1. トップ
  2. 「第37回東京国際映画祭」の見どころは?オープニング&クロージングやコンペティションなど各部門の注目作をピックアップ

「第37回東京国際映画祭」の見どころは?オープニング&クロージングやコンペティションなど各部門の注目作をピックアップ

  • 2024.10.18

今年は10月28日(月)から11月6日(水)にかけて、日比谷・有楽町・銀座エリアで開催される第37回東京国際映画祭(TIFF)。世界中の映画が一堂に会する今年のTIFFでは、話題の最新映画から、海外の映画祭を沸かせた名匠の最新作、さらには新たな才能が生みだした良質な一本まで、共催企画を含め古今東西150本以上の映画が上映される。そこで本稿では、ぜひとも押さえておきたい注目作品を紹介していこう!

【写真を見る】オスカー受賞作の続編がアジア初お披露目!豪華キャスト陣の来日も

オープニング&クロージングに加え、TIFF初の「センターピース上映」も!

オープニングを飾るのは、白石和彌監督の『十一人の賊軍』 [c]2024「十一人の賊軍」製作委員会
オープニングを飾るのは、白石和彌監督の『十一人の賊軍』 [c]2024「十一人の賊軍」製作委員会

まずは今年の顔となる、オープニング&クロージング作品から。オープニングを飾るのは、「孤狼の血」シリーズなどで知られる白石和彌監督の最新作『十一人の賊軍』(11月1日公開)。「日本侠客伝」シリーズや「仁義なき戦い」シリーズの脚本家である故・笠原和夫が遺したプロットを、山田孝之と仲野太賀のダブル主演で実現した同作は、息つく暇もない躍動感に満ちた集団抗争時代劇となっている。

また映画祭の締めくくりを飾るクロージング作品は、フランスの名匠クリストフ・オノレ監督が、今年で生誕100周年を迎えるマルチェロ・マストロヤンニにオマージュを捧げた『マルチェロ・ミオ』(公開未定)。今年のTIFFの「コンペティション」部門で審査委員を務めるキアラ・マストロヤンニや大女優カトリーヌ・ドヌーヴらスター俳優が実名で登場し、第77回カンヌ国際映画祭で話題を集めた同作が、日本初上陸を果たす。

【写真を見る】オスカー受賞作の続編がアジア初お披露目!豪華キャスト陣の来日も [c]2024 PARAMOUNT PICTURES.
【写真を見る】オスカー受賞作の続編がアジア初お披露目!豪華キャスト陣の来日も [c]2024 PARAMOUNT PICTURES.

さらにTIFF初の「センターピース作品」として緊急特別招待が決定したのは、第73回アカデミー賞で作品賞に輝いた『グラディエーター』(00)の続編となる、リドリー・スコット監督の最新作『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(11月15日公開)。アジア圏で最初の上映となる今回のTIFFには、主演のポール・メスカルやオスカー俳優、デンゼル・ワシントンらキャスト&プロデューサー陣が来日。映画祭をより一層華々しく盛り上げてくれること間違いなしだ。

ジェシー・アイゼンバーグ監督&主演の『リアル・ペイン〜心の旅〜』もひと足先に鑑賞できるチャンス [c]2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved
ジェシー・アイゼンバーグ監督&主演の『リアル・ペイン〜心の旅〜』もひと足先に鑑賞できるチャンス [c]2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved

ほかにも日本公開前の最新作をプレミア上映する「ガラ・セレクション」部門では、国内外の話題作・注目作13本がラインナップ。映画賞シーズンを沸かせるサーチライト・ピクチャーズの作品が、TIFFで日本初お披露目となるのはすっかりおなじみの流れ。今年はマリエル・ヘラー監督がエイミー・アダムスを主演に迎えた『ナイトビッチ』(公開未定)と、ジェシー・アイゼンバーグが監督&主演を務めた『リアル・ペイン~心の旅~』(2025年1月31日公開)の2作が上映される。

