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感度の高い店を求めて、スコットランドのストックブリッジへ。

  • 2024.10.20

なだらかな緑の丘で草を食む羊たち、時折現れる荒々しい岩山。スコットランド中央部にあるハイランド地方への入口では、自然の恵みとともに人々が暮らし、手づくりの愛らしいものがあふれている。世界遺産の首都エディンバラから小さな町や村へ。さまざまな"可愛い"を探しに出かけよう。

Edinburghエディンバラ

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セントステファン劇場の時計塔を望む、かつて馬小屋が並んでいたサーカスレーン。

聳え立つ岩山のような旧市街。スコットランドの首都エディンバラは、火山の噴火と隆起によってできた自然の要塞に城が建てられ、幾多の争いの場となった歴史を持つ。独特の景観に圧倒されながら、中世の面影を残す石畳を歩き始めると、どこからかバグパイプの伸びやかな音色が聞こえてくる。音に誘われて辿り着いたのは、エディンバラ城へと続くロイヤルマイル。観光客で賑やかだ。

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新市街からストックブリッジへ抜けるサーカスプレイス沿いにはカフェが連なる。
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エディンバラ・ウェイバリー駅の上にあるノースブリッジから望む旧市街。
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ストックブリッジに残る生鮮食品を扱う市場の入口だったという石のアーチ。

ここから小道を抜けて坂を下ると、ラグジュアリーブランドのショップやリュクスなホテル、話題のレストランで賑わう新市街が広がる。でも、今日の目的地は北西に流れるリース川沿いの住宅街。1801年に架けられた橋の名を由来にしたストックブリッジは、小さくてセンスのいい店が集まると評判で、土曜日にはマーケットが開かれハンドメイド製品が並び、クリエイティブなライフスタイルを楽しむ、感度の高い人が訪れる人気のエリアだ。直線的で左右対称のジョージアン様式の建物が立ち並ぶ中を散策すると、個性豊かなウィンドウが現れる。美しい生活雑貨を眺めたり、焼きたての香り漂うベーカリーに並んだり。物語が詰まった書店で特別な一冊を探すのもいい。住人と同じゆったりとしたペースで、気になる店の扉を開けてみよう。

静謐な雰囲気が漂う、ライフスタイルショップ。

Edinburgh Mercantile
エディンバラ・メルカンティル

センスのいい文房具が飾られたウィンドウに惹かれて立ち寄った店。美しい佇まいの日用品が、落ち着きのあるモスグリーンの空間に置かれ、色のトーンの揃え方や端正な食卓のセッティングなどはインテリアの参考になるほど素敵だ。旅好きなエディンバラ出身の妻ロズリンとロンドン育ちの夫デイヴィッドのふたりが、2020年にオープンしたライフスタイルショップには、ハンドクラフトのブラシやグラス、キャンドルにソックスなど実用的なアイテムが世界中からセレクトされている。

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穏やかな夫婦とレジ横で静かに客を迎える愛犬スカウトに、また会いに来たくなる。
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国産の蜜蝋のキャンドルは9ポンド〜、リネンのバッグは89ポンド
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装飾が見事なウェールズのアンティークのドレッサーを什器として使用。テーブルの平皿は24ポンド〜

Edinburgh Mercantile
エディンバラ・メルカンティル
18 North West Circus Place, Edinburgh, EH3 6SX
01312-256693
S)EDINBURGH WAVERLEY
営)11:00〜17:00(火〜土)11:00〜15:00(日)
休)月https://edinburghmercantile.com/

ポップで愛らしい、新たなタータンチェック。

Tbco.
ティービーコー

ファッションブランドでバイイングをしていたエディンバラ出身のデザイナー、エマ・マクドナルドが、2014年にロンドンから故郷に戻り、スコットランドの伝統的なタータンブランケットをモダンで持続可能な方法で作りたいと立ち上げた。環境や社会に配慮する企業に与えられるBコーポレーション認証を取得。オフィスや撮影スタジオ、ストックルームも兼ねたショップでは、リサイクルウールのブランケットやパジャマがおしゃれな人の間で大人気。ぜひチェックして。

