専業主婦になれと言う夫「母さんを見習え！」…義母は敵？味方？夫婦の行方

義母は私たちの結婚に反対でした。私が激務であることを知って「家事ができるのか」と詰められたので、思わず「できます！」と言ってしまったことがすべての始まり……。結婚生活が始まると、私は仕事と家事でいっぱいいっぱいになってしまいました。さらに暗雲が立ち込める出来事が……。なんと夫は私に専業主婦になれと言ってきたのです。

義母と私を比較する夫

専業主婦になれと言われたものの、夫には独身時代の借金があるので、私が働かなければ家計は成り立ちません。しかし夫は、節約をすればどうにかなると言い張ります。

さらに、もし私が仕事を辞めたら、今のマンションからの引っ越さなくてはなりません。それを夫に告げると、夫は大反対！ このマンションには住み続ける、仕事は辞めろと、まるで駄々をこねる子どもです。

ここに住み続けるなら私は仕事が辞められません。「専業主婦にはなれないよね」と確認すると、夫は私をにらみつけ、黙ってしまいました。

それ以来、夫は私の家事に対して文句を言うようになったのです。

努力はしているものの、1日が24時間であることに変わりはありません。仕事が忙しい私にとって、夫が言う“完璧な家事”をするのは至難の業。

それでも夫は義母を引き合いに出しては、私の家事の至らなさを責めます。たしかに義実家はいつでもきれいで、食事もいつも完璧！ しかし専業主婦の義母と比較されるのは、私にとって不利でしかありません。

ミールキットのような便利アイテムを使ってごはんを作ると「味が好みじゃない」と拒否。二言目には「母さんを見習え」というところまでがワンセットです。

そんなに文句を言うなら自分で家事をすればいいのですが、結婚前にした約束と違うと言われてしまうのでした。

夫が私を専業主婦にしたいワケ

夫が私を専業主婦にしたい理由は明白です。私に比べて仕事量が少なく、早く帰宅できる夫は、ご近所さんから「早く帰れていいね」と言われるそう。ご近所さんに嫌味はないのですが、夫はその言葉を聞くと自分が無能だと言われているように感じると言います。

だから私を専業主婦にして、“妻を養っている夫”を演じたいのです。しかしそんなことで私が仕事を辞めて、夫婦で路頭に迷うことになったら元も子もありません。

そんなある日、実家の父から連絡が入りました。今度うちの近くまで来る用事ができたので、一緒に食事でもしようと誘ってくれたのです。しかし、私は気のない返事ばかり。

心配した父に事情を話すと、義母には相談したのか？ と問われます。もちろんそんなことできるわけがありません。結婚前、あれだけ豪語した以上、私が折れるわけにはいかないのです。

父との食事会当日も、夫は相変わらず。みそ汁がしょっぱいと酷評され、義母の作ったものが飲みたい、義母を見習えと、グチグチグチグチ……。

「この程度の家事で夫を蔑ろにしてまで外で働く、最悪な嫁をもらった」と言われたときには、もう完全にキレました。今日こそは離婚届をもらってこようと、心に誓ったのです。

夫を送り出し、私も出かける準備をしていたところで、インターホンが鳴りました。出てみると、驚きの人物が父とともに登場。これが私の人生を変えました。

夫に仕掛けた罠

夫は帰宅後、何も言わず食卓につきました。食事を始めるといつもどおり文句ばかり。「いつも通りまずい飯だな！ 母さんの料理が食べたいなぁ」といつものセリフが飛び出しました。

その途端、隣の部屋から義母と父が登場。なんと今日の食事はすべて義母が作ったもの。それなのに夫は「義母の料理が食べたい」と言ったのだから、味なんてわかっていません。ただケチをつけていたことだけは明白です。

これは今朝知ったことですが、義母が私たちの結婚を反対していたのは、私が原因ではありませんでした。仕事が忙しい私の相手が不出来な息子で大丈夫なのか？ と疑問を抱いていたがゆえの反対でした。

迷惑をかけるのではないかと思っていたが、それが事実となってしまって本当に申し訳ないと、義母には頭を下げられました。そして、この作戦を自ら実行してくれたのです。義母に相談してくれた父には、感謝しかありません！

義母を見習った結果…

義母は「私を見習えと言ったそうね！ それならあなたもお父さんを見習いなさい！」と言って、夫から食事を取りあげ、風呂掃除を命令しました。

実は義父も昔、同じような態度を取って、専業主婦になるよう要求したのだそう。義母は義父が家事の手伝いをきちんとできるようになったら、専業主婦になると約束したと言います。「家事を手伝わなければ食事抜き」というルールを作ったところ、次第に家事が板につき、義父は変わっていったのだそうです。

しかし夫は家事の分担をあっさり拒否。そこで義母が取り出し、夫に突きつけたのは離婚届でした。

私はとっくに記入済みです。義父のときも、もしダメならこうするつもりだったと言う義母。義母を見習ってほしいというのは夫の希望です。私がしっかりと義母を見習うことにしたのでした。

夫の味方は…？

義母から「妻を持つ資格はない！ ひとりで生きていけ」と言われ、父から「夫婦は支えあって生きていくものだから、それができないならやはり妻を持つ資格はない」と言われ、夫は取りつく島を完全に失いました。離婚を受け入れる以外すべはありません。私としては、すんなり離婚できて本当に助かりました。

あれから夫がどうしているのか、私は知りません。きっと少しずつ借金を返していることでしょう。そしてあの性格なので、再婚はできないのではないかと思います。

結婚生活において、互いへの理解と尊重は大切です。それが欠けてしまった夫婦関係には亀裂が生じるでしょう。

また「義母はこうだった」と妻に押し付けるのはもってのほか。実家とは異なる別の家庭として、自分たちの家族の形を作れたら、良かったのかもしれませんね。

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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著者：ライター ベビーカレンダー編集部／ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部