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【書店紹介】こだわりの書店&店主を紹介!第6回目は、懐かしい絵本の世界に浸れる「蚊帳文庫」

  • 2024.10.15

こだわりの書店と、書店員さんおススメの本を紹介するこのコーナー。第6回目は、神戸の湊川にある“ゆっくりくつろいで自分だけの時間を過ごせる”「蚊帳文庫」を紹介します。

一箱古本市をきっかけに、“癒やし”を求めて開業

JR神戸駅から歩約20分、高速神戸駅から、湊川神社や神戸大学医学部のキャンパスを抜けて歩約15分のところにある「蚊帳文庫」。もともと東京で図書館員をしていた店主の能堀知尚さんは、2011年に段ボール一箱分の古本を持ち寄り販売するフリーマーケット型のイベント、“一箱古本市”に参加。そこで、本が売れる喜びを知り、同時期に新古書店でなんの気なしに手に取った絵本の純粋な世界に感化されて2015年に関西に戻って古本屋をオープンしました。

出典:シティリビングWeb

店内に置いてある書籍は9割以上が古本で、そのうちの半分ほどは絵本や児童書が占めています。もともと“古本絵本”にこだわって置いていたそうですが、「お店を利用して下さる人に合わせて、なるべく何でも置いてみようの精神で持ち込まれるものを受け取っていたら、今のこの形に落ち着きました」と能堀さん。「実際、思いもよらなかった本が売れていくこともあり、そこがおもしろいところですね」。

出典:シティリビングWeb

まるで“蚊帳”の中にいるかのような店内

“蚊帳”文庫という名前の由来は、能堀さん自身が幼少期に外の世界を遮断して、まるでバリアに包まれているかのような気分に浸れる「蚊帳」の不思議な魅力に取りつかれたから。お店を訪れた利用者にも自分の好きな「蚊帳」の中で守られているような気分になって買い物をしてほしいと、ランプの光を幻想的な雰囲気のものにするなどこだわっています。

出典:シティリビングWeb

足を止めてもらうため、あえて“ごちゃっと”した本の積み方に

さらに、店内を見渡して目につくのは、独特な本の配置方法。整然と並べてるのではなく、「立てて並べた本の上に表紙がキャッチーでかわいい漫画を平積みで並べる」など、あえてまとまりのない“ごちゃっと”した店内に仕立てることで「少しでも興味をもって足を止めて見てもらえれば」という思いが隠されているのだそう。

出典:シティリビングWeb

また、レジの前には専門書などの“堅い”本を、店内の向かって右側には絵本や児童書を、左側には一般書を配置。入り口付近には手に取りやすい雑誌や料理本を置くなど、見やすい工夫も同店ならでは。お気に入りを見つけに立ち寄ってみませんか。

「蚊帳文庫」能堀さんのおススメの本はこちら

能堀さんに、おすすめの本を2冊ピックアップしてもらいました。

どんな世代でも共感して読める恋愛エッセイ集

恋は底ぢから

中島らも著/集英社 482円

出典:シティリビングWeb

恋愛至上主義の作者による怒濤のエッセイ集。能堀さん自身が20歳前後のときに読んでかなりの感銘を受けた本で、「20年経った今読み返してみると新たな発見があったので、シティ読者にもぜひ読んでほしい」とおススメしてくれました。恋愛や性について書かれていますが、関西人らしくオチがつく展開なので、“軽く”読むことができます。能堀さんは、「その日の天使」というエッセイがお気に入りだそうです。

困っている人に寄り添いながら書店を立て直した元店長の人生禄

本屋で待つ

佐藤友則 島田潤一郎著/夏葉社 1,760円

出典:シティリビングWeb

広島県の山奥にある赤字続きの本屋の店主・佐藤友則さんが、お店に通ってくる利用者たちの声に耳を傾けながら、お店を黒字化へと導く様子がつづられた一冊。書店の再生の話である一方、佐藤さんが不登校の若者たちにも寄り添うことで、若者たちが成長していく物語でもあります。「書店に限らず、さまざまな小売業に従事する人、さらには働くすべての人にとって参考になるのでは」と能堀さん。ご自身もこの本を読んで、「がんばろう」と背筋が伸びたそうです。

■今回紹介した書店は…

蚊帳文庫

住所 神戸市兵庫区荒田町3-5-22、マンションカワサキ103

営業時間 13時30分〜19時(日によって変動あり)

電話番号 ℡078-779-6987 詳細はWebで確認を。

https://www.instagram.com/kayabunko/?hl=ja

次回は、神戸市灘区にある「ワールドエンズ・ガーデン」を紹介予定。お楽しみに。

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