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「女に学問はいらない」父の言葉に傷ついた私が社会に願うこと

  • 2024.10.18

気がつけば、○年前の女の子は更年期に悩まされるおばさんになっていた。

◎ ◎

子供たちが不登校や長患いが続く病気になり、自分の体調も顧みず、奔走した時期がある。気がつけばアラフィフで、自分のキャリアを築くには厳しい年代になった。

仕事を頑張ろうと思っていた昨年は婦人科系疾患で入院、手術をすることになり、バリバリ働けず。ここ数年間はトンネルの出口が見えない更年期症状にずっと悩まされ中。

子育ての正解は一生かけても誰にもわからない。結婚生活は目に見えてわかる成果がないことが多く、もともとあまりない私の自己肯定感をさらに下げた。

◎ ◎

振り返ると、思うようにいかない人生だった。父から「人生の理想が高すぎる」と言われたこともある。そんな人生の最初のつまづきは進学だった。

父に「女に学問はいらない」と言われた。その時点で高卒で働くことを決められてしまう。弟は男で進学が必要だから、と。

私には大学の費用を払う価値もないと言われたように、当時の私には聞こえた。

納得していたわけではない。でも、インターネットで調べることもできない時代は、親から進学が無理だと言われれば、諦めるしかなかった。今なら奨学金をもらうなど、いろいろな道があったと、子供達のことを調べていて気づいた。

進学を諦められなかった私は一度働いて、ある程度の資金を貯めてから大学進学。派遣で働きながらの大学生活は思うようにはいかなかった。それでも大学へ行き、卒業できたことは嬉しかった。

でも進学したからこそ感じたのは、やはり大学に行く普通の年代で大学生活を経験したかったということ。

◎ ◎

このことから私が次の世代に残したいと思うことは以下の2つ。

・更年期の時期がうまく乗り切れるようになること
・大学進学など学びたい子供が学ぶことを諦めなくてすむこと

更年期は治療方法が合えば、元気に暮らしている人も多いとは聞くが、やはり更年期ロス(更年期症状で仕事にマイナスの影響があること)を私自身も経験した。

次の世代が更年期年代に突入する頃には、社会としてもなんらかの対策がされていたり、医療技術がさらに発展していたりすればいいと思う。

大学進学に関しては、今は私たち世代の若い頃よりは整備されている。でも、今でも親の家計事情が子どもの進学に影響する家庭もあるという報道もある。学びたい子供が学ぶことを諦めないですむようにしてほしい。

私は自分の経験から子供たちには奨学金を借りることになっても、希望の進路に進むことを勧めている。

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女性が社会進出し、働き続けることができる社会になっても、子育てとの両立面では課題は多い。子供に何かがあった場合、夫ではなく妻が仕事を辞めることになる家庭の方がまだ多いイメージがある。

思わぬキャリアの中断は、生涯年収の観点からも女性の一生に大きな影響がある。お金がすべてではないが、収入が減れば、思うような人生を選べないことにも繋がる。私自身もそのことを痛感している。

だからこそ男女共に希望の未来を描ける社会作りができれば、女性も生きやすい社会になるのではないだろうか。

◎ ◎

未来の大人女子たちが、将来に希望を持てる社会になることを、現・大人女子として願いつつ、今は更年期と闘う日々を送っている。

若さはすばらしい。今の私には娘たちの年代のキラキラが、痛いぐらいに眩しい。

でも、年齢を重ね、今が一番楽しいと思える生き方をできる方が、人生はもっとよりよくなる気がする。胸を張って次の世代に言えるよう、現在は悪戦苦闘中なのかもしれない。

さらに年齢を重ねて、女の子達の活躍を見た時に、よかったと思える社会になることを心密かに願っている。

■叶井ゆきのプロフィール
中高大学生の子供がいるアラフィフ在宅ワーカー。最近はnoteでの活動を強化中。
ドラマ、映画好きの活字中毒。自分の文章を読んでくれた方の人生をよりよいものにできればと思い、今は書き続けている。

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