1. トップ
  2. 恋愛
  3. 「給食は残さない」は不適切保育!「私が子どもの時と違う⋯⋯」令和の保育園はここが変わった

「給食は残さない」は不適切保育!「私が子どもの時と違う⋯⋯」令和の保育園はここが変わった

  • 2024.10.19

こんにちは! 現役保育士のはるです。今年の夏も暑くて水遊びがなかなかできなかったな……どろんこ遊びやったっけ……?と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。水遊びとはいえ、戸外に出るときは「WBGT(暑さ指数)」を確認し、熱中症の危険がある場合は活動を見合わせたり、戸外での活動を制限したりと、園でルールを決めて過ごしています。そんな「私が子どもだった時はなかったのに」と、親世代の時にはなかった、令和の保育園はここが違う!をまとめてみました。保育園でのなぜ?が解決できれば嬉しいです。

保育園の行事が減った!?

新型コロナウィルスの影響で、保育園の行事が減ったのではないか……と感じている方もいらっしゃるかと思います。実際、緊急事態宣言が発令されていた時は行事の縮小を余儀なくされましたが、現在は元に戻っているという園もあるかと思います。とはいえ、以前はやっていたのに縮小されたままの行事、なくなった行事があるという園があるのも事実。保育士が楽をしたいから?と思われるかもしれませんが、行事の縮小には理由があります。

「やらせる」保育から「やりたい」保育へ

2018年に保育所保育指針が改訂され、主体性保育という言葉が初めて盛り込まれました。主体性保育という言葉だけは聞いたことがある……という保護者の方もいらっしゃるかもしれません。それまで子どもに「やらせる」保育であった一斉保育ではなく、子どもたちが「やりたい」保育へ変化しています。実際10年以上保育現場にいますが、新卒の時の保育とは変わったなと実感することも多々。「子ども主体の保育」とは、子どもが自分でやりたいことを見つけて、方法を考えて達成していくこと、その自主性や主体性を園で育てていくことを目指しています。

主体性保育の行事とは

主体性保育をとりいれるということにより、子どもたちが練習して「誰かにみせる」運動会や発表会ではなく、日常生活の延長で子どもたちの成長・発達が感じられる機会にしていく取り組みが多くみられるようになりました。例えば私が以前働いていた園では年長児の種目を子どもたちが話し合って決め、ダンスの曲だけではなく、振り付けやポーズ、隊形移動まで全てを子どもたちが相談して決めていき、保育士は困った時だけアドバイスする方法をとりました。途中で話し合いが白熱して言い合いになったり、なかなか発言できない子がいたり。そんな子どもたちの姿を見守る中で、誰かが「Aちゃんはどう思うの?」と声をかけてくれたり、「Bちゃんが好きなキャラクターのポーズいれてみようよ!」といったやり取りがうまれました。運動会当日、終わった時の「やり切った」という子どもたちの表情に、涙したのは親だけではありませんでした。その日私は司会進行を任されていましたが、あまりにも感動で泣きすぎてその後の司会はグダグダでした……。保育士が決めた目標や完成形に向かって練習させるのではなく、子どもたち自身が決めた目標に向かって子どもが主体的に練習していくように働きかける、それが子ども主体の運動会のあり方だと思います。

本当に必要な行事とは

保護者の方の0歳や1歳のかわいらしい姿を運動会、発表会で見たいという思いもとてもよくわかります。とはいえ、子どもにしてみれば、知らない環境で、知らない大人の前で、いつもと違うことをするということに不安を覚える子もいれば、泣く子もいるかと思います。実際に我が子が0歳の時の運動会は、ただただ泣いているだけでした。子どもが泣いている行事って、本当に必要な行事なのでしょうか。乳児クラスの行事の必要性や、夏祭りといった行事に保護者が参加するか否か。誕生会を月毎に行うのか誕生日を重視してクラスで行うのか。そういったひとつひとつの行事を見直して保育士が話し合い、ねらいを定めている最中の園もまだまだ多いかと思います。保護者にしてみれば「行事が減ってしまった」「やっていることが物足りない」と感じるかもしれませんが、保育園側が楽をしたいからではなく、子どものためを考えた結果であることを知ってほしいなと思いますし、保育園側もしっかり保護者に説明する必要があるなと思っています。

給食のルールが変わった!?

