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【白金台】東京都庭園美術館「建物公開2024 あかり、ともるとき」

  • 2024.10.25

重要文化財・旧朝香宮邸、ともるぬくもり、アール・デコ様式のあかり

東京都庭園美術館本館、重要文化財・旧朝香宮邸(きゅうあさかのみやてい)で、毎年恒例の建物公開が始まりました。

2024年は、「建物公開2024 あかり、ともるとき」[2024年9月14日(土)~11月10日(日)]と題して、この建物のために制作された照明器具をテーマに旧朝香宮邸の魅力を紐解きます。

各部屋ごとに独自にデザインされた照明器具は、華やかさの中にもこだわりの材質やディテールが見られ、室内装飾とともにそれぞれの部屋を魅力的に見せていました。

ウインターガーデンの特別公開や、各部屋の同時代の家具や調度をしつらえた再現展示も見どころです。

※会期中、会場内の写真撮影が可能です。撮影時は諸注意をご確認いただき、館内スタッフの指示に従い撮影をお楽しみください。

出典:リビング東京Web

本館1階 第一応接室 第一応接室家具(小椅子、長椅子、三角飾棚 設計:宮内省内匠寮工務課 1933年頃 木材、布、金属、ガラス 朝香宮家旧蔵作品 すべて東京都庭園美術館蔵

本館1階 アール・デコ様式の建物内を照らすあかり

1933年(昭和8)に竣工した重要文化財・旧朝香宮邸は、皇族・朝香宮家(あさかのみやけ)の邸宅としてアール・デコ様式の粋を集めて建てられました。

フランスの装飾美術家アンリ・ラパンが主要な室内装飾を手掛け、2階の朝香宮家のプライベートスペースと庭園を含めて全体の設計を担当したのは宮内省内匠寮(くないしょうたくみりょう)です。
アール・デコ様式で統一された日仏の装飾建築デザインが融合した世界的に見ても稀有な建物だそうです。

ともされたあかりが、アール・デコ様式の建物内を柔らかく照らし出し、竣工当時に時間が戻ったような雰囲気を味わえました。

白磁の香水塔(こうすいとう)

ルネ・ラリックによる女神のような女性像のガラスレリーフがある玄関から大広間へ入ると、次室(つぎのま)の大きな白磁の香水塔が目に入ります。こちらは室内噴水器として使用されていました。

南に面した窓に広がる庭園の緑を背景に、白漆喰の半円球のドーム型の天井、モザイクの床、黒漆の柱、人造石の朱色の壁がアール・デコ様式の華やかさを感じさせます。

朝香宮邸時代は、香水塔の上部に香水をたらし照明部分の熱で香りを漂わせていたそうです。
ドーム型天上の照明のあかりと香水塔のあかりは、次室全体を明るく照らし出していました。

出典:リビング東京Web

本館1階 次室(旧朝香宮邸) 香水塔 1932年 デザイン:アンリ・ラパン 製作:国立セーヴル製陶所 東京都庭園美術館蔵

自然光の中で、ありし日の大客室と大食堂

香水塔のあるスペースからは大客室と大食堂に繋がっています。

カーテンが開け放たれた部屋の中には自然光が射しこみ、再現展示された安楽椅子とテーブルが、ありし日の大客室の姿を見せてくれているようでした。

出典:リビング東京Web

本館1階 大客室 家具(安楽椅子、テーブル) 1920-30年代 木材、布、金属、ガラス 朝香宮家旧蔵作品 すべて東京都庭園美術館蔵

ルネ・ラリック《ブカレスト》

本館1階の大客室華やかに演出するのは2つのシャンデリアルネ・ラリック製作の《ブカレスト》です。
ギザギザのガラス装飾部分上部の照明部分の花幾何学的なデザインです。

