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『ヨコハマ・フットボール映画祭』と『燃えろ!J2党』のコラボイベント『燃えろ!K2党』に参加してみた

  • 2024.10.20
『ヨコハマ・フットボール映画祭』と『燃えろ!J2党』のコラボイベント『燃えろ!K2党』に参加してみた
『ヨコハマ・フットボール映画祭』と『燃えろ!J2党』のコラボイベント『燃えろ!K2党』に参加してみた

Text by Ryo

今月12日から18日に横浜市で開催されたヨコハマ・フットボール映画祭(YFFF)。

同映画祭は年に一度、世界中のサッカー映画の中から日本のサッカーファン、映画ファンがともに楽しめる作品をセレクトして上映している。

そんなYFFFが上映日の直前にトークイベントを開催すると知った筆者は、今月11日にJR中央線高円寺駅最寄りのスポーツ居酒屋KITEN!にて行われたトークイベント『燃えろ!K2党』にお邪魔した。

燃えろ!K2党とは

そもそも『燃えろ!K2党』とはどのような趣旨のイベントなのか。内容のレポートに入る前に概要を説明したい。

同イベントは、毎年年末に開催されているJ2所属のサポーター有志によるトークイベント『燃えろ!J2党』とYFFFとのコラボ企画。

今月12日・18日に上映された『FCスカヴァティ 赤から紫へ』というKリーグ2(K2、韓国2部)のFC安養(アニャン)の誕生秘話を描いた韓国映画をより楽しむための企画であるため、『燃えろ!K2党』というイベント名になった。

チケット代は2000円で、懇親会に参加する場合は4000円となる。

U23は1000円引き、FCスカヴァティのチケット購入者は500円引きになる特典もあった。

会場となったスポーツ居酒屋KITEN!は、アビスパ福岡の熱烈なサポーターのふくやんさんがオーナーを務めているアットホームなスポーツ居酒屋だ。

店内はJクラブやプロ野球チームのタオルマフラー、グッズ、ポスターが掲示されており、スポーツ好きにはたまらない夢のような空間だった。

K2党イベントの当日は、FCスカヴァティの上映にちなんでKリーグのスタグルの定番、韓国料理のソトックソトック(餅とソーセージを串に刺して油で揚げる料理)をこの日限定で提供してくださった。

【1st HALF】Kリーグと韓国サッカーの基本を知ろう!

『燃えろ!K2党』が始まる午後7時30分ごろには、すでに多くのイベント参加者によって満席になっていた。

イベント前半は、普段J2党を主催しているふくやんさんとFC岐阜サポーターの流石さんがMCを担当。

ゲストの城南(ソンナム)FC・アビスパ福岡サポーターの徐柱訓(ソ・チュフン)さんとFC安養・セレッソ大阪サポーターの呉敏哲(オ・ミンチョル)さんがKリーグと韓国サッカーの基本について解説した。

前半のトーク内容は下記の通り。

・Kリーグの誕生・経緯
・レギュレーションについて
・韓国国内リーグ(K1~K7)のディビジョンについて
・Kリーグ1、2のチーム紹介
・お金にまつわるKリーグの話
・放映権料
・観客動員数
・兵役免除制度・軍隊チームについて
・チケット、ユニフォーム代
・2024シーズンKリーグ2の順位について

『ヨコハマ・フットボール映画祭』と『燃えろ!J2党』のコラボイベント『燃えろ!K2党』に参加してみた
『ヨコハマ・フットボール映画祭』と『燃えろ!J2党』のコラボイベント『燃えろ!K2党』に参加してみた

などなど、前半から韓国サッカーについての話題が盛りだくさん。

特にKリーグの誕生・経緯の話は興味深い内容だった。1974年、時の権力者チョン・ドゥファン大統領が、民主化を要求する国民の不満を逸らすための手段としてプロスポーツクラブの創設を各財閥に働きかけたことがきっかけだという。

国の政策でプロスポーツリーグが発足するという、日本では考えられない事例が隣国で行われていた事実に来場者は興味津々だった。

【2nd HALF】Kのディープな世界を聞いてみよう!

後半は韓国から来日したKリーグ2のサポーターによるクラブ紹介が行われ、韓国サッカーについてさらに深堀りした話を聞けた。Kリーグ2所属のFC安養サポーターの呉さんと城南FCサポーターの徐さんが、それぞれが応援しているクラブについて熱弁した。

『ヨコハマ・フットボール映画祭』と『燃えろ!J2党』のコラボイベント『燃えろ!K2党』に参加してみた
『ヨコハマ・フットボール映画祭』と『燃えろ!J2党』のコラボイベント『燃えろ!K2党』に参加してみた

FC安養のエンブレムについての解説では、呉さんが「安養市の名物であるブドウから多くのインスピレーションを受けている」と説明すると、MCの流石さんが「愛媛FCだ!」とすかさずコメント。J2ネタへの反応速度はとても早く、会場は笑いの渦に包まれた。

FC安養のマスコットキャラクターであるバディとナリは、実際に安養市を通る鶴儀川(ハグィチョン)で発見されたタヌキがモチーフになったそうで、ナリは生まれた場所も設定してある徹底ぶりだ。

終盤には、映画『FCスカヴァティ 赤から紫へ』を制作したナ・ル監督とソン・ホビン監督が登壇(とうだん)し、映画の宣伝を行った。

FCスカヴァティ 赤から紫へ

ナ・バル監督「この映画のために4、5年間準備しました。映画の主人公がずっとヨコハマ・フットボール映画祭の話をしていました。いつ行けるのかと思っていましたが、この機会を通じて現実になったので本当にうれしいです。この交流会と2回の上映会に参加する方へは本当に感謝しています」

ソン・ホビン監督「このヨコハマ・フットボール映画祭という独特なイベントに参加できて本当に良かったと思います。この映画はサッカーオタクの話です。そして、トラウマと痛みを感じたサポーターの話です」

愛するチームに逃げられてしまった。

安養市で8シーズンの間活動してきた安養LGチーターズは、2004年に首都ソウルに本拠地を移転してしまった。長年クラブを応援してきたサポーターは突然愛するクラブに逃げられてしまい、大きな喪失感に苛まれた。

それでも、残されたサポーターは『自分たちのクラブ』を作るために立ち上がった。

失われた9年間を経て、2012年に新たな市民クラブ・FC安養が誕生。しかし、チームカラーはかつての赤ではなく、街のシンボルカラーである紫色だった。

個性的なサポーターたちが、喪失した自らのアイデンティティを取り戻していくドキュメンタリー。

今年のYFFFアワードでベストサポーター賞とグランプリの2冠を受賞した同作品は、改めて『愛するチームがある幸せ』を教えてくれる。全サッカーファン必見の映画だ。

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