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トイレが血まみれになるほどの出血で病院を受診すると、1万人に1人の難病だと診断され…病気の体験を明るく描いた、とにかく笑えるギャグエッセイ

  • 2024.10.17

『腸よ鼻よ』(島袋全優/KADOKAWA)は、1万人に1人の難病特定疾患「潰瘍性大腸炎」の闘病生活を明るく描いた奇跡のギャグコミックエッセイだ。作者は病気を通してとんでもない目に遭い続けるのだが、悲惨な経験もギャグテイストで描かれているため、辛い闘病エピソードを笑い飛ばすことができる。

作者の島袋全優さんは、マンガ家を夢見るティーンエイジャーだった。バイトと原稿に明け暮れながらすごしているうちに、トイレが血まみれになるほどの出血に悩まされるようになる。食事を摂っても吐くか腹痛になるか…という極限状態に陥り、さすがに病院を受診することに。

病院では「腸炎」と診断され、入院することになった島袋さん。しかし、どれだけ治療しても一向に良くならない。そこで改めて内視鏡検査を受けてみると、「潰瘍性大腸炎」だったことが判明する。

致命的すぎる誤診で病院への信頼は消失。そのうえ、カラーでないと確認できない内視鏡画像をモノクロで出されたり、点滴が下手な看護師により血管を傷つけられたりと島袋さんは悲惨な目に遭い続ける。さらには治療方針や薬の量も適切でなかったようで、島袋さんを襲う症状は着実に悪化していた。

病院への不信感がマックスまで高まったとき、幸運にもセカンドオピニオンで訪れた「消化器の専門医」がいる病院に転院できることに。強すぎる薬を減らしつつ、ボロボロにされてしまった身体を少しずつ戻していく。こうした島袋さんの体験から、セカンドオピニオンの大切さを痛いほど実感させられる。

新たな担当医のもとで元気を取り戻し、無事に退院を迎えた島袋さん。寛解までは遠いものの、自宅療養できるように。しかし、連日夜なべしてマンガ制作に打ち込んだことで、再び体調が悪化してしまい…。

2巻以降では、島袋さんがマンガ賞を受賞する話や新年早々に緊急入院する話が展開されていく。そして、発症から約3年の間に10回以上、入退院を繰り返したことを受け、大腸を全摘出する大手術に挑むことになり――。

本作は全10巻で完結を迎える。シリーズを通して入院と退院を繰り返す島袋さんのエピソードをたっぷり楽しめるので、ぜひ最後まで見届けてもらいたい。

文=ネゴト / 押入れの人

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