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大学の物理は難しい。でも、女子だから難しいことはひとつもなかった

  • 2024.10.15

私は理系、しかも物理専攻だった。ただ、私の高校時代はクラスの男女比が49:51。若干女子の方が多い物理クラス。私はどこでもそうなんだと思っていた。

だってそれしか知らなかったから。現役で大学へ進学できず、予備校に通うことに。クラス内に女子はそれなりにいたけれど、それでも少なくて驚いた。予備校でできた友人に聞けば「理系クラスって女子3割ぐらいよ」と教えられた。私の高校時代が特殊だったことに初めて気が付いたのはこの時だ。

◎ ◎

1年後、当初の希望校では無かったけれど大学になんとか合格。物理学科に進学してさらに驚いた。女子が1割しかいないだなんて!しかも「今年は例年より女子が多いよ」と先輩に教えられた。

私は大学では宇宙物理学を専攻。最終的には太陽磁場の変動を予測する研究をしていた。プログラミングを読んで修正してシミュレーションして。当然女子は一人だった。「この研究室に女子が入ったのは5年ぶりだ」と言われたが、もうさすがに驚かなかった。

どうして理系は女子に不人気なんだろう。なんか難しそう?面白くなさそう?そもそも数式に拒否反応が出ちゃう?私は、そういった理由から理系、特に物理を選択しない女の子たちに一言いいたい。「だよね~!」って。特に高校までの物理は面白くないと私も思う。

というか、高校生が使える数学の知識内で物理を教えようとするとどうしても「ここは大学の範囲内だからそういうものだって覚えてね」ばかりになるのだ。大量のアルファベットが連なった暗号を覚えるだけでなく組み合わせて使うのなんて到底無理。なんなら私もずっと物理ができなかった。

◎ ◎

じゃあどうして私は大学での専攻学問に物理を選択したのか。大好きだった中学の理科の先生に「わからないことは、わかるようになるまで人に聞いてでもやりなさい」と言われたからだ。

私にとってのわからないことが物理だった。この言葉が無ければ私は絶対に物理を選択していなかっただろう。そして、専門的に物理を学んでみて思ったことは、単純に「物理って面白い」だった。そう、大学まで物理をやってみたら楽しかったのだ。

将来的にもっとリケジョが増えたらいいなとか物理の女子人気が上がればいいなとはもちろん思うけれど、「女子が少ないから」とか「自分が女子だから」っていう理由で理系を選択しない女の子の数が10年後減っていたらいいなと思う。

女の子だからできないことなんて、何もない。特に理系に進むことに関して、私は女子にハンデは無いと思っている。確かに大学の物理は本当に難しくて少し苦しかったけれど、女子だから苦しかったことは私はたったのひとつもなかったから。

◎ ◎

どんなことでもそうかもしれないけれど、とことんやれば楽しいのだ。

どんな選択だってしてもいいけれど、もし迷うなら難しそうな方を選んでおく方が後々楽しいっていうのは私が30年以上生きてきて手に入れた知見。この知見をここに置いておくことが、10年後の女の子のために私ができることかなって思う。

私にはもうすぐ2歳の娘がいる。彼女が10年後女の子になったとき、もし迷っていたら、私の知見を彼女に授けようと思う。きっと彼女が困ったときにちょっとの苦労を積み重ねた努力は彼女を救ってくれるから。

私は私でこれからもちょっとだけしんどい方を選択して生きていきたい。そのちょっとの努力が積み重なっていつかちゃんと報われることを示せる女性でいたいから。

■まろちゃんのプロフィール
30代、専業主婦。子供がひとり。字を書くのが好きです。
生きづらさと向き合いながら、ぼちぼち生きています。

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