管理栄養士のともゆみです。レタスって切った部分が変色しやすいですよね。その変色、止める方法があったんです。わたしもやってみましたが、見事にきれいなままでしたよ。変色を止めるだけでなく、色鮮やかになり、パリッとした食感で、えぐみも取れておいしくなったんです。しかもこれ、とっても簡単な方法なんですよ。知りたくないですか?YouTubeチャンネル「和食の技術チャンネル」で紹介していました。
「和食の技術チャンネル」は和食の料理人をされている方が、和食の技術を教えてくれているYouTubeチャンネルです。野菜やフルーツの飾り切りや魚の捌き方などは美しくてさすがだなと思います。
今回は変色しやすいレタスが長持ちする下処理方法をやってみたいと思います。この下処理は、お店の場合、レタスを切ってから数日経っても変色しないのでバイキングやランチなどで重宝するそうです。家庭では切ってすぐに食べることがほとんどですが、すぐに食べても味も食感もよくなるので、やる価値はあると思います。
やり方は、レタスを50~60℃の湯に浸けるというヒートショック方法です。冷蔵庫に入れて4日経っても変色を防げます。
「ヒートショック方法」をやってみた!
【やり方】
1. レタスをザクザクと切ります。
2. ボウルに50~60℃の湯を入れ、その中に2分間入れます。
3. ザルにあげ、水を切ります。冷水に晒し、よく熱を取ります。再びザルにあげ、水を切ります。色も少し鮮やかになってレタスもシャキッとした感じがします。
この状態で食べてみても、確かにパリッとしています。味もえぐみがなく甘さを感じますね。
「ヒートショック方法」と「水洗い」したものを比較してみた!
上記のヒートショック方法で処理をしたものと、ただの水洗いをしたものを、冷蔵庫で3日間保存してみて、比べてみたいと思います。
水洗いをしたレタス
レタスをザクザクと切り、さっと水に晒し、ザルにあげ水を切ります。この状態で食べてみます。レタス特有のえぐみを少し感じます。ヒートショック方法のものほどシャキッと感はないですね。
ヒートショック方法で処理したものと水洗いしたものを、それぞれ皿に入れ、ラップをします。冷蔵庫に3日間保存します。
~3日後~
まずはヒートショック方法をした方から。
全体的に色鮮やかできれいです。切り口の変色はいまのところみあたりませんね。食べてみると、パリッとした食感はそのままあります。味も変わりないですね。
では水洗いの方は…
もう少し近づいてみると…
水洗いの方はところどころ切り口から少し変色しています。全体的にもシャキッとした感じがなくなりかけているのがわかります。食べてみると、えぐみが増しているような気がします。食感もシャキッと感はなくなり、しなっとなりかけています。
レタスの変色を防ぐ科学的理由
レタスが変色してしまうのは、レタスを切ることにより、切った断面からレタスに含まれているポリフェノールの一種が空気に触れて酸化するため。湯に浸けることで、細胞同士の結びつきが強くなり、ポリフェノールの流出を抑えられ変色を防止できるという訳です。また、熱ヒートショックにより野菜の気孔が開き、そこから水分が吸収されます。それによりシャキッとした食感が生まれます。
レタスの成分
レタスの成分の90%以上が水分ですが、ビタミンやミネラル、食物繊維など多くはないですが含まれています。なかでもビタミンEは比較的多く含まれ、活性酸素の害から体を守る抗酸化作用にすぐれ、老化防止や生活習慣病予防に役立ちます。また、肌荒れ防止、血行改善などの働きもあり、同様の抗酸化力をもつβ‐カロテンやビタミンCもレタスに含まれているため、抗酸化作用が効率よく発揮されます。ただし、栄養素や有効成分の含有量は多くはないので、たんぱく質や緑黄色野菜なども組み合わせるといいでしょう。
レタスを50~60℃の湯に数分浸けて処理することで、見事なほどに変色を防ぎ、色鮮やかに保てることがわかりました。それだけでなく、甘みが出ておいしくなり、食感もパリッとすることを知りました。切ってすぐに食べる場合も処理した方がおいしいです。
一度試してみてはいかがでしょうか。
参考文献:
からだのための食材大全 監修者 池上文雄 他 NHK出版
新・野菜の便利帳 監修 名取貴光 高橋書店