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批評家が選ぶ、エマ・ストーンの代表作ランキング!2度のオスカーに輝くトップ女優のキャリアを網羅する“フレッシュ”なおすすめ10選

  • 2024.10.12

今年3月に行われた第96回アカデミー賞において、『哀れなるものたち』(23)で7年ぶり2度目のアカデミー賞主演女優賞に輝いたエマ・ストーン。地元アリゾナ州の子役劇団で女優としてのキャリアをスタートさせた彼女は、10代後半で映画デビューを飾り、青春コメディから超大作、映画ファンを魅了する鬼才監督の作品など幅広く、圧倒的な存在感を放ってきた。いまでは新作のたびに世界中が注目する、ハリウッドを代表するトップ女優のひとりと言っても過言ではないだろう。

【写真を見る】エマ・ストーン出演作で最も評価が高いのは、やっぱりあの人とのタッグ作?

そこで本稿では、映画批評を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」を参考に、これまでストーンが出演してきた映画作品のなかから批評家の評価が特に高い10作品を一挙にピックアップ。彼女の輝かしいキャリアを振り返りながら、それぞれの見どころを紹介していきたい。

『ラ・ラ・ランド』と『哀れなるものたち』で2度のアカデミー賞主演女優賞に輝いているエマ・ストーン [c]Everett Collection/AFLO
『ラ・ラ・ランド』と『哀れなるものたち』で2度のアカデミー賞主演女優賞に輝いているエマ・ストーン [c]Everett Collection/AFLO

「ロッテン・トマト」とは、全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、映画や海外ドラマ、テレビ番組などの評価を集積したサイト。批評家の作品レビューに込められた賛否を独自の方法で集計し、それを数値化(%)したスコアは、サイト名にもなっている“トマト”で表される。好意的な批評が多い作品は「フレッシュ(新鮮)」なトマトに、逆に否定的な批評が多い作品は「ロッテン(腐った)」トマトとなり、ひと目で作品の評価を確認することができる。

中立的な立場で運営されていることから、一般の映画ファンはもちろん業界関係者からも支持を集めており、近年では日本でも多くの映画宣伝に利用されるように。映画館に掲示されたポスターに堂々と輝くトマトのマークを見たことがある方も多いだろう。

日本でも絶大な人気を博した『ラ・ラ・ランド』の評価は…? [c]Everett Collection/AFLO
日本でも絶大な人気を博した『ラ・ラ・ランド』の評価は…? [c]Everett Collection/AFLO

それでは、エマ・ストーン出演作の“フレッシュ”10傑を挙げていこう。

93%フレッシュ『女王陛下のお気に入り』(18)

92%フレッシュ『哀れなるものたち』(23)

91%フレッシュ『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(14)

91%フレッシュ『ラ・ラ・ランド』(16)

89%フレッシュ『ゾンビランド』(09)

88%フレッシュ『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(07)

85%フレッシュ『小悪魔はなぜモテる?!』(10)

84%フレッシュ『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(17)

79%フレッシュ『ラブ・アゲイン』(11)

76%フレッシュ『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(11)

93%フレッシュを獲得した『女王陛下のお気に入り』 [c]Everett Collection/AFLO
93%フレッシュを獲得した『女王陛下のお気に入り』 [c]Everett Collection/AFLO

まず注目すべきは、10作品中5本がその年のアカデミー賞で作品賞にノミネートされているいうこと。91%フレッシュを獲得した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は作品賞に輝いており、ほかの4本も『ラ・ラ・ランド』と『哀れなるものたち』ではストーン自身が主演女優賞に、『女王陛下のお気に入り』ではオリヴィア・コールマンが主演女優賞に輝き、『ヘルプ 心がつなぐストーリー』ではオクタヴィア・スペンサーが助演女優賞に輝くなど、とにかくストーンの出演作と賞レースの相性が抜群であることがよくわかる。

さて近年のストーンといえば、やはりギリシャ出身の鬼才ヨルゴス・ランティモス監督の作品の“ミューズ”としてのイメージが圧倒的に強いだろう。案の定、最も高い評価を獲得したのはランティモス監督と最初にタッグを組んだ『女王陛下のお気に入り』の93%フレッシュ。同作でストーンは、アン女王に仕えることになる没落貴族の娘アビゲイルを演じている。先述の通りオスカーに輝いたコールマンと、英国を代表する実力派女優レイチェル・ワイズとの3人の熾烈な演技バトルは見応え抜群だ。

【写真を見る】エマ・ストーン出演作で最も評価が高いのは、やっぱりあの人とのタッグ作? [c]Everett Collection/AFLO
【写真を見る】エマ・ストーン出演作で最も評価が高いのは、やっぱりあの人とのタッグ作? [c]Everett Collection/AFLO

また、長編映画で2度目のタッグとなった『哀れなるものたち』も92%フレッシュという高評価で続いている。こちらでは天才科学者の手によって瀕死の状態から蘇った女性ベラ・バクスターの生き様を、エキセントリックかつ魅力的に体現。ストーンとランティモス監督の黄金タッグは、最新作『憐れみの3章』(公開中)はもちろん、次作として予定されている韓国映画『地球を守れ!』(03)のリメイク『Bugonia』でも継続。今後もこのコンビから目が離せない。

このランティモス監督との2本と、『バードマン』、そして84%フレッシュの『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』は、いずれもサーチライト・ピクチャーズの作品というのも特徴的。また、こうした賞レースで注目を浴びた作品が並ぶなかにキャリア初期に出演したコメディ作品も加わってくるのも興味深いところだ。

『小悪魔はなぜモテる?!』はブレイクのきっかけとなった隠れた傑作! [c]Everett Collection/AFLO
『小悪魔はなぜモテる?!』はブレイクのきっかけとなった隠れた傑作! [c]Everett Collection/AFLO

とりわけ映画デビュー作となった88%フレッシュの『スーパーバッド 童貞ウォーズ』と、85%フレッシュの『小悪魔はなぜモテる?!』は、どちらも日本では劇場未公開でDVDリリースされており、いまでも一部の映画ファンから熱狂的に愛される隠れた傑作。実際にこの2作を観てみれば、当時からストーンの作品選びのセンスが冴え渡っていたことがよくわかるだろう。

近年ではプロデューサーとして活躍しているのも、こうした慧眼の持ち主だからこそ。今回紹介した“フレッシュ”10傑は出演作に限定させてもらったが、『ゾンビランド』で共演したジェシー・アイゼンバーグがメガホンをとったサーチライト作品『リアル・ペイン〜心の旅〜』(2025年公開)は今年1月のサンダンス映画祭でお披露目され、劇場公開前でありながらもすでに91%フレッシュを獲得。また、夏に北米で公開された『I Saw the TV Glow』も84%フレッシュの高評価。近い将来、ストーンが作品賞のオスカーを手にする姿も見られるかもしれない。

文/久保田 和馬

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