1. トップ
  2. 恋愛
  3. Jリーグの大宮アルディージャ「3億円買収」から見るレッドブルの真意

Jリーグの大宮アルディージャ「3億円買収」から見るレッドブルの真意

  • 2024.10.18
Jリーグの大宮アルディージャ「3億円買収」から見るレッドブルの真意
Jリーグの大宮アルディージャ「3億円買収」から見るレッドブルの真意

Text by アンバサダー

レッドブルがJ3リーグの大宮アルディージャを3億円で買収したニュースは、日本サッカー界に大きな波紋を広げています。

この金額は、レッドブルにとってはほぼ「ただ同然」と言っても過言ではなく、その狙いや今後の展望には興味が尽きません。

本稿では、その背景にある理由と、今後の展開について考察します。

1. 安価な投資と価値の激増への期待

レッドブルにとって3億円は、手軽な投資といえますが、その投資はJ1リーグ昇格という目標を達成することで、数倍、あるいはそれ以上の価値を生む可能性があります。

J3からJ1への昇格は決して簡単な道のりではないものの、レッドブルの資本力と運営ノウハウを考えると、大宮アルディージャが上位リーグへと駆け上がるのは現実味があります。そして、J1の舞台での成功は、クラブのブランド価値やスポンサーシップの利益を一気に押し上げるでしょう。

また、レッドブルにとって3億円という金額は、たとえプロジェクトが失敗しても痛くもかゆくもない程度の金額です。このようにリスクがほぼない中で、大きなリターンが見込めるという点で、レッドブルにとって、大宮アルディージャの買収は非常に魅力的な投資といえます。

2. 専用スタジアムと首都圏の魅力

大宮アルディージャには専用スタジアムがあり、これがクラブの魅力のひとつだと考えられます。

専用スタジアムは観客の観戦価値を向上させ、観客動員数の増加にも貢献します。NACK5スタジアムは駅からも近く、さらに大宮は東京からのアクセスが良く、首都圏の人口密集地帯に位置しているため、マーケットポテンシャルも非常に高いと言えます。

このような地理的なメリットは、レッドブルがマーケティング活動を展開する上で非常に重要な要素となります。

3. 埼玉ダービーの価値

大宮アルディージャが持つもうひとつの価値は、浦和レッズとの「埼玉ダービー」にあります。

浦和レッズはすでに日本でも有数の人気クラブであり、埼玉ダービーの対戦は地元だけでなく、全国的に注目を集めるイベントとなるでしょう。

大宮アルディージャがJ1に昇格し、レッズとの対戦が実現すれば、その試合はメディア露出や観客動員数において非常に高い価値を持つものとなり、クラブ全体のブランディング強化に寄与することは間違いありません。

4. 日本人選手の欧州移籍への橋渡し

レッドブルグループには、欧州に複数のクラブが存在しています。大宮アルディージャの買収は、日本人選手の育成と欧州クラブへの供給を見据えた動きとも捉えられます。

才能ある若手選手がJリーグから欧州へと挑戦することは、多くの日本人選手にとって理想的なキャリアパスです。

レッドブルは、これまでにも自前のスカウティング網と選手育成システムで多くの才能を発掘し、成長させてきた実績があります。大宮アルディージャは、その一環としての役割を果たし、日本人選手にとって新たな「ヨーロッパへの登竜門」となる可能性が高いです。

5. Jリーグと飲料市場の魅力

Jリーグは、アジアの中でも中東を除けば市場規模が最大であり、その商業的な価値は非常に高いものがあります。

レッドブルにとって、日本市場でのプレゼンスを高めることは飲料の売上拡大にもつながります。Jリーグを通じたブランディング活動は、日本国内でのマーケットシェアを広げるための重要な手段となり得ます。

日本の飲料市場は大きく、魅力的であるため、大宮アルディージャを通じた広告効果はレッドブルにとって大きな価値を持つでしょう。

6. NTTと大宮アルディージャの関係

クラブの前所有者であるNTT東日本にとっても、大宮アルディージャは自分たちのビジネスとのシナジー効果もなく、保有している意味があまりありませんでした。

事実、大宮は長期的に人件費を減らしており、2024年シーズンはついにJ3で戦うこととなりました(来年のJ2復帰は決まっていますが)。

このような状況の中で、NTTがクラブを手放すのは自然な流れであり、レッドブルがそれを安価で買収したのも合理的な判断といえるでしょう。


レッドブルが大宮アルディージャを買収した背景には、安価な投資で大きなリターンを得る狙い、首都圏のマーケット、専用スタジアムの存在、そして埼玉ダービーの魅力などが複合的に絡んでいます。

さらに、日本人選手を欧州に送り出すための拠点としての価値も持たせることができれば、大宮アルディージャは単なるJ3クラブから、一気に日本サッカー界の重要な一部として位置付けられるでしょう。

今後のレッドブルの動向に注目が集まる中、大宮アルディージャの変革の歩みは、日本サッカー全体にもポジティブな影響をもたらすことが期待されます。


ライター:仙太郎

東京都でU12指導者歴12年。C級コーチライセンス、4級審判員保持。
指導者目線の独特なレポートをSNSやQolyで発信中。
X : @FB_sentaroh
note: @papafootball
https://note.com/papafootball

元記事で読む
の記事をもっとみる