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ホアキン・フェニックス、『ジョーカー2』のラストは「温かみがあって良い」

  • 2024.10.15
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は現在公開中。
JOKER: FOLIE A DEUX, (aka JOKER 2) - Joaquin Phoenix as Arthur Fleck, 2024.『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は現在公開中。

大ヒット映画『ジョーカー』(2019)の続編にして、完結作となる『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』。さまざまな考察や議論が飛び交う中、ホアキン・フェニックストッド・フィリップス監督が「IGN」のインタビューで、アーサー・フレックのファイナルシーンについて意図を語った(以下、本作のネタバレを含みます)。

前作で歪んだ社会の狭間で“悪のカリスマ”に変貌を遂げたアーサーは、最新作で、自分が犯した殺人の罪を裁く裁判に直面する。それと並行して、収監されているアーカム・アサイラムで謎の女性リーと出会い、初めてのロマンスを経験する。裁判の騒動を経て、アーカム・アサイラムに戻されたアーサーは、面会人が訪れていることを看守から伝えられる。そして面会室に向かう廊下で、若い囚人からジョークを聞いてほしいと声をかけられ、立ち止まったところあっけないほど簡単に刺されてしまうのだ。

そんな衝撃的な結末について、「温かみがあって良い」とホアキンは語る。「僕の心にあったのは、ジョークを言う若者が緊張していたこと。彼の緊張が伝わってくる中、僕は彼の話を最後まで聞くんだ。すごく良い設定だった」。ホアキンとフィリップス監督は、これをアーサーの心の変化を端的に映したものだと捉えているという。アーサーは、社会に押し付けられたレッテルではなく、自分自身を選び、それが他人のジョークに興味を示す契機となったのだ。

「アーサーは苦悩の末、自分自身でいても良いと思うに至り、平穏を得ることができたんだと思います。彼はずっと、そのことで悩んで来たんです。彼は、自分らしく、安らかにこの世を去ったと思いたい」とフィリップス監督は言う。「青年は、『ジョークを聞くか?』と声をかけてくる。アーサーは、もしかしたらリーが待っているかもしれないとすら思っている。誰が待っているかは知ることはないけれど、まだアーサーには楽観性が残っているんだ。彼は『そうか、もちろん聞くよ』と答える。人を笑わせたいという気持ちがわかるから、青年にチャンスを与えてしまう。でも、悪い結果を呼ぶのは明らかです。またしても、天はアーサーに味方しない。それでもアーサーが希望を抱いていることがわかるこのシーンは、美しい瞬間だったと思っています」

フィリップス監督は、言葉少なにこれだけ表現してみせたホアキンを「とても美しかった」と称賛する。「死ぬことを除けば、なんてことない瞬間です。青年に向かって、礼儀正しく笑顔を向け、コメディと自己表現に対する感謝を表す。ある意味、前作で誰もアーサーに向けなかった態度です」

Text: Tae Terai

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