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新作のスカーフを巻いたエマ。
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昨年から発売しているテーブルウェアのコレクションは、ポップなデザインが人気。格子のテーブルクロス39ポンド
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倉庫のように広い店内。家具はすべて夫ファーガスの手づくり。ミシンでイニシャルなどの刺繍サービスもしてくれる。

Tbco.
ティービーコー
170B Great Junction Street, Edinburgh, EH6 5LJ
01315-169229
S)EDINBURGH WAVERLEYから車で約8分
営)10:00〜18:00
休)日
https://www.tartanblanketco.com/

オレンジのロゴが目印、新鮮食材のジェラート屋。

Joelato
ジョラート

オーナー夫妻が休暇先で食べた思い出に残るジェラートを提供したいと、2019年に屋台からスタート。21年に店舗を構え、昨年2号店をストックブリッジにオープンした。牛乳やイチゴ、ラズベリー、カシス、ブラックベリーなどできるだけ地元の新鮮な食材を使用し、人工香料は使わず無着色で手づくりにこだわる。亡き息子に捧げた、塩ハチミツとハチの巣のジェラート「Ferdi's Flavour」はベストセラー。

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約12種のフレーバーが並ぶ。
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人気の塩漬けピスタチオ(上)と、絶妙な酸味のマスカルポーネラズベリー(下)をダブルで。 「Salted Pistachio & Mascarpone Raspberry Pipple Double」 4.50ポンド

Joelato
ジョラート
31 North West Circus Place, Edinburgh, EH3 6TP
S)EDINBURGH WAVERLEY
営)12:00〜18:00
休)月
https://joelato.co.uk/

地元っ子で大賑い、絶品ベーカリー。

Lannan Bakery
ラナン・ベーカリー

ゲール語で「家」を意味するヴィエノワズリー専門店。古代小麦の一種のスペルトや全粒粉、ソバ粉などをパン職人が使い分け、カスタードクリームやカルダモンを使ったスイーツ系から、ハムやチーズの総菜パンまで種類を豊富に焼き上げる。シグニチャーはクロワッサンだが何を選んでも絶品、と開店前から地元っ子が行列。午後には売り切れ必至、早い時間を狙いたい。

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ヴィエノワズリーは約10種が並ぶ。
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A3サイズより大きなロゴ入りトートバッグ30ポンド
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左から、レモンの葉のオイルがすっきりとしたアクセントの「Lemon Tart」5ポンド、ザクザクとした食感がたまらないバターたっぷりの「Croissant」 3.50ポンド、「White Coffee」3.60ポンド

Lannan Bakery
ラナン・ベーカリー
29-35 Hamilton Place, Edinburgh, EH3 5BA
S)EDINBURGH WAVERLEY
営)8:00〜16:00(木〜土)8:00〜14:00(日)
休)月〜水
@lannanbakery

子どもも大人も、ジャケ買いが楽しい書店。

Golden Hare Books
ゴールデン・ヘアー・ブックス

ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館の元館長でナイトの勲章を持つマーク・ジョーンズ卿がオープン。小さな店なのであえて著名な作家の本は置かない主義、カバーのデザインでセレクトするという。独立系出版社の小説や翻訳小説を多く扱い、アートやデザインに関する本や児童書も人気だ。定期的に読書会や作家を招いた交流イベントを開催している。

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手書きの紹介文を添えて、中身がわからないよう包んで販売する、遊び心あふれるシークレットブック10.5ポンド〜
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椅子や立ち読みしやすいカウンターでゆっくり選べる。飾りたくなる本がずらり。子ども向けのエリアも。
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壁に描かれたカリグラフィは、インテリアの主役。

Golden Hare Books
ゴールデン・ヘアー・ブックス
68 Saint Stephen Street, Edinburgh, EH3 5AQ
01312-257755
S)EDINBURGH WAVERLEY
営)10:00〜18:00
休)1/1、12/25、26
https://goldenharebooks.com/

街散策に便利な場所で、暮らすように滞在。

Edinburgh Castle Apartments & Suites
エディンバラ・キャッスル・アパートメント & スイート

リュクスな店や旬のレストランが並ぶ新市街にあり、ストックブリッジにも旧市街へも徒歩で出やすく、買い物や街歩きなど観光の拠点に最適な立地のアパートメントホテル。室内は白とグレーを基調としたフレンチシックな雰囲気で、広いキッチンがうれしい。エディンバラから近郊へ日帰り旅をしたり、自宅のように寛ぎながら長期滞在したい人におすすめ。

