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鮮烈なデビューから40年…抜群の存在感で輝き続ける洞口依子の魅力を再確認

  • 2024.10.21

黒沢清監督『ドレミファ娘の血は騒ぐ』(85)の秋子役で銀幕デビューを果たし、近年はマーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』(16)やエミー賞史上最多18部門を受賞した「SHOGUN 将軍」に出演するなど、幅広い活躍を見せる俳優の洞口依子。そんな洞口が初めて映画のカメラの前に立った1984年からの40年のキャリアを記念し「洞口依子映画祭パート2」が、10月23日(水)から10月27日(日)の5日間、東京のユーロスペースで開催される。

【写真を見る】映画祭のポスターは、『ドレミファ娘の血は騒ぐ』のオープニングを基に高橋ヨシキがデザイン!

【写真を見る】映画祭のポスターは、『ドレミファ娘の血は騒ぐ』のオープニングを基に高橋ヨシキがデザイン!
【写真を見る】映画祭のポスターは、『ドレミファ娘の血は騒ぐ』のオープニングを基に高橋ヨシキがデザイン!

2009年にシネマヴェーラ渋谷で行われた「洞口依子映画祭」に続く2回目の開催となる本映画祭。洞口の自選5作品が上映され、上映後には洞口と作品にちなんだゲストが登壇するトークイベントを予定している。この開催にあたって、洞口より映画祭および上映作品へのコメントが到着したので紹介していきたい。

●「洞口依子映画祭パート2」へのコメント

「この映画祭は洞口依子デビュー40年記念企画で私自身が企画交渉し皆様よりご祝儀をいただき運営している手作りの映画祭です。当日は映画を楽しんでいただき、監督共演者などもお呼びしてのトーク、物販では私と仲間3人と編集したデビュー記念冊子『YORIKONIA』も70ページの読み物としてお楽しみいただけます。さらに1月から企画交渉の末、映画で歌っていた曲をレコードにもできましたので音楽をもお楽しみください。私は1985年11月3日にデビューをしましたまさに文化の子。どうぞ映画と活字と音楽が大好きな私らしい映画祭を楽しんでくださいませ」

10月23日(水)上映『ニンゲン合格』(99)

役所広司、哀川翔、大杉漣ら、黒沢清監督映画の常連俳優が共演する第49回ベルリン国際映画祭正式出品作品。10年ぶりに昏睡状態から目覚めた青年(西島秀俊)が、崩壊した家族を再生しようと奮闘する異色ドラマ。洞口は、本映画祭で限定販売されるレコードに収録の「月影のレビュウ」を歌うミキ役として出演。

映画祭会場では限定レコードも発売!
映画祭会場では限定レコードも発売!

●洞口依子コメント

「私が劇中で歌ったりウクレレを弾いたり。役所さん西島さん、そして大杉漣さん最高」

10月24日(木)上映『ザ・ギャンブラー』(92)

作家、矢作俊彦がメガホンをとり、近未来(昭和74年)を舞台にした日活創立80周年記念アクション映画。さすらいのギャンブラー(松田ケイジ)と、かつては凄腕だったがいまは落ちぶれたエースのジョー(宍戸錠)の意地を賭けた対決を描く。元傭兵の女・ソルジャーという、洞口のキャリア全体でも珍しい役柄を演じている。

ユーロスペースでは全5作品が上映される
ユーロスペースでは全5作品が上映される

●洞口依子コメント

「矢作俊彦監督作品。往年の日活スタア、ガンアクション、見どころ満載。貴重な上映です」

10月25日(金)上映『ドレミファ娘の血は騒ぐ』

洞口の映画デビュー作。主人公の秋子は高校時代の先輩をたずねて東京の大学を訪れたが、そこでのありさまに失望してしまう。そんな秋子に大学ゼミの教官(伊丹十三)が「実験」への協力を依頼してくる。田舎から上京してきた女子大生を可憐に演じ、その存在感で多くの映画ファンを釘付けにした。

洞口が鮮烈に銀幕デビューした『ドレミファ娘の血は騒ぐ』
洞口が鮮烈に銀幕デビューした『ドレミファ娘の血は騒ぐ』

●洞口依子コメント

「衝撃のデビュー作。私のイベントでは今回が最後の上映になります」

10月26日(土)上映『白鍵と黒鍵の間に』(23)

ジャズピアニスト南博の同名エッセイを映画化。池松壮亮が1人2役で主演を務め、昭和末期の銀座を舞台に、博と南という2人のピアニストの運命が大きく狂いだす一夜を描く。主人公、南の母親役として洞口は出演している。

●洞口依子コメント

「『SHOGUN 将軍』カナダロケから帰国してすぐクランクインした個人的に大好きな作品」

10月27日(日)上映『ミカドロイド ディレクターズカット版』(91)

「平成ガメラ」シリーズなどで知られる特殊メイクアーティスト、原口智生の映画監督デビュー作。大戦末期、軍は秘密兵器を開発していたが戦況の悪化とともにその計画は破棄された。そして現代。その兵器が突然蘇り人々を殺戮しはじめていく。洞口は旧日本軍の改造兵士からひたすらに逃げる彩子役で主演を務めた。

東宝のオリジナルビデオブランド「東宝シネパック」の第1作だった『ミカドロイド』 写真提供:原口智生
東宝のオリジナルビデオブランド「東宝シネパック」の第1作だった『ミカドロイド』 写真提供:原口智生

●洞口依子コメント

「北野武監督はじめ、多くの監督や俳優からも愛されている特殊メイクアップアーチストの原口智生、初監督、樋口真嗣初特技監督作品。こちらも私の40周年祝いのための貴重なディレクターズカット版上映となります。お楽しみに!」

ユーロスペース内での物販会場では、会期中に会場のみ300枚限定販売のレコードとポスターなどへのサイン会を予定している。11月2日(土)から沖縄の桜坂劇場でも開催され、『白鍵と黒鍵の間に』を除く上記作品に加えて、『パイナップル・ツアーズ』(92)、『探偵事務所 5 マクガフィン劇場版』(06)、『君は裸足の神を見たか』(86)、『CURE』(97)、洞口お薦めの沖縄ロケ作品として『夏の妹』(72)の5本も上映される。なお、洞口デビュー記念日である11月3日(日・祝)の『ミカドロイド』上映後には、原口智生監督も桜坂劇場へ登壇する。ぜひこの機会に、洞口依子の魅力をスクリーンで堪能してほしい。

文/編集部

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