1. トップ
  2. ファッション
  3. 50歳、ふかわりょうが何やらザワザワしているらしい。「共感」を除き「共有」を差し出すネタ作りとは

50歳、ふかわりょうが何やらザワザワしているらしい。「共感」を除き「共有」を差し出すネタ作りとは

  • 2024.10.20
ふかわりょう

「もともとテレビの世界に飛び込みたいという思いが強く、わりと早めにお笑いライブから離れてしまったことに対してどこか後ろめたさがあったんです。現在は、キャパ100人規模のライブに出て新ネタを披露してます」

ふかわのネタといえば、長髪に白いターバン、ダンスミュージックに乗せて腰に手を当て“あるあるネタ”をつぶやく「小心者克服講座」が世間の脚光を浴びるきっかけにもなったが「今は主にコント的なものをやっています。お笑いと向き合うことは僕にとってあんまり“原点に戻る”という感じじゃなくて。30年を経た今、僕が面白いと思うものを板の上で表現するという感覚で、20歳の頃にやっていたネタ作りとは違う作業というか。価値観とか表現したいこともその頃とは変わってきていますし。偶然ですけど、帯のMC番組が終わったり、内村(光良)さんの還暦祝いで『内村プロデュース』が一夜限りで復活したり。いろいろな風が吹いている中で覚悟のようなものが生まれた瞬間があったんですよね、大海原に向けて帆を立てる覚悟。だからネタに関しては、いろいろな形を試しているところです」

新たな挑戦に対する世間からの声も、“ふかわ節”でふわりとかわす。

「僕、ネットのコメントとかでよく“こいつの面白さがわからない”みたいなことを書かれるんですよ。ただ、それを見るたびに“わかられてたまるか、わかられたら終わりなんだよ”って思っていて」。

表現者でありながら「理解されたら終わり」と語る、ある種のアンビバレントさにはこんな分析が飛び出す。

「これってわりと大事なことで、“わかってほしい”んだけど、それは僕の世界を“共有”したいんであって“共感”してほしいわけではないんです。あるあるネタと言われてきた僕のネタも、自分としてはあくまで世界を共有している感覚で、はなから共感は求めてない。自分自身も何かに触れる時、わかるわかる!で終わるんじゃなくて、“突き放されることが気持ち良い”っていう感覚を大切にしているから」

そんなふかわに、これまでの芸能生活を振り返った時、自分を褒めてあげたいと思えるか?と尋ねると。

「自分を褒めたいみたいなものはないですね。今日はおいしいお酒が飲めそうだ、ぐらいのもので。僕ってたぶん、妙にドライなところがあるんですよ。共演者の方にもよく指摘されるんですけど。ものすごく冷静な側面がある。なんていうか、“卒業式は予行演習の時からものすごい泣くんだけど同窓会には一切行かない”みたいな(笑)。でもそれって全然他人に迷惑かけてないじゃないですか。陽性のおかしさ、マイルドな狂気というか。これから作るネタにも、そういうアンバランスな感じの要素が入れられたら面白いかなと思いますね」

ふかわりょう

ふかわりょう30年の歩み

1994

デビュー 「小心者克服講座」で脚光を浴び、“シュールの貴公子”としてアイドル的人気を博す。

1999

『休んだ日に席がえ?!』をはじめ『ひとんちで充電すんなよ!!』(2001年)、『小野妹子は男?!』(02年)など立て続けに“一言ネタ本”を発表。

2000

『内村プロデュース』レギュラー出演。いじられキャラとして開花。非シュール芸の数々でお茶の間を沸かす。

2012

『5時に夢中!』のMCに就任、以後2021年までコメンテーターや多くのゲストをさばく帯番組のMCに。

2020

著書『世の中と足並みがそろわない』(新潮社)が話題に。

2024

50歳の誕生日に2025年の『R−1グランプリ』へ出場を表明。

profile

ふかわりょう

1974年神奈川県生まれ。20歳の時に長髪に白いヘアターバン姿で「あるあるネタ」を披露し一躍ブレイク。その後はMCやラジオDJ、ROCKETMAN名義による音楽活動など多岐にわたり活躍。人気YouTuber〈ばんばんざい〉の流那とコラボした配信楽曲「どうにかなりそう feat.流那」が配信中。

元記事で読む
の記事をもっとみる