自分たちが子どもの時は、給食は残してはいけません。苦手な野菜も一口は食べましょう。牛乳は飲み干してください。と言われた記憶がありませんか?食べ終わるまで居残りなんていう小学生時代もあったのではないでしょうか。私が新卒で保育園に勤めた時も、先輩保育士から「ご飯は完食を目指してほしい」「一口でも食べないとダメ」「デザートは全部食べてから」というルールを教え込まれました。そんなルール、今行えばもちろん不適切保育。子どもを取り巻く給食のルールも変化しています。

保育園の『食』の在り方

不適切保育として、給食を完食させるために園児に食べ物を強制的に口に押し込む、食べ終わるまで遊ばせないというニュースを見たという人も多いかと思います。「楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~」 が平成16年に公表され、「現在をもっともよく生き、かつ生涯にわたって健康で質の高い生活を送る基本 としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うこと」が保育所の食育の目標とされました。その中で、期待する子ども像として5つがあげられています。・「お腹がすくリズムのもてる子ども」・「食べたいもの、 好きなものが増える子ども」・「一緒に食べたい人がいる子ども」・「食事作り、準備に関わる子 ども」・「食べ物を話題にする子ども」「食べることって楽しい!」と思えることが最終的な目標であり保育園給食の大きな役割です。子どもが食べることを強要される、無言で食べる……といった給食環境はもう過去の話なんですよね。

男女の意識が変わった!?

「男の子先にどうぞ」「女の子次トイレ行ってきてね」なんて、10年前の保育では当たり前のように使われていました。背の順に並ぶ時なども、男の子の列、女の子の列に分けていたこともあります。そんな「男女」という区別も、ここ10年で変化しています。

男の子、女の子は使わない

「男の子どうぞ、女の子どうぞ」の分け方はなくなり、保育所保育指針にも、「子どもの性差や個人差にも留意しつつ、性別などによる固定的な意識を植え付けることがないようにすること」と定められています。「男の子だからブロックで遊びなさい」「女の子らしく座ったら?」「ピンクは女の子の色だよ」なんていう言葉も、聞かれなくなりました。・男女での呼び方の統一(さんやちゃん付け、呼び捨てなど)・遊びや発表会も男女区別なく行う・子どもに使うマークへの配慮(女の子向けにピンクのうさぎ、男の子向けに電車やカブトムシなどのマークにせず、魚や果物といった男女関係なく使えるマークを採用)といった配慮がされている園も増えたかと思います。

『性教育』として

ジェンダーフリーとして男女別にならないような取り組みを行う一方で、性教育として男女合同の着替えをやめたり、今まで男女共用だった幼児トイレを男女別にしたという保育園も存在します。実際に今まで働いていた園でも、プール活動の際は男子と女子で時間を分けて着替えるようにしていましたし、水遊びが始まる前には、看護師や保育士が子どもに「プライベートゾーン」について伝える時間を設けていました。一方でこうした男女別の取り組みを「ジェンダーフリーに配慮していない」と指摘されたということもありますし、男性保育士のオムツ替えの賛否など、社会全体で考えていくべき問題なのではないかなと感じています。子どもが自分の力を信じて、自分のしたいことをして生きていけることが一番。そのために保育園も社会も変化してきました。子育てが時代に合わせて変わっていくように、保育も時代に合わせて変化していきます。上の子の時はこんな事なかったけど、「なぜ?」「どうして?」と気になる事があれば、ぜひ保育園にも確認してみてくださいね。

こちらの記事もおすすめ

Instagram:はる(@hr_hoiku)

Blog:保育士ママのリアルな毎日

元記事で読む
の記事をもっとみる