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「サンマ」に“赤い糸”が!食べると“食中毒”になる?専門家に聞いてみた

  • 2024.10.14
サンマの内臓の辺りにある“赤い糸”の正体は?
サンマの内臓の辺りにある“赤い糸”の正体は?

秋に旬を迎える食べ物の一つが「サンマ」です。塩焼きにして食べる人は多いとは思いますが、サンマの塩焼きを食べているときに、内臓の辺りに赤い糸のようなものが見えることがあります。この赤い糸は、どのようなものなのでしょうか。もし誤って食べてしまった場合、食中毒になる可能性はあるのでしょうか。

魚食の普及活動や水産物の消費拡大に取り組む、一般社団法人大日本水産会・魚食普及推進センター(東京都港区)の早武忠利さんに聞きました。

しっかり加熱調理をしていれば害はない

早武さんによると、サンマの内臓の辺りにある赤い糸のようなものは、「ラジノリンクス」と呼ばれる寄生虫だということです。魚はエサを食べているときに、寄生虫などが体に付くことがあり、サンマの内臓にラジノリンクスが付くことは、自然なことだといいます。

早武さんは、ラジノリンクスが人間の体内に入った場合の影響について、「他の寄生虫全てに共通しますが、しっかり加熱調理していれば、体内に入っても食中毒を引き起こしません。気にせず食べてしまいましょう」とアドバイスしてくれました。

また、「サンマの内臓は脂がのっていて、サンマの中でも一番おいしい部位です」と述べ、内臓の苦みが苦手でなければ、取り除かずに焼いて食べることを勧めています。

サンマの塩焼きを作る際は、グリルの上にアルミホイルを敷いた後、サンマをまるごと置いてそのまま焼くのがお勧めだといいます。調理後、アルミホイルをそのまま皿にのせれば、グリルや皿に汚れが付かず、掃除が楽で気軽に塩焼きを楽しめるということです。食べ終わった後に残った骨などは、牛乳パックに入れて冷凍すると臭わないといいます。

内臓の苦みが苦手な場合は、そのまま焼いて、食べるときに内臓だけ残すか、子どもが食べる場合は、キッチンばさみでサンマの尻の穴からあごの辺りまで切って内臓を取り除いた後、水でゆすいでから塩焼きにすると食べやすいということです。

なお、早武さんは、サンマを刺し身にして食べる際は、食中毒を引き起こす寄生虫である「アニサキス」に注意する必要があると強調。

その上で「アニサキスの対策として、厚生労働省はマイナス20度で24時間以上冷凍することを推奨していますが、私は、安心して食べられるように魚を1週間冷凍することをお勧めしています(家庭用冷凍庫の多くがマイナス20度まで下がらないこと、開け閉めもあることを考慮。家庭の場合)」と、アニサキスによる食中毒を防ぐための対策について、教えてくれました。

このほか、サンマによっては、骨やうろこの一部が青色に見える場合がありますが、これは自然なことなので心配はないということです。また、サンマは棒受け網で獲られるときに、他のサンマのうろこを飲み込むことがあるとして、そのような場合は内臓にうろこが塊で入っていることがあるため、無理に食べずに取り除くよう勧めています。

今年はサンマが豊漁といわれているため、スーパーでサンマを見掛けた際はぜひ購入してみてはいかがでしょうか。

オトナンサー編集部

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