日本映画からも、いまや国内外で愛される深夜ドラマ初の劇場版となる『劇映画 孤独のグルメ』(2025年1月10日公開)のジャパンプレミアや、菅田将暉と岸善幸監督、脚本家の宮藤官九郎がタッグを組んだ『サンセット・サンライズ』(2025年1月17日公開)、そして松坂桃李と芳根京子、役所広司共演の時代劇『雪の花 ―ともに在りて―』(2025年1月24日公開)のワールドプレミアが控えている。

小泉堯史監督の最新作『雪の花 ―ともに在りて―』はワールドプレミア上映 [c]2025映画「雪の花」製作委員会
小泉堯史監督の最新作『雪の花 ―ともに在りて―』はワールドプレミア上映 [c]2025映画「雪の花」製作委員会

各部門に注目作が目白押し!

映画祭の花形ともいえる「コンペティション」部門は、110の国と地域から集められた2023本のなかから厳正な審査を経て選び抜かれた15本が上映。香港を代表する名優トニー・レオンを筆頭に、橋本愛とキアラ・マストロヤンニ、映画監督のエニェディ・イルディコー、ジョニー・トーの審査委員団が審査を行ない、「東京グランプリ」など各賞を決定する。

コンペティション部門で上映される片山慎三監督の『雨の中の慾情』 [c]2024 「雨の中の慾情」製作委員会
コンペティション部門で上映される片山慎三監督の『雨の中の慾情』 [c]2024 「雨の中の慾情」製作委員会

日本映画からは3作品がラインナップされており、いずれも今回のTIFFがワールドプレミア上映。片山慎三監督が成田凌を主演に迎え、つげ義春の同名短編を映画化した『雨の中の慾情』(11月29日公開)、大九明子監督がジャルジャルの福徳秀介のデビュー小説を映画化した『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(2025年4月公開)、吉田大八監督が筒井康隆の同名小説を映画化した『敵』(2025年1月17日公開)。

ほかにも『台北暮色』(17)のホアン・シー監督の新作『娘の娘』や、『イエローキャット』(20)を手掛けたカザフスタンの俊英アディルハン・イェルジャノフ監督の新作『士官候補生』など、映画祭でいち早く観ておきたい注目作品がラインナップ。是非とも掘り出しものの作品を見つけ、観客賞の投票にも参加してほしい。

「第2回日本ホラー映画大賞」受賞作を長編化した『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』 [c]2024 「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会
「第2回日本ホラー映画大賞」受賞作を長編化した『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』 [c]2024 「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

アジアのフレッシュな監督たちの作品を紹介する「アジアの未来」部門の上映作品10本は、すべてがワールドプレミア上映。なかでも注目は、「第2回日本ホラー映画大賞」受賞作を受賞監督である近藤亮太監督が自ら長編リメイクした『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』(2025年1月24日公開)。“Jホラーの正統派継承者”とも謳われる近藤監督の長編監督デビュー作を、いち早く目撃できるチャンスとなっている。

海外の映画祭を沸かせた作品を数多く取り上げ、現在の世界における映画界の潮流を示す「ワールド・フォーカス」部門の目玉は、先ごろ行われた第81回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いたペドロ・アルモドバル監督の『The Room Next Door』。ほかにもナンニ・モレッティ監督作や、マルチェロ・マストロヤンニ出演作、カルト的人気を誇るアルトゥーロ・リプステイン監督作の特集企画も組まれているので、是非ともチェックしてほしい。

ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞の『ザ・ルーム・ネクスト・ドア(原題)』も [c]El Deseo. Photo by Iglesias Más.
ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞の『ザ・ルーム・ネクスト・ドア(原題)』も [c]El Deseo. Photo by Iglesias Más.

第37回東京国際映画祭のチケット一般販売は、10月19日(土)よりスタート。上映作品とスケジュールの詳細を映画祭公式ホームページでチェックし、充実した10日間を過ごしてみてはいかがだろうか。

文/久保田 和馬

元記事で読む
の記事をもっとみる