夫の借金3000万円。さらには浮気まで。順風満帆なわたしの日常が崩れ落ちていく…

『【復讐決行】3000万強奪旦那と浮気相手を地獄に叩き落してやりました』（ミロチ/KADOKAWA）は、夫の借金をきっかけに人生が急降下していく女性の姿を描いた物語だ。冒頭、主人公は夫の仏壇に苦々しい顔で語りかける。「笑っちゃうわよね？あんなことがあったのに…」と。この夫婦のあいだに、一体何が起きたというのか…。

主人公の莉子は、28歳の主婦。2歳年上の夫・孝之とはつき合って5年ほどで結婚。かわいい息子にも恵まれ、まさに「理想の家族」として暮らしてきた。

しかし、莉子の穏やかな日常は一変する。ママ友から「あなたの夫が借金をしているかもしれない」と声をかけられたからだ。孝之を問い詰めると、なんと3000万円もの借金があることが発覚。学生時代からギャンブルにのめり込み、借り入れ額が膨らみに膨らんだ結果だという。

結婚してから5年以上たつのに、一度も借金の存在に気づかせなかったのだから、孝之の演技力は相当のものだ。もはや莉子に問い詰められて流した涙も、本心からなのかわからない。涙ながらの謝罪の末に、孝之は莉子に「離婚してほしい」と申し出る。

借金の返済に家族を巻き込みたくない、という孝之。そんな決断をするぐらいなら、借金なんて作らなければいいのに…と思ってしまう筆者は、冷たいだろうか。

家族がバラバラになることを望まない莉子は離婚に応じず、亡き父が残してくれた遺産を使って借金を返済しよう、と提案するのだった。

自分の借金を返済するために妻から大金を借りたなら、心を入れ替えて謙虚に生活しそうなものだ。しかし、孝之はいつも通りに過ごしているだけで、申し訳なさそうな感情は伝わってこない。おまけに、他にも隠し事がありそうなそぶりまでみせてくる。

好き勝手に借金をし、バレたら離婚を切り出し、妻に返済を頼ったあとは平然と過ごす…あまりに自分本位な孝之の姿に、顔をしかめたくなる。

やがて、莉子もそんな孝之のふるまいに違和感を覚えていく。ついには借金のみならず、浮気をしている事実が発覚。ここまで苦しみに耐えてきた莉子だったが、孝之と浮気相手、両方を地獄に叩き落とす決意を固めるのだった。

莉子の復讐劇は、一体どのような顛末を迎えるのか。衝撃的な「仏壇シーン」につながる物語の続きを、ぜひ最後まで見届けてもらいたい。

文＝ネゴト / 押入れの人