大客室の壁面上部のアンリ・ラパンによる壁画や、天井の漆喰仕上げの円形や、ジグザグの模様がシャンデリアの照明に浮かび上がります。

アンリ・ラパンによる本館1階の室内装飾は、最先端のデザインと最高級の素材が使われているそうです。

室内のシコモール材のイオニア式柱頭を持つ柱の間には、マックス・アングランによる幾何学模様のエッチング・ガラスの扉があり、扉上部をレイモン・シュブによるタンパン装飾が飾ります。

出典:リビング東京Web

本館1階 大客室 照明:《ブカレスト》 ルネ・ラリック 東京都庭園美術館蔵

出典:リビング東京Web

本館1階 大客室 照明:《ブカレスト》 ルネ・ラリック 東京都庭園美術館蔵

《パイナップルとザクロ》のあかりに照らされて

円形の張り出し窓のある大食堂。窓のむこうには庭園の緑が明るく広がります。

《パイナップルとザクロ》の照明は、ルネ・ラリック製作によるものです。

大食堂は来客用に使われていたとのこと。
室内にはテーブルセッテイングがなされていました。パイナップルとザクロのあかりに照らされて和やかな食卓の風景がイメージされます。

植物文様の壁面のデザインは、イヴァン=レオン・ブランショ。エッチングガラスの扉は、マックス・アングランが手がけています。

出典:リビング東京Web

本館1階 大食堂 照明:《パイナップルとザクロ》 ルネ・ラリック、椅子 レイモン・シュブ 1920-30年代 鍛鉄、木材、金、布 東京都庭園美術館蔵

本館2階 朝香宮家のプライベートスペース、各部屋ごとにデザインされた照明器具

朝香宮家のプライベートスペースだった本館2階の各部屋の内装を手がけたのは宮内省内匠寮です。

各部屋ごとに壁紙やラジエーターカバーなどの室内装飾がデザインされ、部屋ごとに異なるデザインの照明器具が製作されました。

妃殿下寝室、1930年代の壁紙(再現)を照らすあかり

朝香宮允子妃の寝室では、ザルブラ社製壁紙《テッコ―》が再現されていました。

鮮やかな可愛らしい赤色の壁紙は、上下に移動できるシェード付きの照明に照らされて寝室に彩りをもたらしていました。

室内には、ダイヤモンドとプラチナの御遺愛品のブレスレットと、《朝香宮鳩彦王妃允子肖像》も飾られていて、妃殿下がいらしたときの華やいだ雰囲気を感じました。

出典:リビング東京Web

本館2階 妃殿下寝室 妃殿下寝室壁紙 テッコー RA35B ザルブラ社、 朝香宮鳩彦王妃允子肖像 マニュエル兄弟 1924年 紙(写真)、パステル、ブレスレット バンスラン 1924年 ダイヤモンド、プラチナ すべて朝香宮家旧蔵作品 すべて東京都庭園美術館蔵

姫宮居間、白い帽子のような照明

つばの広い白い帽子のような照明器具と、天井の漆喰仕上が花びらのよう。

アンドレ・グルーのデザインした椅子に描かれたマリー・ローランサンによるもの。
サーモンピンクの大理石マントルピースの上には丸い鏡がかけられています。

姫宮らしい可愛らしい雰囲気の室内装飾と家具がしつらえられていました。

出典:リビング東京Web

 

椅子 デザイン:アンドレ・グルー 絵:マリー・ローランサン 製作:アドルフ・シャノー ファブリック:ボーヴェ製作所 1924年 黒檀、鼈甲、ファブリック(ボーヴェ製作所)、真鍮
テーブル・ランプ ゴーヴネNo.14A ジャン=バティスト・ゴーヴネ 製造:セーヴル製陶所 デザイン:1935年 制作:1937年 磁器 すべて東京都庭園美術館蔵

新館ギャラリー あかり、ともるとき

新館ギャラリーでは、ルネ・ラリック、レイモン・シュブ、エミール・ガレなど1920年~30年代のアール・デコ期に活躍したデザイナーの照明器具あかりをともして展示されていました。

