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「FRUITS ZIPPER」「超ときめき♡宣伝部」など……令和に“自己肯定感爆上げソング”が流行る理由は?

  • 2024.10.22
近年、“自己肯定感爆上げソング”が流行。令和の若者がこのような曲を好む理由について、フリーアナウンサー/心理カウンセラーの佐々木もよこが独自の視点で解説する。(画像出典:FRUITS ZIPPER公式Webサイトより)
近年、“自己肯定感爆上げソング”が流行。令和の若者がこのような曲を好む理由について、フリーアナウンサー/心理カウンセラーの佐々木もよこが独自の視点で解説する。(画像出典:FRUITS ZIPPER公式Webサイトより)

人気アイドルグループ・FRUITS ZIPPERの『わたしの一番かわいいところ』は、2年以上前の2022年4月に発売されたにもかかわらず、その後TikTokでのバズを機に、現在もApple Musicトップ100(日本)の中で37位をキープしている(10月17日時点) 。

歌詞の内容としては、「わたしの一番かわいいところに気づいている君ってすごい! そして君が知ってる私が一番かわいいことに気づいたよ! もっとかわいいって言ってね!」といったところだろうか。

同曲のミュージックビデオは、アイドル感を全面に出したかわいい色味、デザインの衣装を纏い、かわいらしいメイクをしたアイドルたちが歌って踊ってキラキラであふれている。

少し前までは、かわいさの中にかっこよさが混じったアイドルが人気だったが、ここまで“かわいい”に振り切ったビジュアルや曲は、覚えている限りではとても久しぶりに見たように感じる。

このほかにも、超ときめき♡宣伝部の『最上級にかわいいの!』やFRUITS ZIPPERの妹分であるCUTIE STREETのデビュー曲『かわいいだけじゃだめですか?』など、全力で“かわいい”を表現した楽曲が人気を集めている。このような「自己肯定感爆上げソング」がなぜ流行っているのか、心理カウンセラーの視点から解説する。

“自己肯定感爆上げソング”が受け入れられる理由は?

少し前までは、とにかく人の目を気にする日本人にとって「私ってかわいいでしょ!」と自分から発することは“御法度”だった。褒められても謙遜することが美徳とされ、自分の本当の気持ちや意見を伝えることのないまま過ごしてきた人が多いように感じる。

ただ、最近では女性の社会進出が増え、活躍の場が増えたことで、昔の「女性はおしとやかに、半歩下がって」のような精神は平等ではないとされ、男性と同等に働き、意見を言うことが当たり前になってきた。その流れもあり、少しずつ自己主張することがOKな風潮となり、自分らしさを出す人が増えたように感じる。

自分らしさを出せる人=自分に自信がある人=自己肯定感が高い人とも言えるだろう。

改めて「自己肯定感」とは?

この頃よく聞く「自己肯定感」という言葉の、本当の意味をご存じだろうか?

「自己肯定感が高い」=「ポジティブであること」と思われがちだが、正しくは「どんな自分も受け入れられること」である。できた自分もだめな自分も全部私。そのまままるっと受け入れられること。

なので、前出の曲になぞらえると、「かわいいと言ってほしい私」も「それを伝えたい私」も受け入れることであり、それは、他人の目を気にせずに自分を受け入れた主張ができていることとなる。

共感する人もいれば、憧れを感じる人も……

筆者の知人の一人は、同曲を聴くと、「自分もかわいくなれる気がして元気が出る」と言っていた。キラキラ輝くアイドルが、堂々と自分をかわいいと言うことに対して、一種の憧れのような気持ちがあるのかもしれない。

また自己肯定感が高い別の知人は、「分かる! 私のいいところを知ってるあなた最高って思うよね〜! もっと褒めてって私も言っちゃう!」と共感している。気持ちが分かるので、元気がないときに聴くと「そうだった」と思い直し、前向きになる後押しをしてくれるようだ。

両者とも歌詞の「自己肯定感の高さ」を感じ取り、それぞれの受け取り方で元気をもらっている。あまりにも振り切った前向きな姿勢は気持ちがよく、その圧倒的な「自分軸」に感化されるのだろう。

これから日本人一人ひとりが、もっとありのままの自分を受け入れ、他人の目を気にすることなくきちんと自己主張ができるようになっていくであろう。今まさにその始まりのタイミングのような気がする。となると、「自己肯定感爆上げソング」は今後も増えていくだろうと予想する。

音楽でも映画でも何でも、“自分をもっと好きになるためのツール”として、もっともっと利用していけたらいいのでは、と思う。

この記事の筆者:佐々木 もよこ
セント・フォース所属、フリーアナウンサー、心理カウンセラー。心理学を通して、自身の様々な経験を乗り越える。現在は芸能活動をしながらオンラインカウンセリングも受け付けている。

文:佐々木 もよこ

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