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早期教育に熱中する親が「ハマる罠」…赤ちゃんや幼児に本当に必要なこと

  • 2024.10.14

こんにちは! 子どもの心の育て方講座を開催している、助産師さきです。最近、SNSを見ていると「早期教育」や「知育」の情報で溢れかえっていませんか? 私がインスタで情報発信を始めた5年前と比べても、知育アカウントの数が爆発的に増えているのを感じます。なぜこんなに増えているのか?理由のひとつは、小学校や中学校を受験する子が増えていることではないでしょうか。それに向けて「早くから学力をつけなきゃ!」と心配し始める時期が、どんどん低年齢化しているように感じます。私は助産院で子育ての相談を多く受けているのですが、幼稚園や保育園の子どもを持つのお母さんから「早くから習い事やドリル、英語教育をさせた方がいいでしょうか...」と相談されることも増えてきました。実は私も、そんな焦りや不安を感じたことがあるひとりです。でも、ちょっと待って! 幼い子に本当に大切なことって、学力を上げることなのでしょうか?

自己肯定感を育てるのは今!赤ちゃん・幼児期に本当に必要なこと

乳幼児期に大切なのは、他の子より"早く"何かができるようになることではありません。その子の良いところも悪いところも全部含めて「ありのまま」を認めてあげること、そして親がたっぷり甘えさせてあげることこそが大切なんです。なぜかというと、これによって子どもの中に安定した「愛着(アタッチメント)」が育つから。この愛着が、子どもが幸せな人生を送れるかどうかに関係します。そもそも愛着とはなんなのでしょうか。

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愛着とは「特定の人との心の繋がり」のこと。多くの家庭では、子どもにとって一番最初に愛着を築く相手は、親です。そのため親にどう育てられ、親子の愛着が安定したものになるか、不安定なものになるかが、その後の人生の人間関係や考え方の癖に影響します。

愛着が安定して育つと、子どもはどうなる?

・自己肯定感が高い・感情のコントロールが上手・友達関係が良好・いろいろな面で発達が促進される・学習面でも良い結果が出やすいこんなにたくさんの良いことがあるんです!逆を言えば、愛着が不安定に育つと、自己肯定感が低くなったり、感情のコントロールがうまくできない、人と付き合うのが苦手……など、生きづらさを抱える原因になってしまうことがあるということ。子どもの生まれ持った性格や気質とは別に、後天的な原因で生きづらさを抱えてしまうのって勿体ないと思いませんか?愛着は人間の「土台」と呼ばれるほど、人生に大きな影響を与えます。つまり、幼い頃に親が安定した愛着を育ててあげることは、子どもが幸せに生きていける可能性が高くなる、なによりも大切な投資になるんです。

愛着が不安定な人は1/3もいる!?

知育や早期教育が悪いわけではありません。子どもの可能性を広げるきっかけにもなりますし、親子で楽しめる良いツールにもなり得ます。でも、それがもし親子で笑い合う時間より、「早くやりなさい!」「なんでできないの」と、子どもが思うように動かなくてイライラしたり、指示命令が多くなる原因になるようなら注意が必要です。

あるお母さんの話

あるお母さんは下の子を出産したあと、4歳の上の子の癇癪や暴力に悩んでいたといいます。保育園の持ち物の準備や、ピアノの練習などやるべきことをやらないことに対して、毎日「ちゃんとして」「何度言ったらわかるの」を繰り返す日々。嫌な事があると激しくぐずり、下の子を叩いたりする上の子に対して、だんだんと可愛いと思えなくなっていたそうです。ところが、愛着の講座を受講したことをきっかけに、「やりなさい」ではなく「一緒にやろう」という対応に変え、子どもの気持ちに寄り添うようにしたところ、たった1~2週間で癇癪が減り、下の子への暴力もなくなったといいいます。

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愛着の育て方で子どもは変わる

このように、子どもへの指示や命令を減らし、一緒にいる時間に安心感や心地よい気持ちが増えていくと、子どもの癇癪が減った、きょうだい仲が良くなった、爪噛みがなくなったというような変化が起こることは多々あります。子どもが変わる理由は、不安定だった愛着が安定したものに変わったから。実は、愛着が不安定な人は、成人でも30%いるといわれています。決して珍しいことではなく、身近なことなんです。体は必要な栄養を摂れば自然に成長していきますが、心はそうではないんですね。愛着を育てるために大切なのは、早期教育のように、他の子と比べて「早くできるように」することではなく、「我が子」だけを見て、そのままを愛してあげること。これが子育ての本質です。幼い頃に安定した愛着を育ててあげることは、幸せな人生の土台を作る子どもへのプレゼントになります。他の子との比較や成績に関する悩みは、学校に入れば否応なしに直面します。でも、乳幼児期は、この時期だからこそ育むべき大切なものがあることを知ってほしいなと思います。SNSに溢れる知育・教育情報で焦ってしまい、早くから習い事や勉強をやったほうがいいのか悩む気持ちはわかります。でも、それよりも大切なことがあることを忘れないでもらえたら、と思っています。子どもの幸せな未来のために、一人でも多くの親子が心の繋がりを大切にできますように。周りと比べて焦らずに。わが子との時間を楽しんで、安定した愛着を育てていってくださいね。

【Profile】助産師さき先生(@mw_saki)

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助産師、看護師、離乳食・幼児食アドバイザー、小児スリープコンサルタント。大学病院、個人病院に勤務したのち、世界中どこからでも妊娠・出産・育児の相談や講座が受けられるオンラインの助産院を開業。育児相談のべ1万件。著書『助産師さき先生のはじての母乳育児』(すばる舎)子どもの心を育てる「愛着(アタッチメント)講座」は初開催で1500名が受講。安定した愛着形成をするための「子どもとの接し方」を発信。「学びで、育児をもっと楽に楽しくしよう!」をコンセプトに、親子でもっと幸せになる子育てノウハウを提案している。

Instagram:助産師さき先生(@mw_saki)

Voicy:「もっと幸せなママになろう❣️」

書籍:『助産師さき先生のはじめての母乳育児』

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