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東に面した大きな窓が魅力の最上階の10号室。
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カトラリーはもちろん、レンジやトースターも揃う。明るい窓辺での朝食が気持ちいい。ソファはダブルベッドにもなるので1ベッドルームでも4人まで泊まれる。アメニティは持参を。

Edinburgh Castle Apartments & Suites
エディンバラ・キャッスル・アパートメント & スイート
28 Castle Street, Edinburgh, EH2 3HT
01312-256964
S)EDINBURGH WAVERLEY
全13室 全室シャワーのみ
スタジオ120ポンド〜、1ベッドルーム200ポンド〜、2ベッドルーム300ポンド
https://www.edinburghcastleapartments.com/

隠れ家のような建物でいただく、スコティッシュ料理。

The Secret Garden
ザ・シークレット・ガーデン

エジンバラ城に続く石畳のロイヤルマイルを登ると、城の手前に16世紀に建てられた石造の建物にブティックホテル、ザ・ウィッチェリーがある。ここに併設されたレストランは、ゴシック調の内装も料理もクラシカル。中部パースシャーや地元のジビエが揃うほか、新鮮なシーフードも人気。ランチコースは前菜とメインの2品で34.50ポンド〜

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通りからポーチを抜けた先にレストランの入り口がある。
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バターソテーした肉厚のカレイにロブスターのクリームソースとレモン汁を。あっさり優しい味。「Grilled lemon sole with Anstruther lobster, cucumber and beurre blanc」50ポンド、白ワイン「Château Billot」グラス9.25ポンド

The Secret Garden
ザ・シークレット・ガーデン
The Witchery by the Castle, 352 Castlehill, The Royal Mile, Edinburgh, EH1 2NF
S)EDINBURGH WAVERLEY
営)12:00〜22:30L.O.
無休 要予約
https://www.thewitchery.com/

英国王も愛する、 タイムレスなニットを探して。

Johnstons of Elgin
ジョンストンズ・オブ・エルガン

1797年、北海に面したエルガンで創業し、南部のホーイックにも自社工場を持つ、英国最大のニットウエアブランドのひとつ。新市街の一角にある旗艦店内は、古くから織物の工程で使われていたティーゼルを飾り、創業地の自然の温もりとインダストリアルなデザインが共存する内装。定番品から季節ごとの最新作まで、高品質のカシミアが四季に合わせて揃うのも素晴らしい。11月よりロンドンのハロッズでも展開する予定。

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1階にレディスとホーム、2階はメンズの商品をラインナップ。極上の触り心地を体験して!
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柔らかなリブ編みのカシミアソックス各86.25ポンド
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スコットランドの苔や白樺が生い茂る風景に着想を得た、2024年秋冬コレクションより。 ゆったりした袖口でレイヤードしやすいアランケーブルニット495ポンド
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オリーブ&ダークネイビーが湿原の苔を連想させる。凹凸のある手触りのブラッシュカシミアブークレストール546.25ポンド、帽子195ポンド
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秋の新作、三角形のカシミアタイは小ぶりなサイズが魅力。各104.17ポンド
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愛らしいスコティッシュテリアのドアストッパー各95ポンド

Johnstons of Elgin
ジョンストンズ・オブ・エルガン
11 Multrees Walk, Edinburgh, EH1 3DQ
01313-706610
S)EDINBURGH WAVERLEY
営)10:00〜18:00(月〜土)11:00〜17:00(日)
無休
https://discover.johnstonsofelgin.com/visit-us/edinburgh/

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●1ポンド=約195円(2024年10月現在)
●日本から電話をかける場合、イギリスの国番号44の後、市外局番の最初の0を取ります。現地では掲載表記どおりかけてください。
●ホテルの宿泊料金は曜日や季節により異なる場合があります。
●各紹介アドレスのデータ部分の(S)は鉄道の駅を示しています。
●掲載店の営業時間、定休日、商品、料理、サービスの価格などは、取材時から変更になる可能性があります。特に年末年始は休業や営業時間が変更になる可能性があります。ご了承ください。

 

*「フィガロジャポン」2024年11月号より抜粋

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