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7人制サッカー『ソサイチ』をプレーする元ソサイチ日本代表MF佐藤玲央の軌跡を追う

  • 2024.10.12
7人制サッカー『ソサイチ』をプレーする元ソサイチ日本代表MF佐藤玲央の軌跡を追う
7人制サッカー『ソサイチ』をプレーする元ソサイチ日本代表MF佐藤玲央の軌跡を追う

Text by 高橋アオ

サッカーでプロを断念して引退したが、7人制サッカー『ソサイチ』で日本一を目指して日夜奮闘している選手がいる。

ソサイチ関東リーグ2部Verdadeiro (ヴェルダデイロ)FSCの元ソサイチ日本代表MF佐藤玲央は、チームの代表を務めながら選手としてもチームで日本一を目指している。

ソサイチは1チーム7人で前半20分、後半20分の計40分間で試合を実施する競技で、フルサイズのサッカーフィールドの約4分の1サイズのピッチで試合が行われる。フットサルと同様にオフサイドの適用はなく、控え選手との交代も制限がない。

「サッカーとは違ってプレースピードが早いので、その中でサッカーと違った早い展開が見られるところが一つの魅力だと思います」と佐藤が言うように、サッカーとは違ってピッチサイズが小さいため、素早い判断とプレースピードが求められる。

過去に青森山田高でサッカーに励んでいた青年は、なぜ7人制サッカー『ソサイチ』チーム創設に関わり、日本一を目指しているのか。ソサイチの魅力とともに男の軌跡を追った。

7人制サッカー『ソサイチ』をプレーする元ソサイチ日本代表MF佐藤玲央の軌跡を追う
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過密日程も緊急GKもなんのその

FOOTBALL 7 SOCIETY LEAGUEソサイチ東北リーグに越境参加したVerdadeiro FSCは、ラソススポルチクルービ仙台と8月初旬に仙台市内で対戦。目まぐるしく攻守が入れ替わり、両チームが素早い攻撃を見せた。終始主導権を握ったVerdadeiro FSCが9-2で圧勝した。

7人制サッカー『ソサイチ』をプレーする元ソサイチ日本代表MF佐藤玲央の軌跡を追う
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仙台市出身の佐藤は「故郷で勝てたことが気持ちいいですね。先週初めて仙台でソサイチをプレーできました。これまで東北でソサイチをやったことがなかったんですけど、先週仙台で初めてやる試合で決勝ゴールを決めて、きょうも2連勝できました。故郷でソサイチができて、自分が100パーセント注ぎ込んでいるものを表現できることがすごくうれしいです」と凱旋勝利に笑顔を見せた。

チームは関東2部に所属しながら東北リーグでも戦っている。地域リーグ2部以下は他地域のリーグに越境参加が可能であり、東北リーグは1~3位で優勝決定戦(プレーオフ)が行われ、勝ち抜いたチームが全国大会『F7SL CHAMPIONS CUP 2024』の出場権を獲得できる。

そのため関東2部では全国大会出場権を獲得できないため、出場権を獲得できる東北リーグに越境参加をしている。ただ越境参加のデメリットとして過密日程を強いられるため、この日行われた試合の翌日にチームは関東2部リーグの試合を控えていた。

この一戦でゴレイロ(ゴールキーパー)が接触プレーにより負傷を懸念して交代を強いられたため、MFを本職とする佐藤がGKを務める一幕もあった。

7人制サッカー『ソサイチ』をプレーする元ソサイチ日本代表MF佐藤玲央の軌跡を追う
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「僕がキーパーをやってから失点していないので、残り10分はゼロで締められたので良かったです(苦笑)」とアクシデントもなんのその。

翌日の試合のために試合終了後にはすぐ関東へ戻らなければいけない過密スケジュールなど過酷な選手生活を送っている佐藤だが、ソサイチの魅力に惹かれた男は夢を抱いていた。

ソサイチで日本一を目指す

高校時代は青森山田高でサッカーに励んでいた佐藤は、高校卒業とともに競技を引退した。

「サッカーを続けるのであればプロを目指したかったんですけど、プロのレベルにはなかなか届かない部分があると高校在学中に感じました。大学を探すタイミングで競技として続けるのはやめようと決めました」

全国から強者が集う青森山田高は毎日激しい競争を強いられる。同期はJ2ジェフユナイテッド千葉MF髙橋壱晟、J2ファジアーノ岡山DF嵯峨理久らと優れた選手が揃っており、高3年次は全国高校選手権初制覇、高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグファイナル優勝と高校2冠を達成した。プロになれる素質を持った選手たちが身近にいただけに、プロ志望だった佐藤は現役引退を選んだ。

7人制サッカー『ソサイチ』をプレーする元ソサイチ日本代表MF佐藤玲央の軌跡を追う
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高校卒業後は神奈川大へ進学。大学3年次の2020年にソサイチと出会った。

「大学3年のときに身体を動かしたいタイミングがありました。たまたま埼玉にある西大宮スポーツパークでソサイチを練習しているチームがあって、ソサイチをやってみようかなと思ったことが競技を始めるきっかけですね」と振り返った。

同年に開催されたソサイチの大会に出場すると、競技の魅力に引き込まれた。「チームを作ってやってみたい」と仲間を集めてソサイチチームを作ることを決めたという。そして埼玉県さいたま市・西大宮スポーツパークを拠点に活動するソサイチチームVerdadeiro FSCを2020年に創設した。

サッカー引退から3年のブランクがありながらソサイチに競技転向する形で現役復帰した佐藤は、チームの中心選手として活躍。昨年4月にフィリピンで開催されたアジアカップに臨むソサイチ日本代表に選出された。佐藤は全試合に出場して2ゴールを挙げて、アジア制覇に貢献した。

そして昨年5月に開催された全国大会『F7SL CHAMPIONS CUP 2022』にチームは、関東3部ながらカップ戦(F-CHANNEL CHAMPIONS CUP)枠で大会出場を果たし、同大会でベスト4に進出する快進撃を見せた。

ソサイチと出会ってから3年で佐藤は日本代表選手選出、全国4強と順風満帆なキャリアを歩んでいる。現在の夢は自分が立ち上げたチームで、日本一を勝ち取ることだ。

7人制サッカー『ソサイチ』をプレーする元ソサイチ日本代表MF佐藤玲央の軌跡を追う
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「僕たちは日本一を目指しています。まずは関東2部も東北も優勝を僕ら目標に活動しているので、そこはどっちも取れるように頑張っていきたいです」と闘志を燃やした。


チームは東北リーグで1位に輝くも、優勝決定戦では2位AC Milan千葉に0-2で敗れて全国大会『F7SL CHAMPIONS CUP 2024』の出場を逃した。それでも関東2部では自動昇格圏の首位を走っており、関東1部昇格を手繰り寄せようとしている。ソサイチと出会って人生が変わった男は今後どのような軌跡を歩んでいくのか。今後もその足取りを追っていきたい。

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