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プラダが宇宙服を共同デザイン。NASA主導の「アルテミス計画」で女性初の月面着陸をサポート

  • 2024.10.17

10月16日(現地時間)にミラノで開催された国際宇宙会議で、プラダPRADA)がアメリカの宇宙ベンチャー企業、アクシオム・スペース社と共同開発した宇宙服が公開された。これは宇宙探索史上初となる女性、そして有色人種の月面着陸をサポートすべくデザインされたもので、NASAによるとその歴史的瞬間は早ければ2026年9月に訪れるという。

NASAは、1972年のアポロ17号以来となる有人月面着陸を主目的とするミッション「アルテミス計画」で、船外活動ユニットの開発を監督する企業にアクシオム・スペース社を選定。アクシオム・スペース社はそのデザインをプラダに依頼した。

アクシオム・スペース社の船外活動担当副マネージャーであるラッセル・ラルストンはプレゼンテーションに先立ち、リリースを通じて次のように述べている。「私たちは宇宙探査の新時代を切り拓こうとしています。私たちは初めて他業界の専門知識を取り入れ、より優れた宇宙ソリューションを作り上げようとしているのです」

アルテミス3のマップ。NASA提供。
アルテミス3のマップ。NASA提供。

この新たな宇宙開発競争でプラダをリードするのは、プラダ・グループのチーフ・マーケティング・オフィサー兼CSR責任者のロレンツォ・ベルテッリ。今回のコラボレーションについて、『VOGUE』にメールでこうメッセージを寄せている。「アクシオム・スペース社との提携は前例のないものでした。宇宙服の快適性と柔軟性を高めるため、オーダーメイドのソリューションを提供しようと尽力してきた私たちのチームを誇りに思います」

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公開された画像を見る限り、プラダのロゴはどこにもない。しかし、偶然なのかデザインなのか(おそらく後者だろうと思うが)、力強いシルエットの宇宙服には存在感を放つ赤のラインがいくつも描かれている。これはプラダのテクニカルなスポーツライン「リネア・ロッサ」のモチーフと呼応するもので、アメリカズカップのセーリングチーム「ルナ・ロッサ」のために初めて開発されたものだ。ルナ・ロッサは、イタリア語で「赤い月」と訳される。

共同制作者たちは今回、特にアウターレイヤーと素材に焦点を当てたという。宇宙飛行士たちはこのスーツを着用することで「月の南極の極端な気温に耐え、恒久的に影に覆われた領域(永久影)の極低温にも少なくとも2時間耐えることができるようになる。また、少なくとも8時間の宇宙遊泳も可能となる」そうだ。

機能性は宇宙服開発における最優先事項だが、アクシオム・スペース社のエンジニアは「将来の宇宙探査を視覚的に刺激する」スーツを作るべく、イタリアを代表するブランドにアプローチしたという。同社は「プラダが誇る専門知識は、ハイレベルなテクノロジーと革新的な縫製方法を可能にしました。高度に設計された機能性と魅力的なアウターデザインを融合させたのです」とコメントしている。

しかし、プラダのファッションを通じた宇宙進出はアルテミス計画全体のほんの一部に過ぎない。NASAはアクシオム・スペース社、プラダ、スペースX社(月着陸船HLSの開発を担う航空宇宙メーカー)といった民間パートナーとともに、火星探査をも可能にする輸送技術とプロトコルを確立しようとしている。

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ベルテッリもまた、長期目標を視野に置いているようだ。「私たちはアクシオム・スペース社に、高性能糸を使った新しい製織技術や、ほぼシームレスに近い生産方法など、宇宙服に応用できるであろう興味深いソリューションを提案しています」

今度のミッションに搭乗する乗組員はまだ発表されていないが、NASAはすでに「全人類の利益のために、アルテミス計画では初となる女性、そして有色人種を月面に着陸させる」と公表している。この計画が実現すれば、1972年12月にアポロ17号の船長ユージン・サーナンが最後に月を歩いて以来初めてのこととなる。

アポロ11号の飛行士バズ・オルドリンとニール・アームストロングが1969年に最初の月面着陸を達成してから、アポロ17号の最終ミッションまでのわずか3年半の間に合計12人が月に降り立っているが、私たちは再来年、プラダを着た宇宙飛行士たちを目にすることができるのだろうか──。

Text: Luke Leitch Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.COM

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