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『セツアンの善人』、『峠の我が家』、『D’après une histoire vraie─本当にあった話から』『Corps extrêmes─身体の極限で』【伊達なつめさんの一押しステージ情報】

  • 2024.10.12

演劇ジャーナリスト・伊達なつめさんのおすすめ作品をご紹介。今回は、『セツアンの善人』、『峠の我が家』、『D’après une histoire vraie─本当にあった話から』『Corps extrêmes─身体の極限で』の3本をピックアップ!

『セツアンの善人』

撮影=山崎伸康

「セツアン」は四川の英(欧)語読みに近いから、きっと東アジアの架空の国。貧困にあえぐ人々の中から神様に善人認定された娼婦は、善行を続けることへの限界から、真逆の冷徹銭ゲバ男キャラを創り出し二重人格的に使い分けを始める。物心ともに余裕のない日々にあって人はどこまで善人でいられるのかを、観客は自分事として考えるのだ。

作=ベルトルト・ブレヒト 音楽=パウル・デッサウ 翻訳=酒寄進一 上演台本・演出=白井 晃 訳詞・音楽監督=国広和毅
出演=葵 わかな、木村達成、渡部豪太、七瀬なつみ、あめくみちこ/栗田桃子、粟野史浩、枝元 萌、斉藤 悠、小柳 友、大場みなみ、小日向春平、佐々木春香/小林勝也、松澤一之、小宮孝泰、ラサール石井
10月16日(水)~ 11月4日(月・休) 世田谷パブリックシアター ※兵庫公演あり
(問)世田谷パブリックシアターチケットセンター TEL:03-5432-1515

M&O plays プロデュース 『峠の我が家』

わずかな目線の動きや相手との距離、息遣いや語気、数秒の間(ま)。それらのミリ単位の変化を見逃さずにキャッチせねばと思わせる、岩松了の世界。いい人なのかそうでないのか判別のつかない曲者揃いの登場人物たちの中で、人妻(二階堂ふみ)と若者(仲野太賀)の出会いは、はたして峠を越えることができるのか。

作・演出=岩松 了
出演=仲野太賀、二階堂ふみ、柄本時生、池津祥子、新名基浩、岩松 了、豊原功補
10月25日(金)~11月17日(日) 本多劇場 ※新潟、宮城、富山、愛知、広島、岡山、大阪公演あり
(問)M&O plays TEL:03-6427-9486

クリスチャン・リゾー『D’après une histoire vraie─本当にあった話から』 シッド・ウランダン『Corps extrêmes─身体の極限で』

ラシッド・ウランダン『Corps extrêmes─身体の極限で』
©Pascale Cholette

とんでもない高所を渡るハイライナーは、渡りながら何を見、考えているのか。その視界を体感する映像を駆使しながら、リアル舞台では超絶アクロバットが展開する『Corps extrêmes─身体の極限で』。トルコの街角で踊る男たちにインスパイアされ波打つエネルギーをダンス化した『D’après une histoire vraie─本当にあった話から』。

クリスチャン・リゾー『D’après une histoire vraie ─本当にあった話から』
コンセプト・振付・舞台美術・衣裳デザイン=クリスチャン・リゾー
10月12日(土)、13日(日)京都芸術劇場 春秋座
10月19日(土)、20日(日)彩の国さいたま芸術劇場 大ホール ラシッド・ウランダン『Corps extrêmes ─身体の極限で』
コンセプト・構成=ラシッド・ウランダン
10月26日(土)、27日(日) 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
11月2日(土)、3日(日) ロームシアター京都 サウスホール問 (問)SAFチケットセンター TEL:0570-064-939

文=伊達なつめ

※InRed2024年11月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
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