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映画『若き見知らぬ者たち』で主演を務める磯村勇斗さんにインタビュー「幼少期の思い出の映画は…」現在に繋がる“映画体験”をネホハホしてきました!

  • 2024.10.14

磯村勇斗さんにインタビュー!

磯村勇斗

現在公開中の映画『若き見知らぬ者たち』で主演を務める磯村勇斗さん。この作品をきっかけに感じた“家族”の結びつきや、磯村さん自身の幼少期から今につながる“映画”体験について聞きました。

磯村勇斗(いそむら・はやと)

1992年9月11日生まれ、静岡県出身。2014年、俳優デビュー。テレビドラマの他、多くの映画作品に出演し、『劇場版 きのう何食べた?』で第45回日本アカデミー賞新人俳優賞、『月』で第47回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。近年の主な出演作に『東京リベンジャーズ』シリーズ、『ビリーバーズ』『波紋』『渇水』などがある。『八犬伝』が10/25、『劇映画 孤独のグルメ』が2025年公開予定。

家族は、強い絆の中に脆さや危うさがある

磯村勇斗

――『PLAN 75』『月』『正欲』など、社会の隙間に隠れた弱き感情に触れる映画作品に、続々と出演されている磯村さん。今回挑んだ『若き見知らぬ者たち』では、親の介護と借金返済に追われる毎日に、息が詰まるような生活を送る青年・彩人を演じています。

この作品でフォーカスを当てているのは、救いようのない生活環境の中で世の中に声を上げられない人たち。そして、逆らうことのできない絶対的な権力や圧力です。彩人を通して、この根幹をどう表現していくかが課題でした。

――試写を観ると、生きていく息苦しさのようなものが映像から伝わってきました。

演じるうえで大事にしたのは“呼吸”です。喋ることすら大変なくらい追い込まれている若き青年なので、精一杯の息づかいや、ため息などを意識的に取り入れて演じました。

――介護の苦悩も描かれていますが、この作品をきっかけに“家族”について感じたことはありますか?

今回、実際に旦那さんを介護されている方に取材させていただきました。いろいろあるけれど、やはり逃げたくもなるし、“いっそ殺してしまえば…”という気持ちが芽生えた時だってある、とおっしゃっていて。それを聞いた時、家族はどんなタイミングで崩壊するかわからないんだ、と。
そのご夫婦には強い絆があります。でもその中に、外からは見えない葛藤や脆さもあることを、改めて感じました。

ar(アール)web

――彩人も逃げずに、自分の人生に向き合えたのはなぜだと思いますか?

弟の存在が大きかったんじゃないかな。格闘技の試合に出て勝利するという夢を追いかける壮平の姿が、兄にとって毎日を頑張れる糧になったんだと思います。

――福山翔大さん演じる壮平の試合シーンに、磯村さんは出番がないものの、撮影現場にこっそり見に行ったとか。

(福山)翔大とは兄弟の役柄なので、事前にごはんに行ってコミュニケーションをとっていました。彼が撮影の一年前からトレーニングを重ねたり、減量を頑張っているのを知っていたので、僕はカメラに映らないところでリングを見ていたんですけど、すごく感動しましたね。

磯村勇斗

――生きる境遇は違っても、彩人とその周りの家族や恋人、親友の心情も描いたストーリーはとても身近に感じます。

テーマとしては観終わった後に辛さや重さが残るんですけど、僕はその先のことを考える必要があると思いました。自分たちは今後どう生きていくか、みなさんにも想像してもらえると嬉しいです。

オダギリジョーさんの髪型をマネしていました

磯村勇斗

――子供の頃から家で映画作品が流れていたという磯村さん。映画好きなのは、親御さんの影響ですか?

家には洋画のレーザーディスクがたくさんあって、父親が観ていた作品の音を聞いていた記憶があります。自分でもディスクを選んで観ていましたね。

――子供の頃に連れて行ってもらった映画館の思い出は?

今はもうなくなっちゃったんですけど、地元の映画館で父親と観た『猿の惑星』(2001年公開『PLANET OF THE APES/猿の惑星』)は今でも覚えています。猿たちの戦いに興奮して、家に帰っても放心状態で。僕、申年なので共鳴していました(笑)。

磯村勇斗

――今も休日は映画館に行くそうですが、劇場観賞のこだわりはありますか?

まぁ…、本当は賑わっていてほしいんですけど、理想は人があまりいない時間に落ち着いて観るのが好きです。僕はなるべく後方の通路側の座席をとります。通路側だとたまに脚を解放できるので、ちょっと動いて前のシートに当たってしまう心配がないんです。

――配信サービスが充実している今、映画館でしか味わえない体験がより際立ちますね。

僕はあの独特な空間と匂いが好きです。ポップコーンやスクリーンなのか…、なんの匂いなのかわからないですけど。
 大きなスクリーンと、迫力のある音響から伝わってくるものは、テレビやスマホ画面とはやはり圧倒的に別物。映画に包まれる感覚。これは劇場ならではですよね。

――大人になって影響を受けた作品はありますか?

上京したての頃に『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』を観て、母親の偉大さにすごく感動したと同時に、オダギリジョーさんにハマって僕もロン毛にしました。その後、オダギリさんが日本アカデミー賞で登壇した時、髪を後ろで結んでいたんですよね。それをまたマネして、友達の結婚パーティーに髪を結んで行きました。めっちゃ影響受けてます(笑)。

映画『若き見知らぬ者たち』公開中!

(C)2024 The Young Strangers Film Partners
(C)2024 The Young Strangers Film Partners

難病を患う母・麻美(霧島れいか)の介護と、亡くなった父の借金返済のため昼夜働き詰めの風間彩人(磯村勇斗)。弟の壮平(福山翔大)は借金返済と介護に協力しながら、総合格闘技の選手として練習に打ち込んでいる。彩人は労働に明け暮れる中にも、恋人の日向(岸井ゆきの)との小さな幸せを望み、親友の大和(染谷将太)に心を許していた。しかしある夜、理不尽な暴力により、彼と彼の周りにいる人々のささやかな日々が奪われてしまい…。出演/磯村勇斗、岸井ゆきの、福山翔大 他

Photo:Oturu En(SHOWAKICHI ¥50)
Text:Iida Honoka

Styling:Kasai Tom
Hair Makeup:Sato Tomokatsu

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