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鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手

  • 2024.10.20
鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手
鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手

Text by 奥崎覚(編集部)

今シーズン限りでの退任が発表された川崎フロンターレの鬼木達監督。

風間八宏監督の後を受けて就任した2017年以来、8シーズンで計7つのタイトルを獲得と、「無冠」だったクラブを異なる姿へと変貌させた。

そんな鬼木体制の川崎では、多くの選手が成長し、チームの躍進を支えただけでなく日本代表や海外でも活躍している。

そこで、ここ8シーズンの川崎において、とくに大きく成長した選手をピックアップ。ここでは鬼木監督就任以降に加入した選手に限定して5名紹介する。

家長昭博

鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手
鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手

川崎フロンターレ在籍:2017年~

まずは、鬼木監督が就任した2017年に大宮アルディージャから加入し、いまだピッチ上で大きな影響力を与え続けている家長昭博だ。

FC東京へ移籍した大久保嘉人に代わり、鳴り物入りでの新戦力だっただけに期待値は大きかったが、川崎のサッカーへの順応に苦労。“正解”を導き出すためトップ下や時に1トップでも起用された。

しかし2017年8月、3-1と快勝した鹿島アントラーズで待望の移籍後初ゴールを記録すると、川崎の右サイドは彼のものに。加入1年目ながら悲願の初タイトル獲得の原動力となった。

翌2018年には、リーグ連覇を達成すると同時に個人としても初のJリーグMVPを受賞。中村憲剛引退後はチームの基準となり、鬼木監督とともに「強い川崎」を形作った。

守田英正

鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手
鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手

川崎フロンターレ在籍:2018~2020年

現在、日本代表の主軸を担っている守田英正。彼もまた鬼木監督の川崎フロンターレにおいて、栄光と挫折を経て一回りも二回りも大きくなった選手の一人だ。

2018年に加入した守田は、初公式戦のスーパーカップでいきなり右サイドバックとして途中出場。リーグ戦では前年優勝メンバーのエドゥアルド・ネットからポジションを奪取し、同年9月には早くも日本代表デビューを飾る。

その年のリーグ連覇に大きく貢献したが、翌年のアジアカップ直前に負傷離脱して以降は苦しい時期を経験。パフォーマンスを落とし、その間に台頭してきたのが後輩として可愛がっていた田中碧だった。

2020年も控えでスタートしたものの、4-3-3の新たなスタイルの中でアンカーとして成長。後半戦、チームの核となった守田のプレーは、当時プロフィールで「憧れ・目標とする選手」に挙げていたセルヒオ・ブスケツのようだった。

旗手怜央

鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手
鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手

川崎フロンターレ在籍:2020~2021年

旗手怜央ほど鬼木監督から「さまざまなことを求められた選手」もいなかったのではないだろうか。

大学3年の7月に川崎フロンターレ加入が発表された、東京五輪世代屈指のアタッカー。しかし、同期に三笘薫という“怪物”がいたことから加入1年目の2020年はさまざまな思いが去来する中でのプレーを余儀なくされた。

ところがシーズン終盤、登里享平の怪我に伴い、鬼木監督は旗手を左サイドバックのポジションで起用。そこでの吹っ切れたようなプレーが、高い技術と攻守のダイナミズムを備えた今に通じるスタイルを開眼させた。

翌2021年夏に三笘と田中碧が移籍して以降、絶対的な主力となった旗手。主にインサイドハーフのポジションで、時に涙しながらも自らを奮い立たせ、見事リーグ連覇の立役者の一人となった。

山根視来

鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手
鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手

川崎フロンターレ在籍:2020~2023年

山根視来は、2020年に川崎フロンターレへ加入していなければおそらくカタールワールドカップ出場を果たせなかっただろう。それだけ山根は、当時の川崎にハマった。

湘南ベルマーレでアタッカーから3バックにコンバートされ、攻撃センスあふれるDFとして注目を集めていた山根。一方の川崎は山根加入の前年、退団したエウシーニョの穴を埋めることができず3連覇を逃していた。

そうしたなかで加入した山根に、鬼木監督が与えたのが4-3-3の右サイドバックというポジション。前に家長昭博、斜め前には脇坂泰斗や田中碧という環境を得て、山根は持ち前の攻撃性能とタフさを存分に発揮させた。

日本代表に初招集された2021年3月の韓国戦でいきなり初ゴールを記録し、川崎の選手としてワールドカップへの道を切り開いた山根。最後は天皇杯優勝を置き土産にLAへと旅立っていった。

マルシーニョ

鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手
鬼木監督の川崎フロンターレで「特に成長した」5名の選手

川崎フロンターレ在籍:2021年8月~

本来であれば田中碧もピックアップしたかったが、彼個人のサッカーに対するストイックな姿勢をある意味評価し、ここでは田中以上の成長を遂げたとも言えるブラジル人アタッカーを挙げたい。

当時中国1部の重慶両江を2021年2月に退団し、半年間無所属だったマルシーニョ。ブラジルや中国時代の実績も目立つものではなく、同年8月に加入が発表された際の期待値は決して高くなかった。

しかし、その年JリーグMVPに輝くレアンドロ・ダミアンがインテルナシオナウ時代の同僚だったこともあってか彼の弟分的存在としてチームに馴染み、鬼木監督も三笘薫の移籍で失われた縦へのスピードを求めてマルシーニョを積極的に起用した。

結果、元来の真面目さと高いボールスキルに判断力が加わり、リーグ屈指の快速ドリブラーへと成長。2年目の2022年には12ゴールを挙げてJリーグベストイレブンに輝いている。

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