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伊周そして惟規も無念の最期にまひろ号泣……次期東宮を巡るブラック道長も表れだした!

  • 2024.10.20

「光る君へ」言いたい放題レヴュー

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光る君へ 第39回「とだえぬ絆」あらすじ&今週も言いたい放題呪詛三昧の伊周死す!まさかの惟規もまで!道長のブラック度がどんどん高くなるの巻

今週のお当番のN子です。彰子さまに年子で第二の皇子誕生から始まり、賢子が道長との間に設けた子であることが為時パパにバレたり、道長との因縁の対決相手だった伊周が亡くなり、追い打ちをかけるようにまひろの弟・惟規も急病で亡くなるなど、大忙しの回でした。

賢子は道長との子だったって、為時パパだけ知らなかったの?鈍いな……

とうとう賢子も裳着を迎えました。為時邸には、道長からお酒、米、お菓子、そして絹織物も届けられています。賢子の裳着の装束は、まるで中宮さまがお召しになるような贅沢なもの。為時パパ、弟の惟規もその贅沢ぶりに驚いています。

惟規は「やっぱり実の子は可愛いんだなあ。」と感嘆します。まひろもいとも、特になんてことなしに、フツーのこととして受け流しますが、為時パパは「今なんと申した?」と問いただします。

なんと、気付いていなかったのは為時パパだけだったのです。親友であった宣孝と結ばれた娘が、まさか左大臣さまと不義だなんて、為時パパもびっくりです。

為時が心配したのは、宣孝がそのことを知っていたのかどうかでした。でもなにもかも知っていたこと、その上で一緒に育てようと言ってくれていたことを伝えると、ちょっと安心の表情。

だって、自分の娘が寄りによって左大臣さまと不義の子まで為していたとは、カタブツの為時にしたらびっくりですよ。そりゃあ、まひろだけでなく、為時も惟規も優遇してくれるはずです。

子の日の宴におよばれした為時は、左大臣さまをガン見してしまいます。宴の途中で帰ってしまったり、かなり挙動不審。後日、道長がまひろの局に来て、為時の様子を聞いてきました。まひろもタジタジ。やばいなーの表情です。

子の日の宴で、為時が途中で帰ってしまい、道長の不興を買ったのは実際の出来事だったようで『紫式部日記』に記述があります。こういう実際のエピソードの使い方がうまい!絶妙です。

賢子はまだ反抗期継続中です。左大臣さまから贈られたお祝いの品はいらない、なんて憎まれ口をききます。

でも賢子も彰子のもとに女房として仕えてから、この家は盛り返していくのですから、やっぱり道長の采配があったのかもしれません。

伊周死す。人を呪わば穴二つとはこのことかも!

そして今週、とうとう伊周死す。退場です。思えば、短い人生でした。中関白家の長男に生まれ、妹の定子は一条帝に入内。順風満帆、我が世の春を謳歌していました。明るい未来を歩むと、伊周だけでなく、周囲も思っていたことでしょう。長徳の変が起こるまでは。

ここから運命の歯車がかみ合わなくなってきます。もがけばもがくほど、間違った方向へと進んでしまいました。あげく毎回、道長や彰子への呪詛、呪詛、呪詛のオンパレード。人を呪わば穴二つ、って子どものころに親から聞かされませんでしたか? 人を呪うと、自分に還ってきてしまうという言い伝えです。

伊周を演じた三浦翔平さんは、迫力ある呪詛シーンのために、本当の呪文を覚えて唱えていたところ、指導の先生から「本当の呪文は使わないでいいです」と言われたとか。お芝居とはいえ、本当の呪文を唱えてしまうと災いが起こってしまうからなんだそうです。コワっ。

伊周が身罷る際、道長に頭を下げるくらいなら出家せよ、と息子の道雅に遺言していました。娘たちにも絶対に女房として出仕するなと遺言していたそうです。

伊周の死後、伊周の長女は道長の長男・頼宗の正室になりました。しかし妹の周子は、道長の執拗な働きかけによって、彰子さまの女房に出仕しています。

すごく抵抗したらしいのですが、出仕せざるをえず、自分付の女房を4人も連れて出仕したとか。かわいそうな姫さまです。

次期天皇の座を巡って、ブラック道長が加速

伊周の転落っぷりの派手さはないですが、ブラック道長も徐々にその顔を見せ始めています。まひろと誓ったより良き世のためにという、大志がなくなったわけではないのでしょうが、めでたく彰子さまが敦成親王、敦良親王と続けて出産すると、目の色が変わってきます。

次期東宮(皇太子)は、定子所生で第一皇子の敦康親王ではなく、彰子さまが生んだ敦成親王をと考え始め、定子さま亡き後、藤壺で彰子さまに養育されていた敦康をさっさと元服させ、彰子さまから遠ざけようとするのです。

元服後は御所内ではなく、竹三条宮にお移しせよと道長は命じていましたが、竹三条宮って、敦康親王が生まれ、定子さまが出産して亡くなられた場所ですよ。牛車で門の中に入れなかったと言われるほどの、とても粗末な屋敷だったそうです。そんな場所へ移すなんてひどい!

道長はまひろの物語を読み過ぎのため、彰子さまと敦康親王の関係を、光る君と藤壺の関係に重ね、ちょっと妄想が入ってるのもあり、心配なのです。大げさな、とまひろもあきれていました。

でも実は彰子よりも心配なのは、東宮・居貞親王(のちの三条天皇)に嫁いだ妹の妍子なのでは? そんな描かれ方ですよね。

居貞親王はじぶんより18歳も年上、すでに入内している娍子との間に、四男二女もいました。

妍子的には、かなりご不満な結婚ですが、居貞親王の長男、敦明親王のシュッとした舞姿にときめいていました。遊び好きで短慮な娘・妍子のほうが心配な気配がありますよ。彰子さまと敦成親王よりも、こっちのほうがきな臭いです。

惟規、客死。父よりも姉よりも早く逝ってしまうなんて

そしてとうとう、この日がやってきてしまいました。惟規は急な病を得て、あっけなく亡くなってしまうのです!

思慮深さはないし、姉のまひろほど勉学に秀でているわけではないけれど、明るくて楽しいヤツでした。彼の能天気なまでの楽観性にどれほど為時はじめ、まひろたちは救われてきたことでしょう。

運も上向いてきたところなのに、無念の最期でありました。身近な人の死は辛いものですが、中でも長幼の順番でない死、逆縁はまた趣きが異なります。

逆縁には、自分の身を切られるような痛みがある……。惟規を育てた乳母・いとの慟哭は、まさにそんな感じでした。そして堪えていたまひろの涙にも深い悲しみを感じました。

反抗期絶賛継続中の賢子の目には、感情を露わにして涙する母の姿は、いつもの母とは異なって映っていたようです。これをきっかけに心が寄り添っていけるといいな。

これは私N子の激しい妄想ですが、惟規って為時パパにも、母上のちやはにも似てないと思うのですよね。能天気なまでの楽観性って言えば……宣孝おじさんじゃないですかね???

母娘二代の「宿世」って読みはないでしょうか???と、激しく妄想していました!

もうそろそろクライマックスへと加速がついてきた『光る君へ』。次回も興味津々、わくわくです。

「光る君へ」言いたい放題レヴューとは……

Premium Japan編集部内に文学を愛する者が結成した「Premium Japan文学部」(大げさ)。文学好きにとっては、2024年度の大河ドラマ「光る君へ」はああだこうだ言い合う、恰好の機会となりました。今後も編集部有志が自由にレヴューいたします。編集S氏と編集Nが、史実とドラマの違い、伏線の深読みなどをレビューいたしました!

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