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背の高い彼に出会って、私はショートブーツを我慢しなくなった

  • 2024.10.15

私は約1年前から秘かに思いを寄せている人がいる。
その人は今までの恋愛では唯一経験したことがなかったような相手だった。

◎ ◎

私は去年の秋に厚底のショートブーツを買った。ネット通販で購入したので、実物を見るまでは少し不安だった。そして1週間ほど経ち、その商品が届いた

鏡の前に新聞紙を敷き、その厚底ブーツを試着してみると、とっても脚の形が綺麗に見えるデザインだった。コロンとしたフォルムに足首部分はキュッと締まっていて、ふくらはぎに向かって少し隙間が空いている。この絶妙な作りが、脚を綺麗に細く見せてくれる。
私は、この秋冬ヘビロテだと確信した。

私はファッションが好きなだけに、こだわりも多い。こんなに気に入るデザインに出会うのは稀なことだ。私はそのショートブーツを履いて沢山出かけた。
さらに、このショートブーツはデザイン性だけでなく、長時間歩いても疲れない優れものだった。

だが、その大好きなショートブーツに1つだけ難点があった。それはソール部分が高いこと。
もちろん身長も盛れて、スタイルも良く見える高さではあったが、私は男性との身長差を気にしていた。

私は今までの恋愛において自分と同じくらいの身長の人に恋をすることが多かった。それは、その人の外見ではなく、中身に惹かれていたからであり、自分自身男性に対して、高身長を求めていなかった。好きな人と会う時はいつもぺたんこのバレエシューズを履き、いつの間にか家にはバレエシューズしか置いていなかった。
友達や家族と出かける時にたまにヒールを履くくらいで、基本はバレエシューズで過ごしていた。

◎ ◎

そんな時、私はとある1人の男性に恋をした。彼は身長が183センチだった。今まで好きになってきた人より20センチほど高かった。私はいつものごとく彼を身長で好きになったわけではない。でも、並んでお話しする時、一緒に写真を撮る時、今まで味わったことがないトキメキを感じた。私がヒールを履いていても、彼に上目遣いで話す自分。写真を撮るとき、少しかがむ彼。頭をポンポンする手は上から伸びてくる。すべてが新鮮な体験だった。

私は今まで、好きな人に会いに行く時、なんとなく気を遣ってバレエシューズを履いていた。ヒールを履かないでほしいと直接的な言葉を言われることもあった。
でも、その彼に会いに行くときは自分のおしゃれを我慢しなくていい。気を遣わずに、ありのままの自分でいられる。自分が履きたい靴を履ける。そして、あの大好きなショートブーツを履いて会いにいける。私はそんな小さなことに、大きな幸せを感じてしまった。

◎ ◎

「小さい男子って可愛くない?」「目線が同じ男子ってキスしやすいし!笑」私は自分にそう言い聞かせて生きてきたけど、日本人女性の平均身長より高い身長を持つ私にとって、心のどこかで背が高い男性に憧れていたんだと思う。

そして、内面も顔も、そして身長も理想の男性に出会った。その彼とはお付き合いをしているわけではなく、ただ私が片思いをしているだけ。今後付き合えるかは分からないけれど、私に初めてのトキメキを教えてくれた人。どんな結果になっても私は、“彼と過ごした身長差”をずっと大切にしたい。

■リンチャのプロフィール
「美しさの中に毒っ気がある世界観」が好きです。趣味は音楽を聴くこと、タトゥーを彫ること。エリート家系に生まれ、厳しく育てられた優等生の自分とロックンロールに生きたい自分で揺れ動く人です。学習院女子大学卒。

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