装飾性のある照明器具のガラスを通して照らされるあかりは、無機質な材質とは逆に落ち着いた温かさを感じさせます。

出典:リビング東京Web

新館ギャラリー 「建物公開2024 あかり、ともるとき」展示風景 東京都庭園美術館

「建物公開2024 あかり、ともるとき」特別公開ウインターガーデン

特別公開されている本館3階のウインターガーデンも観覧して来ました。
日当たりのよい室内は、市松模様のモダンな内装に当時のスチールパイプ家具が復刻して展示されていました。

「建物公開2024 あかり、ともるとき」は11月10日(日)までです。
あかりがともされた建物に入ると、お客様として歓迎されているような印象を受けました。

建物内にともされたあかりは、とても穏やかで、旧朝香宮邸の過ぎ去りし日々の時間が再び流れ出したような感じがしました。

秋の一日、庭園の散策も楽しめる東京都庭園美術館へ是非お出かけください。

出典:リビング東京Web

本館3階 ウインターガーデン スチールパイプ家具(椅子、テーブル)復刻品 スチール、布、合板 東京都庭園美術館蔵

ミュージアムショップ

ミュージアムショップでは東京都庭園美術館 オリジナルシースルーソックス クレール&ブラン(2‚000円)、東京都庭園美術館 オリジナルノート(850円)を購入。
どちらも東京都庭園美術館限定グッズです。

出典:リビング東京Web

ミュージアムショップで買いました! 東京都庭園美術館

café TEIEN(カフェ庭園)

café TEIEN(カフェ庭園)では企画展特別デザート「建物公開 2024 あかり、ともるとき」マロンキャラメルサレ 秋の味覚を添えて(900円)をいただきました。

「合の間」のペンダントをイメージした塩キャラメルと栗のムースをチョコレートでコーティングしたケーキです。

丸い灯りが洋梨のコンポートで表され、灯りをつなぐ丸い鎖がチョコレートの飾りで出来ています。
マロンクリームたっぷりのクッキーも添えられた秋の味を贅沢にいただけるケーキでした。

出典:リビング東京Web

café TEIEN(カフェ庭園)の企画展特別デザート[/caption]

〇東京都庭園美術館 
東京都港区白金台5-21-9
ハローダイヤル 050-5541-8600
開館時間:10:00–18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始

・交通:JR山手線「目黒駅」東口/東急目黒線「目黒駅」正面口より徒歩7分
都営三田線・東京メトロ南北線「白金台駅」1番出口より徒歩6分
※白金台駅のエレベーターは2番出口

〇建物公開2024 あかり、ともるとき 
会期:2024年9月14日(土)~11月10日(日)
観覧料
*オンラインによる日時指定制
一般 1,000円(800円)、大学生(専修・各種専門学校含む) 800円(640円)、中学生・高校生 500円(400円)、65歳以上 500円(400円)
※( )内は20名以上の団体料金
※小学生以下および都内在住在学の中学生は無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者2名は無料
※教育活動として教師が引率する都内の小・中・高校生および教師は無料(要事前申請)
※第3水曜日(シルバーデー)は65歳以上の方は無料
※10月23日(フラットデー)は、無料・割引対象者以外は要予約
※展覧会のチケットをお持ちの方は、庭園にもご入場いただけます。

〇café TEIEN(カフェ庭園) 
営業時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
定休日:毎週月曜日
※美術館営業時間に準ずる
お問い合わせ先:03-6721-9668

〇チーズ専門店「フェルミエ白金台店」 
TEL. 050-1741-6154
10:00 – 18:00
定休日:月曜 ※美術館休館日に準ずる
メール shirokanedai@fermier.co.jp
東京都港区白金台5丁目21-9(東京都庭園美術館敷地内)

※記事に掲載した内容は公開日時点または取材時の情報です。変更される場合がありますので、お出かけの際は公式サイト等で最新情報の確認をしてください

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