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もう卒業はない。20代をトライアンドエラーで自分らしく生きる

  • 2024.10.19

20代をどう過ごしたいのか聞かれる時、私はちょっと困ってしまう。私は20代の後半だから、20代の初期とは違って面と向かって聞かれることは少なくなったけれど。

それでもその質問を、時々自分自身に問いかけるときもある。あと少しで終わる20代、何をやり残したのか。何がしたいのか。

20代でやりたいことってなんだろう……。ちょっとはっきりとはしない……。

逆に10代の時の自分ってどんな感じだったのだろう。

そんな問いから自分を見つめてみたいと思う。

◎ ◎

私は極めて、当時で言うと平均的な人生だったと思う。小学校から中学への迷いのない進学。当たり前のように通う中学校。もちろん、部活もやって友達との喧嘩もあって、勉強と部活の両立に四苦八苦する。その後は3年経ったら高校受験をする。高校に通ったら大学に進む。

ちゃんと反抗期はあったし、思春期なりの上手くいかなかったほろ苦い思い出もあるけれど。それでも学校に行けなくなった訳じゃないし、めちゃくちゃズバ抜けた何かがあった訳でもない。要は山も谷もそこまで大きくない人生だったのかもしれない。

どこに行くか、何を学ぶか。もちろん、それ自体を自分で選んだ記憶はあったけれど、3年や一定の時間が経ったら受験して進学する。すると勝手に新しい環境に行くことになる。それ自体に疑問を持ったことはなかった。

みんなそうだし、当たり前に期限が迫ってきて、そこに向けて準備する。そもそも準備しないとか、進学しないとか、そんな大きく外れたことをするなんて頭になかった。

世の中で言われる「普通」と呼ばれるレールに、とりあえず問題なく乗ってきたのである。というか、乗れてきちゃったのである(乗れるように何の問題もなく大事に育ててくれた両親にはもちろん感謝である)。

◎ ◎

でも今考えれば、これってなんだか不思議だ。同じ年齢の人間が同じようなタイミングで、人生の大事な決断をしていく。これって10代のうちの特殊な時期だけなのだ。そしてその時間はもう来ない。

でも私たちはどこかで、「普通」と呼ばれるレールが、その後も存在しているかのように感じてしまう。私の中では10代と20代の違いは何となくそこにある気がした。

20代からは自分で全てを決めて、オリジナルな人生を歩んでいく。そしてその決断には嫌でも自分の「個性」が出てくる。ちなみにここで言う「個性」とは、その人のアイデンティティーとその人が積み上げてきた歴史も含むと思っている。

ライフイベントだって、仕事だって何だってそう。転職も昇進も結婚も出産も、みんなタイミングが違う。一緒になる相手も違うし、離婚もするかもしれないし。ずっとシングルかもしれないし、もしかしたら病気だってあるかもしれない。

◎ ◎

そして気付いた。人生のイベントの期限はただ待っても来ないのだと。期限は自分で決めるしか無いのだと。今自分がいるステージはここで正しいのか、決めるのも自分。いつどのタイミングで、どこに行きたいのか決めるのも自分。

逆に立ち止まって考えるのも自分。自分のやることに期限が設定できないのも自分。極端な言い方をしたら、誰とご飯を食べて何をしゃべって何時に帰るかも自分次第。それが理解できるからこそ、自分の人生に責任が伴うし、それを分かっているからこそ重圧も感じる。

でも、自分の「個性」に合わせて決断できる自由もある。ちなみにそれに本当の意味で気付いたのは27歳になったつい最近。自分の「個性」を僻んで自分と他人の人生を比べまくって飽きた先に、何となく分かったのだった。

それでも社会と自分の「個性」が折り合わない現実にぶち当たった時、最初は何だか苦しかった。苦し紛れに想像していた「普通」とは違う道へ踏み出したけれど、その時自分の選択が未来にどう繋がっているか分からないからこその不安も知った。

でも次第に誰かと比べて人生の進捗度合いをあーだこーだ思う気持ちも、ちょっと軽くなった。

◎ ◎

だから思う。20代でやっておきたいのは、自分の「個性」を認めて生き方を決めて、生活の中で様々なトライアンドエラーを繰り返すこと。自分の「個性」を活かせる環境を探す、作る、そしてカスタマイズする。それは家族の中でも、仕事でも、一対一の人間関係やそれ以外のコミュニティを作るのでも同じ。

時には失敗もあって傷つくけど、それでもいい。遠回りになっても、時間がかかってもいい。

ちょっとした人生の重みと責任と、だからこその自由とを天秤にかける毎日はちょっと不安で、ちょっと楽しみ。

あと2年とちょっとで私は何にトライして、何を見つけられるだろうか。

私の「個性」の行き先が楽しみだ。

■千葉ヒナタのプロフィール
ねこさん1匹と人間ひとりと同居中。本と編み物が趣味。最近ダーツにハマり中。

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