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【雅子さま】国民文化祭の装いに表れるお人柄とそのポイントとは? 過去のファッションをプレイバック!

  • 2024.10.19
2023年10月15日、国民文化祭開会式に出席された雅子さま。(C)JMPA

今上天皇が、第一回から毎年出席されている「国民文化祭」。47都道府県、全国から様々な団体が集結し、演劇、吹奏楽、美術作品などを発表する文化の祭典であり、天皇皇后両陛下の地方を訪問する式典・四大行幸啓の1つとなっています。元々、三大行幸啓(全国植樹祭、国民体育大会、全国豊かな海づくり大会)だったものに、令和になって国民文化祭が加わったという過程があるほど、今上天皇が大切にされている式典で、地方の人々と触れ合える貴重な機会となっています。

秋も深まり、全国の学校で文化祭が開催されるこのシーズン。雅子さまの国民文化祭ご訪問時の装いについて、放送作家・皇室ライターのつげのり子さんにお話を伺いました。

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開会式では、開催地にゆかりのある「色」や「柄」がポイント

2023年10月、金沢で行われた第38回国民文化祭、第23回全国障害者芸術・文化祭の開会式にて。金沢は、国産金箔生産の99%を占める生産地。天皇陛下はゴールドのネクタイを、雅子さまは天皇陛下のネクタイの色にリンクするようなゴールドに近いイエローのスーツの装いを。雅子さまは、くるみボタン、パールのイヤリング、パールのネックレスと白いボール状のフォルムのあしらいで統一されていますが、実は天皇陛下のネクタイもドット柄です。(C)JMPA
2022年10月、第37回国民文化祭、第22回全国障害者芸術・文化祭の開会式にて。コロナ以来、初のご臨席となった沖縄での開会式。1997年まだ皇太子殿下だった頃にご夫妻で沖縄に訪問された際、天皇陛下が沖縄県八重島諸島の八重山ミンサー織のネクタイをお召しになられていたのですが、今回の開会式でも同じものを選ばれています。雅子さまも、カラーリンクされた若草色のスーツを。微光沢で、衿にはコード刺繍がさり気なくあしらわれたデザインが、雅子さまの華やかな雰囲気をより一層引き立てています。(C)時事
2018年10月、第33回国民文化祭、第18回全国障害者芸術・文化祭の開会式にて。体調を崩されてからしばらくご公務を欠席されていた雅子さま。メッセージ性を考えたご公務の着こなしの用意には精神力と体力も必要。この頃は、色味をおさえたシックなトーンのお召し物が多かったのが印象的です。タイトスカートにバイカラーのパンプスを選ばれ、ベージュピンクを知的に見せる着こなしに雅子さまらしさを感じます。(C)時事
2017年9月、第32回国民文化祭、第17回全国障害者芸術・文化祭の開会式にて。この年の開催地は奈良。雅子さまはうぐいす色のスーツをお召しになっていますが、うぐいすが生息する奈良山に想いを馳せて選ばれたのかもしれません。ノーカラーのジャケットとデザインはシンプルですが、ジャケットの素材はツイード、中にお召しになられているワンピースは光沢素材と、同系色の異素材を重ねることで着こなしの奥行きをだされた、洗練された着こなしです。(C)時事

「『国民文化祭』は天皇皇后両陛下が特別な思い入れをお持ちの行事。雅子さまは体調を崩されてから参加されていない時期もありましたが、天皇陛下は第一回から毎年参加されています。開催地は、その年によって変わるのですが、国民と寄り添われているというメッセージ性を感じさせる、開催地にゆかりのある色や柄のお召し物を選ばれているのが印象的です」(つげさん、以下同)

開会式後のご鑑賞は「動きやすさ」も加えて、さらに国民に寄り添われたファッション

2023年10月、第38回国民文化祭、第23回全国障害者芸術・文化祭のための石川県行幸啓にて。石川県立図書館では高校生とプロの声優の朗読劇練習風景、石川県立音楽堂では障害者の作品展を鑑賞された両陛下。動きやすいパンツスーツでご出席された雅子さま。ピンクベージュのテーラードのジャケットにパンツといったマニッシュなスーツに、中にお召しになったボウタイブラウスで柔らかさをプラスされていました。作品展ではカラフルな展示が多く、作品の邪魔をしない、会場の雰囲気になじむシックなお色を選ばれたのかもしれません。(C)JMPA
2022年10月、第37回国民文化祭、第22回全国障害者芸術・文化祭のための沖縄県行幸啓にて。沖縄の伝統工芸の織物を模した柄や、沖縄県産の動植物の柄がほどこされた「かりゆし」。「おきなわ工芸の杜」をご訪問された際、天皇陛下はかりゆしのシャツを、雅子さまはかりゆしのワンピースをお召しになっていました。よく見ると、ご夫妻でグリーンを基調にした柄を纏われており、さり気ないリンクコーディネートに。甘く子供っぽくなりがちな小花柄を、ネイビーのジャケットとクラッチバッグで知的な雰囲気にまとめた、雅子さまらしい着こなしです。(C)JMPA
2019年9月、第34回国民文化祭、第19回全国障害者芸術・文化祭のための新潟県行幸啓にて。「新潟ふれ愛プラザ」のリハビリ・トレーニングセンターをご訪問された両陛下。雅子さまには珍しい、ドット柄のワンピースにジャケットを合わせた着こなし。白いドットに大きめのパールのジュエリー、白いジャケットで。また、バッグはかねてからご愛用されているモノトーンのバイカラーのクラッチ、足元も同じくモノトーンのバイカラーのパンプスを選ばれ、柄ものを主役にしながら全体の統一感を意識されたテクニックが光る着こなしです。(C)JMPA
2017年9月、第32回国民文化祭、第17回全国障害者芸術・文化祭のための奈良行幸啓にて。ご公務では、小さめのクラッチバッグか、ワンハンドルのバッグを持たれることが多い雅子さま。この日は、新鮮なエスニック調のバッグを持たれ、シンプルなスーツスタイルのアクセントに。車いすダンスパフォーマンスを鑑賞されているので、ダンサー達のきらびやかな衣裳にリンクするようなバッグを選ばれたのかもしれません。こちらも珍しいフラワーモチーフのイヤリングが可憐に映えています。(C)時事

「国民に心から寄り添いたい、多くの国民と触れ合いたい、と常に思われている天皇皇后両陛下。そのお気持ちは、ご公務での装いにも表れています。開会式後の文化祭のご鑑賞は、動きやすいパンツスーツや、両陛下と接する人々が気後れしないややカジュアルなスタイリングを選ばれることも。全国の国民と接点をもつことができる貴重な機会を、両陛下が大切にされていることを痛感します」

教えてくれたのは…
放送作家・皇室ライター
つげ のり子さん

テレビ東京系『皇室の窓』の放送作家。2001年の愛子さまご誕生以来、皇室番組の構成を担当し、皇室研究をライフワークとしている。ワイドショーから政治経済番組、ラジオまで様々な番組の構成を手掛け、現在は西武文理大学非常勤講師も務める。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)『素顔の雅子さま』『素顔の美智子さま』(ともに河出書房新社)などがある。

取材/味澤彩子

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