いよいよ10月。食欲の秋が到来し、心躍る毎日がやってきました。料理好きにとって、この季節は楽しみしかないですが、料理が苦手な新米花嫁さんには、少し不安があるかもしれません。私も新婚当初はそうだった…。
そんな方に強くおすすめしたいのが料理教室です。
結婚生活を始めたばかりの人にとって、料理のスキルを磨くことは幸せな家庭を築くための大切なステップ。自分では思いつかない新しいレシピやプロの盛り付けテクニックを学ぶことができる絶好の機会です。
ニューオリンズの風を感じる料理教室へ
最近参加したなかで最も印象に残っているのは、アメリカの大河ミシシッピ川に隣接するミシシッピ・リバー・カントリーが主催した料理教室です。アメリカンフードと聞いて思い浮かぶメニューと言えば、ハンバーガーやホットドッグ、フライドチキンが代表的ですが、実はアメリカ南部にはその魅力を上回るレシピがたくさん。
しかも、ニューオリンズでレストランを経営する人気シェフが来日し、地元で愛されているメニューを直々に学べるというのだから、もう。ワクワクを超えて、心が高揚していました。
地元の食文化を象徴するフライドキャットフィッシュ
まずは、ミシシッピ州のダイニングシーンで味わえるキャットフィッシュ(Catfish)から。キャットフィッシュがピンとこなくて調べてみると…な、なまず!?
臭みを想像しがちですが、実際には白身魚のようなさっぱりとした味わい。バターミルクとコーングリッツを使って衣を付けたなまずは外はパリッと、中はジューシー。レモンをきゅっと絞っていただくと、これがまた美味しいこと。
レッスンは実際にシェフがデモンストレーションを行ったあと、参加者が各テーブルで調理実習するスタイルでしたが、プロのテクニックを間近で見ることができて感激の嵐。揚げ物の際に食材を手前から奥に向かって入れるとは、知らなかった…。いくつになっても勉強ですね。
鶏とスモークソーセージのガンボ
次に挑戦したのは、南部アメリカの文化を代表する煮込み料理ガンボ(Gumbo)。食材やテイストは家庭や地域によって異なるそうですが、オクラ・玉ねぎ・セロリ、この3つはマストなのだとか。
作り方はカレーと似ていて、刻んだ具材をじっくり焼き、鶏ガラスープと牛肉スープを加えてじっくりと煮込んでいきます。そこにスパイスやウスターソース、小麦粉とコーン油をミルクチョコレート色になるまで調理したルゥを加え、蓋をしてさらに1時間。「煮込んでいる間はキッチンを離れられないから、ビールを片手にね」そんなユーモアたっぷりのエピソードにほっこり。参加者からも思わず、笑みがこぼれます。
イリノイ風ピエロギに挑戦
25ans Wedding
私のテーブルは、イリノイ風にアレンジしたピエロギ(Pierogi)にトライすることに。小麦粉とサワークリーム、卵などを合わせた生地に具材を包み込むわけですが、マッシュしたじゃがいもと2種類のチーズ、オニオンソルトを入れるのがイリノイ流。焼いたり、揚げるのではなく、沸騰したお湯で茹でるので、食感はもちもちしていて、ニョッキに近いような感じ?
生地をセルクルで抜いて伸ばし、中身を詰めて卵を塗って閉じていると同じグループにいた韓国人の女性が「マンドウ(餃子)みたい」と。確かに工程は餃子に似てる! 彼女との会話は韓国ドラマで学んだカタコトの韓国語と英語でしたが、料理を通じて、文化や言葉の壁を越え、心を通わせることができるなんて。貴重な体験ですよね。
南部名物のピーカンパイ
デザートは南部の名物、ピーカンパイ(PecanPie)。材料は砂糖、コーンシロップ(または水飴)、卵、バター、そして香ばしいピーカンナッツとシンプルですが、生地のサクサク感ととろりとしたフィリングが絶妙に絡み合い、豊かな風味が口いっぱいに広がります。特別な日のデザートとしても、普段のおやつにも良さそう。
あぁ、シアワセ。
なんだか自分だけでは申し訳ないので、習ったレシピをさっそく自宅で再現して、アメリカ南部の“美味しい”を主人とシェアしたいと思っています。復習がてら、わが家に友人を招いてホームパーティーもいいかも!? 秋は食欲がそそられる季節であり、素敵な思い出を作るのにもぴったりな時期ですからね。
写真・構成/川口ゆかり
*この記事は2024年10月12日時点の内容です。