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「彼氏いるの?」採用面接で同性からセクハラ。男女平等って何だろう

  • 2024.10.15

今私が書こうとしている文章は、このWebサイトに投稿するには不適切かもしれない。しかし、初めてその違和感を認識してから今に至るまで、錆のように拭えない疑問がある。
女性だけが声を上げる、あるいは、支援や理解を求めることは、果たして男女平等なのだろうか。

◎ ◎

大学3年生の頃、就活に向けて動き出そうとしていた私は、企業のイベントに参加するようになった。その中には決まって企業説明のコーナーがある。説明を聞いて適宜質問する講義型やざっくばらんに質問できる座談会型など様々だった。私が説明を受けた企業の多く、特に大手企業は女性の働きやすさやサポート体制をアピールしていた。

「女性でもキャリアアップを目指せます」
「安心して出産や子育てができます」
「生理休暇、バッチリです」

そういった取り組みを生き生きと話す女性社員、それにうんうんと頷く女子大生。私も呼応して、うんうんしてみる。

そうだよね、今言ってくれたことは大事なこと。私も社会に出たらバリバリ働きたい(当時はそう思っていた)。女性だからってそれを阻まれるのは望ましくない。
生理だけでもつらいのに、妊娠や出産の大変さはそれを上回るだろう。女性特有の体の不調時は、仕事を休んで体を労わりたい。
キャリアを重視してもいいし、家庭を最優先にできる働き方もできるんだ。

◎ ◎

それと同時に、私ははて、と思った。男性には何もないのか。
男性は家族や育児のための休暇は取れないのか。少数派かもしれないが、そう考える男性はいるかもしれないのに。
男性は女性より働くもの、家庭を持っていたら大黒柱にならなけらばならないという考え方が幼少期から当たり前だったが、果たしてそうなのか。その考えに圧迫されている男性もいるのではないか。自分のペースとバランスを保ちながら働きたい男性は受け入れられないのか。
男女平等って、何だろう。

そんなモヤモヤを抱えているのに、私は女子大生向けの説明会に足を運び、女性支援が手厚そうな企業にエントリーしていた。
その中で印象深い企業があった。悪い意味で。

◎ ◎

社員の6割が女性であるその企業の面接を受けた時、面接官は女性2名だった。そのうち1人はとても気が強そうな人だ。志望理由など定番の質疑応答が交わされる中で、気の強そうな人は私に「彼氏はいるの?」と尋ねた。
採用面接でそんなこと聞かれると思わず、「いないです」とオドオドしながら答えた。今思うと、それが不採用の烙印だったのだと思う。その企業(少なくともその気の強そうな人)にとって、私はふさわしい女性像ではなかったのかもしれない。今思えば、同性へのセクハラだ。
面接を終えエレベーターに向かうまでの間に、オフィスの様子を伺った。女性よりやや少ない男性職員の背中が、なぜか小さく見えた。選考辞退メールを送る前に不採用メールを受けたが、この企業に落ちてよかったと思った。

◎ ◎

改めて、男女平等って何だろう。
女性は言わずもがなだが、男性の育休取得の自由が当たり前になってほしい。むしろ産前から産後の一定期間はほぼ義務化してもいいのではないかと思う。

一方で、男女関わらず独身の負担を減らして欲しい。言い方は悪いが、休んだ人の皺寄せが独身の人に回って来るケースが多いと思う。産休や育休の人をサポートする分、組織から何かしらの形で待遇や還元を受けたいのが、独身の私の本音だ。
そして、性別や既婚未婚問わず、各人が進みたい人生に沿った働き方はできないのか。

生物的に男女の差はどうしても発生してしまう。その凸凹を双方が補い合うことで社会的に平等になる。
だが、もはや男女平等は古い考えかもしれない。むしろ、新しい形へアップデートするフェーズなのだろう。現代は性別や見た目、ライフプランなど、一人一人が持つ多様性を受容する動きが進んでいる。だからこそ、各個人が平等に社会に参画できる環境が大切なのだと思う。

◎ ◎

そんなことを思っているが、私は世間知らずのため、実際は働きやすい組織づくりが進んでおり、社会が変わっているのを知らないだけかもしれない。
ただ、このメディアが何年もの間活発に動いていること、そして今回のテーマが設けられていることが、今の世の中を表しているのだろう。

■継実のプロフィール
田舎に生まれ育ち、外の世界に憧れ関東の大学へ進学。大学の授業やバイト、留学、大学院などを経て、現在社会人。精神年齢は8才だと思ってる。ワクワクするのが好き。

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