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秋の夜長に考える終活のこと。

  • 2024.10.19

こんにちは。リビングえひめweb特派員のすみです。

秋の夜長を感じる季節になりましたね。今回はお墓というセンシティブな話題なので一般的なこととしてではなく、こんなこともあるんだというくらいの目線で読んでいただけると幸いです。

終活といっても内容は様々。まずは一番気になっていることからということで、お墓のことから。現在お墓の形の主流になってきている「樹木葬」について、八坂千翠を見学させていただきました。

お墓事情わが家の場合

わが家のお墓は車で一時間ほどの山の中にあります。車がないと行けないような場所なので、いずれは行けなくなる日がくるでしょう。それに私たちの後にはお墓を継ぐ者がいません。別に確固たる宗教を持っているわけではありませんがいずれは自分たちも入った後のことを視野に入れて、お墓をどうするのかを考えなくてはならないと思っています。

八坂霊園

出典:リビングえひめWeb

四国八十八カ所第47番札所八坂寺の近くに八坂霊園はあります。霊園の管理事務所近くからは松山市内を一望できる景色の良さです。

山を背にして広がる霊園はとにかく広大です。一般のお墓が多いのですが、納骨堂や合祀墓もあります。その一部に最近作られた樹木葬の八坂千翠があります。霊園全体は宗教は問わず利用できます。

八坂千翠

出典:リビングえひめWeb
出典:リビングえひめWeb

樹木葬の霊園は一般的なお墓とは見た目からして違いました。墓石が立ち並ぶ圧迫感は全くありません。朝日が差してくる早朝が一番に美しいそうです。

芝生の上にプレートが埋め込まれていて、その下に納骨します。お墓におなじみの花立てや焼香台はありません。お墓への献花も供物もお参りの度に持ち帰るのが決まりになっています。お墓入口に大きな献花台と焼香台があるので、お花はそちらに残して帰ることもできます。

出典:リビングえひめWeb

八坂千翠の三つの樹木葬区画には野鳥の名前が付けらけています。うぐいす、かわせみ、こまどり(ここには一般墓の区画もあり)各区画には、樹木のそばにその名前を刻んだ石標がありました。

出典:リビングえひめWeb

ここでは生前にお墓を決めておく方も多いようです。墓石の形は決まったものがありますが、刻む碑銘は各自の想いのこもったものにできます。音楽がお好きだったんだろうなとか登山が趣味だったのねと故人の在りし日が偲ばれるような墓碑も多くありました。 ベンチもあり、お墓というよりも見晴らしのいい公園に散歩に来ている感じがしました。

樹木葬の場合、お墓の購入価格のみで別途費用はかかりません。納めるお骨の数で購入価格が違ってきます。ひとり用から最大4人(骨壺にして4つ)まで納めることができるお墓があります。定められた埋葬期間(13年~32年間)の後にお骨は合祀墓に埋葬されてお墓は霊園に返却となります。

出典:リビングえひめWeb

花の咲く木が霊園を取り囲むように植えられています。やわらかい緑の芝生に覆われて、周囲には季節ごとの花が彩を添えて、水辺に集う鳥たちの歌声を聞きながら。もしもご先祖さまがいないなら、いずれ訪れる未来にここで静かに眠るのは気持ちいいだろうなあと思う場所でした。

墓じまい

まずは家族親戚など現在のお墓に関わる人たちの合意を取るのが始まりだそうです。それから次のお墓を決めることになります。納められているお骨をまとめて1柱(骨壺にして1つ)として次の納骨先に納めることもできます。旧お墓の解体処分などはその後になります。場合によってお墓を閉じるための法事をお寺で行うこともあります。考えるだけでも気が遠くなるような手続きを経ることになるので、このあたりでこころがなえそうになりました。

かたちあるものを無くするということは本当に大変なことなのだと改めて思いました。だから墓標も遺骨も残さないお墓のかたちが最近では台頭してきているのかもしれません。

変わるお墓のかたち

現在はこの霊園でも樹木葬を選択される方が半数ほどになっていますが、それはここ10年くらいのことだそうです。10年後にはまた別のかたちになっているかもしれません。現在では当たり前の「〇〇家の墓」というのも近年のことで、お墓はひとりにひとつの時代も長くありました。

お骨やお墓を残さない、海洋散骨や、海に散骨するように森林の土に混ぜるようにして散骨する「自然葬」というかたちもあります。月定額を支払うことで管理も供養もお任せできる「サブスク型のお墓」も登場しています。いま現在では想像もつかないようなお墓のかたちが将来には現れるかもしれません。

決めたこと

いろいろとお話を聞かせていただいて、私はいま在る山の中のお墓をできるだけ長くお世話することにしました。それと並行して次のお墓のことを考えてく。春秋のお彼岸と盆暮れと考えたら年に4回。ちゃんとお世話ができるように健康でいよう。車の運転も長く続けられるように安全運転第一に。

人間先のことはわからないけど、時間をかけることで納得するお墓のかたちにたどり着けるのではないのかと思います。

このような結論を得ることができたのは、見学して長々とお話聞いてくださっていろいろと教えていただけたおかげです。 もしもお墓のことで悩むことがあるのなら、ひとりであれこれ考えるよりもお墓に関わる専門家に一度相談してみるのもいいと思います。そんなことを考える秋の夜長でした。

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