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「詐欺に決まっている!」祖父が購入を決めたものに両親が大反対!祖父に振り回された結果

  • 2024.10.21

84歳で亡くなった私の祖父は、普段は真面目ですが、新しいものや話題のものに目がないチャーミングな一面も。先見の明を持つ祖父が周囲の反対を押し切って買った高額商品とは? まだ私が学生時代だったときの祖父と両親にまつわるエピソードを紹介します。

好奇心が強く、新し物好きな一面があった祖父

田舎の小さな町で農業を営んでいた私の祖父母。祖父は兼業農家で、野菜を栽培しながら農業試験場でも働く公務員でした。そんな祖父は意外と新しいもの好き。思い返せば、私が中学生だった2000年ごろには、その当時発売されて1~2年くらいの「windows98」のデスクトップパソコンが突然家に届き、祖父は説明書とにらめっこしながら操作していました。私の父は、「そもそも触ったこともない上、退職したのに今さら一体何に使うのか」とあきれていたのを今でも思い出すそうです。

また、周囲の影響か75歳を過ぎてから携帯電話に興味を持ち、2006年ごろには高齢者用の携帯電話を自分で契約してくるなど、年を取っても行動的。当時はおそらく、まだシニア用のガラケーが普及し始めたころで、大学生の私が帰省すると自慢げに見せてくれました。しかし、同じ敷地内に住んでいた私の両親は「直接会って話せばいいし、家の電話で用が足りる」と、祖父の携帯電話に連絡したことは一度もなかったように思います。

祖父は、70歳を過ぎても退職したメンバーと海外旅行に行ったり、生涯学習センターに通ったりととてもアクティブな人でした。私と妹はよく「おじいちゃんてすごいよね」と、高齢になっても新しいものに興味を持ち、学ぼうとする行動力のある祖父を尊敬していたものです。

祖父が訪問セールスで購入を決めたのはなんと…

そんな新しいもの好きの祖父ですが、今から20年前の2004年、またしても大きな買い物を検討していました。さすがに工事が必要なため、事前に私の両親に話をしたのでしょう。その買い物とは……なんと一般家庭用の太陽光発電! 自宅に訪問してきたセールスマンの話をいろいろと聞いたようで、取り付けてみたくなったのだとか。

もちろん両親は大反対です。父は「そんなの詐欺に決まっている」「近所でも変わり者だとウワサされる」など、とにかくやめさせようと必死。当時は、家庭用の太陽光発電がようやく増え始め、口コミや製品の情報が広がり出したころ。高額だった工事費用もやや安定し、都心では設置する家が多少増えていたのかもしれません。しかし、こんな小さな田舎町で周囲に太陽光発電を採用している家などなく、両親からしたらよくわからないものだったのでしょう。

祖父の中でソーラーパネルの設置はもう決めており、相談ではなく報告しに来たという感じで聞く耳を持ちません。何度か説得を試みた父も、「親父の金だから勝手にしたらいい」と突き放して終わる結果に。母は「心配だけど、言っても聞かないし、お義父さんまだしっかりしているから本人に任せましょう」と見守ることにしたのです。

反対を押し切り導入した自慢の一品。その後は…?

結局、住宅用太陽光発電を導入した祖父。設置費は決して安くはありませんが、当時の売電価格も高額だったため、有益だと判断したのでしょう。工事中は、父の予想通り近所の人たちが「あんたのとこは何の工事をしているのか?」と声をかけて来ることもありました。もしかしたら、昔ながらの保守的なコミュニティの中で、祖父をいぶかしげに見る人もいたかもしれません。

私は祖父と両親のバトルどころか、太陽光発電の設置を検討していることも知りませんでした。県外から帰省して、瓦屋根の上にどーんと乗ったソーラーパネルを祖父に見せられ驚き、それを自慢する祖父をやっぱりなんだかかっこいいと思ってしまうのです。しかし、孫だから祖父の行動を尊敬のまなざしで見られるのであり、両親の立場だったら私も心配していたはず。祖父の買い物に振り回された両親は、かなり大変だったと思います。

その後も祖父は生前、両親の知らないところで新聞の折り込みチラシを観ては健康食品の定期購入を契約したり、少し怪しい水を購入していたりすることがしばしば。亡くなった後の遺品整理で発覚し、慌てて両親が解約するのを何度か目にしていました。

まとめ

祖父が太陽光を導入してから20年以上たち、今では新築住宅にはほぼ太陽光発電を設置する時代に。思えば、パソコンも携帯電話も流行の波にいち早く乗っていた祖父でした。

太陽光事件をはじめ、何かと祖父に驚かされていた両親も、2011年の東日本大震災の翌年に自宅に太陽光パネルを設置。先日おこなった祖父の法要では、親族とも当時の話で盛り上がり、父は「当時はあんなに反対しちゃったけど、パソコンといい太陽光といい、親父には先見の明があったんだなぁ」としみじみ思い出していました。私は祖父のことは大好きでしたが、もし将来自分の両親が祖父のようになると考えると、なかなか厄介だなと感じています。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

著者:緒方 佳子/30代主婦。夫と娘の3人家族。家の庭の草を無心で取る作業が意外と楽しい。 地元の友人と集まると、痩せない悩みか体力が落ちた話で盛り上がっている。

イラスト/sawawa

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)

ベビーカレンダー/ウーマンカレンダー編集室

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