「50代からの女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は60代女性の「束縛する夫の対処法」についてのお悩みに、夫婦問題カウンセラーの岡野あつこさんが回答します。

62歳女性の「束縛する夫の対処法」についてのお悩み

夫(62歳)がとても束縛するタイプです。そして短気です。

以前は、月に一度はコンサートや友達と会食などで出掛けていましたが、そのたびに「何時に帰る?」とか「インフルエンザにかかるかもしれないから、電車には乗るな」と言ってきます。

そして、私が出掛ける日は、些細なことでドアを蹴るなど、ずっとイライラしています。

出掛けるときに、自由に行動するにはどうしたら良いのかわかりません。

(62歳女性)

岡野あつこさんの回答:夫の束縛=愛情の裏返しかも?

夫の束縛=妻への愛情の裏返しかも?

 こんにちは、夫婦問題カウンセラーの岡野あつこです。

夫がとても束縛するタイプで困っている、とのこと。「夫は束縛するからイヤ!」、「友人や他の人との語らいが楽しい」、「夫と離れている時間が楽しい」、こういった気持ちを持つ熟年女性は多いものです。

でも「束縛=愛情の裏返し」という側面もあります。良い悪いは別として、束縛されるということは、夫にとても愛されている、という証なのです。

あなたが出掛けるたびに夫はイライラするそうですが、年を取っても素敵に輝き続けるあなたに、夫は不安を感じているのだと思います。「外へ行って何かあったらどうしよう」、「こんなに魅力的な妻が誰かに誘われやしないか」、と。

特に定年退職を迎えると外に出ることが少なくなるため、視野が狭くなる男性は多いようです。妻にペタッとくっついて行動したがる定年後の男性を、地面に貼りついてなかなか離れない「ぬれ落ち葉」に例えることもあるほどです。

定年後の夫の狭い視野に入ってしまった妻たちは、自由のなさに窮屈な思いをしているのかもしれません。でも、これを憂いても、愚痴っても始まりません。これからのあなたの人生を、素敵に生きることが大切です。

そういった考えで、熟年離婚や別居をする人も中にはいます。確かに「勝ち取った自由は、お金には変えられない」という人もいるのは事実です。しかし一方で、自由の代償として大きな経済的損失が付いてくることは忘れてはいけません。

夫がイヤだから即離婚!ではなく、まずは今いる場所でどうするか、夫婦関係を円満にする方法を考えることが大切です。

妻が出掛けている間、一人で過ごす夫の気持ちも理解して

妻の外出中の夫の気持ちも理解しよう

あなたは「たった月1回のお出掛けやランチくらい、我慢してよ!」と思っているかもしれませんが、夫はあなたが出掛けるたびに「毎月毎月、俺を放置して妻一人で楽しむなんて!」と思っているのです。

そうした気持ちに配慮することもなく、妻に「置き去りにされる」ことが、夫にとってはたまらない苦痛なのです。自分がないがしろにされている、邪険にされている、と夫が思っていることが問題なのです。

たまには夫と一緒にコンサートに行ったり、友達との昼食に誘ってみたりしてはどうでしょうか。趣味が違うし友達に恥ずかしい、と思うかもしれません。でも「いや、俺は行かないよ」と夫からあなたの望む答えが出る場合もあるのです。

「家に帰る時間は?」と質問されたときも、嫌がらずにきちんと帰る時間を伝えることが大事です。つい「わからない」と答えたくなりますが、そこは大人の対応として正確に答えるのがベスト。曖昧な答えだと夫がより不安になります。

コロナやインフルエンザにかかるかもしれないから電車に乗るなと言われたら「そうね、心配してくれてありがとう」「車で送っていってくれる?」など、いろいろな形で夫の不安を払拭してあげましょう。

面倒ですが、コンサート会場から帰るときに電話するのも、妻の帰りを待つ夫の安心につながるのでいいかもしれません。

夫への対応を変えることが、夫婦関係の改善につながる!

お二人は縁があって、長年連れ添い、一緒にここまで来ました。そして、これからもたぶん、あなたには「離婚して自由を勝ち取る」気持ちはないのだと思います。

だったら、上手にこの夫と付き合うことです。なるべくイライラしないように、優しく「すぐ帰るから安心してね」と伝えてあげましょう。

「あなたがどうしても行ってほしくないのなら、一人で出掛けるのは止めるわ」くらい言って安心させてあげると、夫は「いいよ、行っても」とあまのじゃくに答えるものです(笑)。

つまり「自由に行動するにはどうしたらいいか」という質問に対しては「あなたの夫への対応を変えることです」という答えになります。矛盾しているように聞こえると思いますが、それが一番の近道になるはずです。

あなたが一緒にコンサートに行ったり、堂々とお友達に紹介したりすると、束縛することが大事にすることではなく、あなたの自由を応援してあげることが夫婦にとって良いことだと、気付いてくれるかもしれません。

まずは、あなたの方から夫を誘ってみる、はっきりとしたスケジュールを夫に伝える。こういうことから改善してみましょう。そして、夫にも素敵なあなたにふさわしい「ゆったり構えた大人の男性」に成長してもらいましょう。

回答者プロフィール:岡野あつこさん

岡野あつこさん

おかの・あつこ 夫婦問題研究家、公認心理師。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。30年間で3万5000件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)、電子書籍『離婚診断』(アデル出版)がある。

・離婚相談救急隊運営
・「離婚診断士(R)養成オンライン講座」開講
・YouTube「岡野あつこチャンネル」

構成:竹下沙弥香(ハルメクWEB)

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