新作がアジア初公開に。フィッチ／トレカーティン日本初個展がプラダ青山店でスタート

リジー・フィッチとライアン・トレカーティンによるデュオ、フィッチ／トレカーティン。2000年にアメリカの美術大学で出会って以来共同で作品を発表している、ノンリニア映像と没入型インスタレーションを融合させた作風で知られるアーティストだ。

今回プラダ（PRADA）青山店で開催される「LIZZIE FITCH / RYAN TRECARTIN: IT WAIVES BACK」展では、大型インスタレーション1点、映画2点に加え独立した彫刻作品を展示。2019年に発表された《Whether Line》の制作時の映像を再編集した作品を中心に、インスタレーションや彫刻作品で構成した新作《It Waives Back》をアジアで初めて紹介する。

2人がオハイオ州に自宅とスタジオを移転した2016年を機に、《Whether Line》のシリーズがスタート。スタジオ内に建設した巨大な流れるプールや堀、大型のホビーバーン、高さ15メートル以上の見張り塔などからなるセットを舞台にした作品で、“領土と所有権といった対立する概念が自己の発達に与える影響”をテーマとした。新作《It Waives Back》は、《Whether Line》の制作時に撮影された映像を再編集したものだ。

さらに、登場人物の状態やストーリーの語り、時間といったテーマを追求した新作映画2作品『TITLE WAIVE』と『Waives Back （Whether Line）』、そして彫刻作品を加えたインスタレーションで本展は構成されている。

映画『TITLE WAIVE』では、2017年〜2024年にかけて撮影された映像を編集。時間に焦点を当て、ストーリーがいかに時間軸を破綻・回復させるかを浮かび上がらせている。一方、『Waives Back （Whether Line）』は、シーンごとに実写とアニメーションを組み合わせて制作。また彫刻作品は、テーマパークのキャラクターやマスコット的な存在として考えられており、上映される作品の“字幕”としての役割を果たす。

フィッチ／トレカーティンはこれまで、ジェンダーの流動性やアイデンティティのパターンに着目しつつ、主観性のあり方を捉え直した作品を手がけてきた。ニューヨーク近代美術館やパリ市立近代美術館など、世界各地で展示されている2人の作品の根底には、「多くの真実が同時に共存する」という想いがある。

その想いを反映して再編集された新作《It Waives Back》をぜひ観に訪れてみて。

LIZZIE FITCH / RYAN TRECARTIN: IT WAIVES BACK

開催期間／10月24日（木）～2025年1月13日（月）

開催場所／プラダ 青山店 東京都港区南青山5-2-6 6F

開催時間／11:00〜20:00

入場料／無料

問い合わせ先／0120-45-1913（プラダ クライアントサービス）

https://www.prada.com/jp/ja.html

Text: Aya Hasegawa

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