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想像を絶する、悲惨な女の子の世界。母に伝えて、第一歩を踏み出せた

  • 2024.10.17

10年後の女の子のために、現在起こっている問題を調べあげた。すると、想像を絶するほどの悲惨な世界が広がっていた。
中学2年生の頃、総合の授業で「SDGs」というものが取り上げられた。軽くニュースで聞いた事のある程度の知識だったので、その正体が何なのかは正直理解していなかった。
授業が進んでいくにつれ、少しずつ輪郭を理解するようになっていった。「2030年までに達成させるべき17の目標」というものらしい。それらの目標は世界規模のものであり、現代社会において重要な課題だと感じた。

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授業としては自分で1つ項目を選択し、それについて調べあげ、1枚のレポート用紙にまとめ、最終的にはクラスの前で発表するというものだった。重いテーマが沢山あるため、クラスの皆も頭を抱えていた。私も何にしようかと悩んでいたが、項目5番の「ジェンダー平等を実現しよう」というものが目に止まった。ジェンダーという言葉は何となく聞き覚えがある。私はこれをテーマに調べてみることにした。ジェンダーとは、社会的につくられている性別のこと。身体的なものではなく、その風潮をなくして、男女平等な社会を目指すというのが項目5の大きな目標である。と出てきて、性別に関係することなのかと学んだ。

様々な記事を見ていくうちに、女性問題について興味を持つようになった。何となくクリックしたサイトには、想像を絶するほどの悲惨な世界が広がっていた。男性複数人による性的暴行、幼い女の子の強制的な結婚や妊娠、社会的な差別。奥を知れば知るほど溢れてくる残虐な行為に、怒りと恐怖で身震いがした。特に、小さな女の子の望まない妊娠や結婚というのは、この国では現実的ではないことだと感じる。だが、世界のどこかで起こっているという事実が恐ろしかった。望んでもない相手と無理やり結婚させられて、妊娠させられる。こんな行為、絶対に許されるわけが無い。私はこの現状を、嘘偽りなく発表しようと心に誓った。

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そして発表当日の日。私は学校を休んでしまった。生理だった。私は初日から重い方で、この日はメンタルの落ち込みと腹痛がかなり酷かったのだ。そういえば、数日前から暴飲暴食を繰り返したり、メンタルの浮き沈みが激しかった日が続いていた。今日のために沢山調べあげ、スピーチの練習も繰り返し行ったのに。悔しい気持ちでいっぱいだった。泣きながらベッドに横たわる私に、母が声をかけてくれた。「雫は偉いよ。沢山練習していたもんね、お母さんが帰ってきたら、スピーチ聞かせてくれる?」。私は軽く頷いた。なんて優しい人なのだろう。重い体を起こして、まとめあげたレポート用紙を取りに行った。母は仕事から帰ってきた後、すぐに私のスピーチを聞いてくれた。

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「凄いじゃん!よく頑張って調べたね」と、優しい言葉をかけてくれた。クラスの前での発表は出来なかったが、母は私のスピーチを聞くことによって、女の子の現状を理解することが出来たのだ。まずは状況を知る、広げるという第一歩を踏み出せたと思う。

10年後の女の子のために、現在起こっている問題を調べあげた。生まれた性別、国、肌の色がたまたま違っただけで、男性も女性も同じ人間なのだ。歴史的・文化的に様々な差別が生まれてしまうのは、絶対にあってはならないことだと感じる。どうすれば女の子が生きやすい社会になるのか。どうすればジェンダー平等を実現することができるのか。大きく変えることは難しいかもしれないが、身近にあることをコツコツと変えていく。偏見や差別をせずに、受け入れていく。まずは小さなことや古い考えを無くすことから始めてみよう。私はこの経験を通し、自分でできることを探す旅に出た。

■村川 雫のプロフィール
多趣味。のんびり生きています

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