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佳境を迎えるSUPER GT2024シーズン 大逆転へ可能性広がった下位チーム、オートポリス戦の注目ポイント

  • 2024.10.17
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SUPER GT2024年シーズンは、いよいよ佳境へ。今週末、九州のオートポリスで第7戦が行われる(10/20決勝)。今回注目すべきが、昨シーズンまでの第7戦とは様相が大きく異なっていることだ。8月末に予定されていた鈴鹿での第5戦が台風により中止となり、第8戦を終えた約1カ月後の12月7日、8日に代替開催となった。つまり今回のオートポリス大会は第7戦ではあるが、開催順としてはシーズン6戦目となる。

■広がった下位チームへの可能性

このため、シリーズ7戦目のルールだった6戦目までに積み重なったサクセスウェイトが半減されるルールは適用されなくなった。前半戦が好成績でウェイトが重くなり後半戦でポイント獲得が難しくなっていた上位チームにとっては本来、再び大量ポイントを獲得しリードを広げるチャンスだったが、今回は形勢が真逆に。レイアウトがアップダウンに富んでいる上にタイヤへの攻撃性がより高いコース特性は、ウェイトが重いチームにより不利になる。ランキング上位チームのタイトルへ向けた終盤戦のプランは、崩れ去ってしまった。
一方でチャンスが広がったのが、ここまで思うようなポイントを獲得できていない下位チーム。上位チームとのハンデ差が最も大きい状態で臨めるのは、昨年までのオートポリス戦にはなかったメリットだ。コース特性を活かしここで優勝しランキング上位が総崩れとなった場合、タイトル争いに追いつけるであろうチームはざっと見て5~6チーム。それらチームにとっては、大逆転に向け恰好の舞台が用意されたことになる。
現在GT500クラスでランキングトップにつけているのが昨年チャンピオンの36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)で、同じトムスの37号車Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が1ポイント差の2位と、デッドヒート状態となっている。
しかしながら両者のここまでの戦いぶりは大きく異なっており、36号車は開幕戦の優勝でトップに立って以降、毎戦しっかりとポイントを獲得しランキングトップを守り続けてきた。昨シーズンと同様の、王道の戦い方だ。一方37号車は、2勝以外の3戦では5ポイントしか獲得できていない。36号車の安定ぶりは誰の目にも確かで、昨シーズンのオートポリス戦も優勝していることから、ウェイト半減となった場合はここで2連覇にリーチをかける可能性も高いと見ていたが、どうやら筋書き通りにはいかなそうだ。

■タイトル獲得へのポイントは?

逆転劇を狙うチーム側では、3号車Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)と23号車MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)のニスモ2チームに注目したい。
昨年、一昨年とタイトル争いにからんできた2チームだが、今シーズンは3号車が1度優勝したものの全体的に成績は芳しくなく現在3号車がランキング5位、エースの23号車は10位。ひとつ要因と思えるのが、タイヤメーカーが昨年までのミシュランからブリヂストンに変わったことだ。ランキングトップ4は以前からブリヂストンユーザーで、理解度は2チームよりも高い。前半戦、その差は大きかったように思う。しかし2チームも5戦を経験し、徐々に理解度を高めているはず。ここで本来の実力を発揮できれば、タイトルへはまだ間に合う。
だがそんな机上の予想も、もうひとつの昨年大会との違いにより一気に覆される可能性がある。レースフォーマットが今回、3時間のタイムレースとなったことだ。オートポリス大会は従来300kmレースで、昨年は450kmレースで行われた。3時間レースは計算上では450kmと同じ、もしくは少し長い距離を走ることになる。
だがそれはスムーズに進行した場合であり、セーフティカーなどレースが途中止まることがあれば距離は縮まり、戦略の幅は広くなる。ウェイトで有利であってもその際の状況判断、そして運によって、形勢は一気に逆転する。年に一度のSUPER GTを楽しみにしている九州のファンは、いつもにも増してワクワクしているのではないだろうか。

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