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「菜食主義者の外食が困難」30代イタリア人女性が感じる、日本人の“過剰さ”とは?

  • 2024.10.17
日本を訪れる外国人は、日本のどんなところに魅力を感じ、一方でどういった点に苦手意識を抱くのでしょうか。30代のイタリア人女性に話を聞いてみました。
日本を訪れる外国人は、日本のどんなところに魅力を感じ、一方でどういった点に苦手意識を抱くのでしょうか。30代のイタリア人女性に話を聞いてみました。

日本政府観光局(JNTO)が発表した、8月の訪日外客数は293万3000人。そのうちイタリア人は3万4700人で、2023年の8月に比べて約44%増加しました。1~8月の累計数では、2023年に比べて約53%もの増加率を記録しています。

日本を訪れる外国人は、日本のどんなところに魅力を感じ、出身国との違いを見いだしているのでしょうか。実際に話を聞いてみました。

日本人のルール尊重の“過剰さ”は、懸念材料にも

今回、インタビューに応じてくれたのは30代のイタリア人女性・エレナさん(仮名)。イタリアの首都・ローマ出身です。

イタリアと日本の違いについて聞くと、「イタリアにも日本にも、豊かで長い歴史と文化があります。私が気付いた主な違いは、日本には強い共同体意識があり、公共のスペース、そしてルールの面で公共のものを尊重する意識があるということです」と言います。さらに、「この尊重する意識は、私がとても大切にしていることであり、私の国でもそうであってほしいと願っていることでもあります」と続けました。

ただし、日本人のこのような意識はエレナさんの理想ではあるものの、懸念材料もあるのだそうで「日本人のルールの尊重が“過剰”になると、ある面では新しい状況や変化に柔軟に対応できないといった“硬直化された状態”となり、人々のメンタリティーに影響を与えかねないと思います」と言及しました。

日本人は「親切」、でも常に距離を置いている

日本人とイタリア人との違いを聞くと、「日本人は礼儀正しく親切だと思います」とのこと。一方で、「私が出会った人々の大半は、『温かい』タイプの親切ではなかったという印象を受けました。誰もが必要であれば助けてくれましたが、常に距離を置いていました」と言います。

「イタリアでは、私たちはもっと愛情深く、外向的で、一般的に友人や同僚と多くの時間を過ごす傾向があります」と続け、人と人との距離間に違いを感じたことを話してくれました。

日本の街は「細かいところまで審美的に心地よい」

エレナさんが日本で好きだという風景(※写真提供:エレナさん)
エレナさんが日本で好きだという風景(※写真提供:エレナさん)

エレナさんに日本の好きなところを聞くと、「寺社仏閣から高層ビルまで、日本では、ほとんど全てのものが細部まで手入れされ、審美的に心地よいところが気に入りました。東京のような大都会でも、自然への配慮が素晴らしいと思います」と言います。

さらに、「グーグル・マップは非常に正確で、交通システムも実用的でした」と話してくれました。

「菜食主義者が外食できる店が少ない」

一方で、日本で不便だと感じる点を聞くと、「残念ながら、英語を知っている日本人はあまりいません。スーパーマーケットで食料品を買うのも最初は大変でした。でも、今はスマートフォンがあれば何でもできます!」とのこと。

また、「菜食主義者である私にとって、外食できるところを見つけることは困難でした」と話しました。

フレンバシーが2023年1月に公表した「第4回日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査 by Vegewel」によると、1月時点の日本のベジタリアン率は5.9%でした。近年、世界的にヴィーガンやベジタリアン人口が増加している中で、日本はまだ低い水準にあると言われています。

キャンメイクやセザンヌ……コスメブランド大好き!

※写真提供:エレナさん
※写真提供:エレナさん

エレナさんに、日本の好きなブランドを聞きました。ファッションでは「GUとユニクロが好きです」とのこと。また、「日本のコスメやメイクアイテムが大好きです。肌ラボ、ビオレ、キャンメイク、セザンヌなど……」と多くのスキンケアメーカーやコスメブランドを挙げてくれました。

イタリアで流行している日本の文化を聞くと、「イタリアでは、ラーメンやすしなどの日本食がとても有名です。それに、日本の漫画、アニメ、ゲームもとても人気があります」と言います。

最後に、好きな日本語のフレーズを聞くと、「仕事終わりによく言っていた『お疲れ様』が大好きでした」と教えてくれました。1日の仕事が終わった達成感や互いをねぎらいあう気持ちが含まれた言葉は、エレナさんにとっても特別なものだったようです。

文:福島 ゆき

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